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(回答先: 安倍首相「制裁強化で北体制崩壊するかも」(中央日報)【何という無邪気な観測か!】 投稿者 happyblue 日時 2006 年 10 月 13 日 23:52:05)
皆様、こんにちは。
> 日本の安倍晋三首相は11日、北朝鮮が核開発を続ける場合、国際社会が連帯して対北制裁を強化することで北朝鮮体制が崩壊する可能性があるという見方を表明した。
これが安倍首相の本心だとしたら、確かにあまりにも「希望的」過ぎるという気がします。これで金正日体制が崩壊するなら、とっくの昔に崩壊していたはずです。思えば金日成前主席が死去した時も、米英のイラク攻撃の時も、リビアが米国との国交を回復した時も、盛んに「これで北朝鮮は孤立し崩壊する」といわれたものです。似たような話として、例えば「もうすぐ日本はハイパーインフレに陥る」というのも十年以上前から言われていた事ですが、「もうすぐ北朝鮮は崩壊する」も似たような物のような気もします。
「北朝鮮の核実験が意味するもの。
北朝鮮は10月9日午前、核実験を実施した。それに対する日本をはじめとする世界各国の反応はすでにご承知のとおりだが、マスコミ報道を含めて、すべてが何かピントが外れていて、ノー天気な発言や対応に終始しているように見えるが、どうだろうか。つまり昨今の北朝鮮バッシングは、軍事論を含めて、きわめて状況認識が甘く、稚拙で底が浅いということだ。それらの議論や対応が浅薄なのは、実は、北朝鮮サイドからの言い分というものがまったく無視されているからだと思われる。
ところで、僕は、北朝鮮問題が国際政治の重要テーマとして浮上して以来、一貫して、マスコミや軍事評論家や、あるいはネット・右翼の皆さんが考えているのとは反対に、キム・ジョンイルは小泉や安倍ほど馬鹿ではない、と言い続けている。おそらく、今回の国際社会のほとんどすべてを敵に回しての核実験強行にしても、それなりの国際戦略と深慮遠謀があるはずである。明日にも北朝鮮が自滅し、自壊、自爆するかのような分析や言論はピントはずれだろう。
ちなみに、たとえば、キム・ジョンイルが父・イルソンから政権を受け継いだとき、西側マスコミ、軍事評論家、国際政治学者のほとんどが、2、3年のうちに、北朝鮮は崩壊すると予言していたはずである。キム・ジョンイルは愚かな馬鹿者である、という人間分析に基づく推測記事であった。言うまでもなく完全にハズレた。
というわけで、経済制裁も国連決議も無力だろう。むしろ、完璧にキム・ジョンイルのペースで進んでいると見ていい。そもそも、「なぜ、北朝鮮は核開発、核実験をしてはいけないのか」という根本的な疑問に誰も答えることは出来ないだろう。インドやパキスタンの例もある。いずれ、なし崩しに「核保有国・北朝鮮」が誕生するだろう。
アメリカは武力攻撃はしない。というより出来ない。アメリカ・ブッシュ政権は、民主党の「米朝直接交渉」の主張に引きずられて、米朝対話路線に政策転換をはかる可能性が高い。ライスの電撃訪朝の可能性もゼロではない。その時、日本政府はどう対応するのか。安倍の戦略的外交とは、所詮、アメリカの後から幼稚園児のようにノコノコとついていくだけだろう。僕は、それに反対ではない。ただ、それなら、国内向けのパフォーマンスとはいえ、政治家としての資質も才能もないくせに、あまり威勢のいい発言を繰り返すのはみっもないからやめろよ、と安倍とその一派に言っておきたい。愚行の尻拭いをするのは国民である。
ところで、かねてより、北朝鮮サイドに立った発言が多いために、「北朝鮮工作員」(笑)ではないかと揶揄されている悪名高い人物がいる。大阪法経大学教授の吉田康彦である。僕としても、この人物をまともに相手にする気はないが、彼の核実験に関する分析と発言は、それに賛成するにせよ反対するにせよ、傾聴に値すると思う。「米国は結局は、北朝鮮との直接交渉に応じざるを得ないでしょう。」という吉田の分析結果としての結論は、かなり重い。
吉田の分析と発言が重いのは、キム・ジョンイルという政治指導者を、評論家や学者、ジャーナリストとしては、例外的に冷静に観察しているからだろう。つまり、吉田の分析は、キム・ジョンイルは馬鹿ではない、という前提から出発している。繰り返すが、僕もまた、キムジョンイルは、小泉や安倍やブッシュほどの馬鹿ではないと思っている。だからこそ、この問題は簡単には解決しないということだ。
ちなみに、北朝鮮の核開発、核実験にいたる資金源は、小泉訪朝、拉致被害者帰国の見返りとして北朝鮮政府が秘密裏に日本から獲得した資金だったという噂話もある。功をあせるあまり、小泉も安倍も、キム・ジョンイルに手玉に取られている可能性の方が確率的には高いだろう。」
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20061013