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□イラク問題の予測コンセプトは「6カ月」 イラク駐在米軍司令官がまた使用 [アルジャジーラ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2552593/detail
イラク問題の予測コンセプトは「6カ月」 イラク駐在米軍司令官がまた使用
【アルジャジーラ特約9日】イラク情勢にとって、6カ月という区切りは特別な意味を帯びている。ラムズフェルド米国防長官が2003年2月、欧州で米軍将兵に対して、今やからかいの対象になってしまってはいるが、イラク戦争は「6日間、あるいは6週間続くが、6カ月続くとは思わない」と語ったことに始まる。
イラク駐留米軍司令官のジョージ・ケーシー将軍が先週、これからの6カ月間がイラクにとって重要になるだろうと警告して、この「伝統」を継ぐ高官の仲間入りをした。
開戦から今や3年と8カ月。米軍将兵2700人が死亡し、今なお、ますます反乱が増え、暴力がはびこるイラクに14万2000人が駐留しているというのに、当局者たちはいまだに「6カ月」という尺度でものを言っているのである。
ケーシー司令官は10月5日、多国籍軍とイラク軍の最高幹部との会合の後、「これ(今後の6カ月間)は誰にとっても決定的な期間となるし、誰もそれを知っている。次なる6カ月間がイラクの将来を決定するだろう」と言明した。
同将軍の言明は真面目なものだが、この数年間に同じように繰り返された予測と響き会わなかったら、もっとまともに取り上げられたことだろう。
米軍の侵攻から9カ月後の2004年1月のことである。占領軍に対する蜂起がどんどん力を増していたころだが、ブレア英首相がイラク南部のバスラ市を訪れた後、帰国の機上で「重要なのは、われわれが非常に重大な6カ月に入ろうとしていることだ。治安の問題を最重要課題として適切に措置して来なければならなかったが、過渡期も何とか乗り越えなければならない。この二つはどんどん難しくなるだろう」と語った。事態はまさに困難であったことを証明した。
2005年になると、イラクでの戦闘に勝利しようというあがきは、ブッシュ米大統領の戦争政策に対する信頼性を損ない、米国内の支持者の一部ですら、早期の決着を求めるようになった。
与党、共和党指導者のチャック・ハジェル上院議員(ネブラスカ州選出)は2005年8月、「次の6カ月間は非常に重要だ。憲法草案を書き、国民投票を実施し、選挙を行うことだけではなく、この6カ月の間に、われわれはイラク国民が自衛の能力を本当に持つのかどうかを見ることになる」と語った。
予期されたことだが、米野党勢力もまた気が短くなってきた。
05年12月、民主党の戦争反対の立場に立つ指導者、バイデン上院議員はCBSテレビで、「次の6カ月間で話が決まるだろう」と述べた。
その後も話が長引き、暴力ざたがたくさん起きる中で、イラク政府が選挙で選ばれ、自前の治安部隊が反米軍の武装部隊や米国に支援される政府に反対する民兵勢力と戦う役割を引き受けた。
にもかかわらず、シーア派とスンニ派の宗派的な報復合戦が発生し、武力衝突による死者は増えていくばかり。
今年6月、カリルザデ駐イラク米国大使はドイツの有名誌シュピーゲルとのインタビューで、「恐ろしいほどの過誤」がイラクの復興過程で行われ、解決されねばならないと語った。そして「次の6カ月が重大だ」と宣言したのである。
ワシントンに在住するレバノン人の政治評論家、モウンゼル・スレイマン氏は、6カ月間という期間は通常、2つの重要な日付の間の期間として使われるとして、「カリルザド大使が、次の6カ月間が重大だと発言したのは、6月から11月の米中間選挙の間の期間に触れたのであって、この選挙がブッシュ大統領に大きな影響を与えることになる」と述べた。
さらに、スレイマン氏はこうも語った。
「私の考えでは、ケーシー将軍が6カ月という期間を使ったのは、イランの核開発計画とかかわりがある。イランがイラクの鍵を握る重要人物たちに対して大きな影響力を発揮しているのは誰も知っていることで、かれはこう言いたかったのではないか。もし米国とイランがこの核問題で紛糾したままなら、イラクの問題はもっとこんがらかってくるとね」。(翻訳・ベリタ通信=日比野 孟)
2006年10月10日15時13分