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国際政治史に三角関係の均衡が永続した例はない。日米中関係に戻ると、中国は弱い方を叩く戦略を採る。
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投稿者 TORA 日時 2006 年 10 月 08 日 13:56:05: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
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国際政治史に三角関係の均衡が永続した例はない。
日米中関係に戻ると、中国は弱い方を叩く戦略を採る。

2006年10月8日 日曜日

◆首相、きょうから中韓訪問…核実験阻止へ日中結束
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061008-00000101-yom-pol

安倍首相は8日、中国を訪問し、北京で胡錦濤国家主席と初めて会談する。

 両首脳は、北朝鮮が実施を表明した核実験について、結束して阻止を図ることで一致する。また、小泉前首相の靖国神社参拝で悪化した日中関係を改善し、「未来志向」の関係の再構築に努力することを確認する。

 日中首脳会談は2005年4月以来約1年半ぶり。

 安倍首相は会談で、北朝鮮の核実験実施表明に「深刻な懸念」を示した国連安全保障理事会の議長声明を踏まえ、北朝鮮に影響力を持つ中国が実験中止を働きかけるよう求める。

 靖国問題では、自らの参拝について明言せず、政治問題化を避けたい考えを説明、理解を求める。胡主席もこの問題には深く言及しないと見られる。両首脳は、日中の相互交流の拡大でも合意する見通しだ。
(読売新聞) - 10月8日3時6分更新


◆日米中「三角関係」の力学 平成14年5月15日 歌川冷三
http://www.komei-bunka.jp/seminar/seminar-24.html

先程も、「瀋陽」の日本総領事館事件をどう思うか、という質問を受けたのですが、要するに、今の日本は国家概念が希薄過ぎるのだ、とお答えした。つまり、日本は戦略思考が出来なくなってしまっているのだ。

70年代にワシントンに3年半駐在して、沖縄返還や、日本の頭越しの米中外交関係樹立などを目の当たりにして、いかにわが国に国家概念が欠如しているかがよく分かった。どうしてそうなってしまったのか思いめぐらせてみたが、敗戦のダメージに打ち拉がれて、大多数の国民が国の存在価値を感じなくなってしまったのではないか、と思うようになった。

戦後50年経っても、未だ同じままでいいのか。日本の国家戦略を作らなければならない時期は、とっくに来ている。そのためには、日米中の三角関係をどのように捉えるのかを、真剣に考える必要がある。今は未だ日本は政治的には、英、独、仏に並ぶ中級国家といえる。しかし、この体たらくを続けるならば、早晩、政治小国に陥落する。そのために、日米中の力関係をどのように見、対応していったら良いのかを考えるのが、今日のテーマだ。

 先ず、日米同盟は中国にとっていかなる意味を持つのかを見てみる。70年代、米中が日本の頭越しに外交関係を樹立する際、ヘンリー・キッシンジャーと周恩来の間で日米同盟に関し意見の一致を見た。それは、日米安保は北東アジア地域の安全保障にとって最もエッセンシャルなものだ、という認識である。

米ソ冷戦当時、中ソも対立関係にあった。こうした状況下で日米安保は、ソ連という明確な敵を想定していた。中国にとっても敵であるソ連の敵である日米は味方だ、と周総理は判断した。ところが、冷戦が終焉を迎え、1996年、周辺事態法案が国会で審議され、日本の防衛範囲が論議され、台湾海峡が当然入ると政府が暗示するに至り、中国は日米安保は冷戦の遺物に過ぎず、日米で中国を包囲する軍事目的を持った容認できないものだ、と一転して非難に転じた。

 日米とも表向きは表明しないが、日米同盟にとり中国は潜在的敵国か、と言う議論はある。経済的にも軍事的にも急成長を遂げている中国は、アジアの覇権国になる可能性があり、当然、両国にとり脅威の対象である。それでは、三国が正三角型の等距離外交が出来るかというと、我が国が国家の生存を他国の善意と信義に信託する憲法前文のような他力本願の平和主義をとる限り無理である。むしろ、強い米中が接近して、核を持たない我が国が蚊張の外に追いやられる可能性すらある。

 それでは、三国関係の一般理論について申し上げる。今年3月、東京財団で日米同盟のシンポジュームを行った。席上、ジョージ・ワシントン大學教授のハリー・ハーディングに、三というのは均衡がとりにくい、直ぐ二対一になる、と言ったら、たしかに、三者間の均衡は小説の世界にはあるが、国際政治史に三角関係の均衡が永続した例はない。

彼の言う小説とは、ジョージ・オーウェル著「1984年」のことだ。これをハーディニングはRomantic Triangleと呼んでいる。この場合、romanticは空想のとか、架空のとかいった意味で、小説の世界にしか存在し得ない、といったかなり皮肉な表現なのだ。

1994年、ノーベル経済学賞を受賞したNashの均衡の理論、ゲームの理論と呼ばれている。安全保障上のゲームの理論では、三つの力が同等で、完全情報開示の条件の下でのみ三角関係は均衡するのだ。例えば、日米中において開示された情報に疑心暗鬼が生じたら、均衡は崩れ、ジャングルのルールに転じる。Rule of Jungle とは、何でもあり、即ち、ルールは一切ない、という状態だ。更に、ゲームの理論は、三者が喧嘩し合うと消耗し、三者とも衰退する可能性を示唆している。

 それでは、米国は今、日米同盟と日米中関係についてどのように考えているのか。冷戦時代は、敵が明確だったので、日本は基地を提供し、便益を供与していれば事足りた。米国にとって日米安保は、非常に有用な軍事同盟であった。冷戦後はそれでは済まなくなった。

米国が一方的に日本の防衛義務を負うという片務的同盟は、徐々に改善される必要があった。そこで我が国はPKOへの参加を決め、テロ特措法を成立させ、自衛隊法を改正し、集団的自衛権行使への途を開いた。しかし、これで米国が満足しているわけではない。

米の軍事評論家、アラン・トーネルソンは、日本は軍事行動を開始するのに遅すぎて役に立たない。軍事的予見可能性を見い出せるかどうかが、同盟の成否を決める、つまり、日本が米軍支援のためにどれだけ武器を提供できるかだ、と言っていた。

ホワイトハウスの日本担当部長、マイケル・グリーンは、歴史、文化、経済、軍事力などで全く類似点が無いので、同盟関係の管理が難しい。そして、その割には米国にとっての有用性は小さい、と言っている。

UCLA教授、ロナルド・モースは、米国が日本政府を信用していない以上に、日本国民が政府を信用していない。同時テロ事件の際、ロシアや中国が柔軟な対応をしたにも拘わらず、50年来の同盟国である日本の対応は全くお粗末だ、と言い出した。

 日米中関係に戻ると、中国は弱い方を叩く戦略を採る。そして、日本への攻撃方法は二通りある。先ず、大陸への侵攻などで、日本にギルティコンシャスが残っていることを、最大限に利用して、歴史問題で叩く。もう一つは、そんな考えは全く持っていないのに、軍事大国に戻る怖れがある、と言って騒ぎ立てる。外交はプロパガンダだから仕方がないが、弱い国を叩くという戦略の常道をとってくる。

 米国に対してはどうか。「増進了解」、「拡大共識」、「発展合作」、「共創未来」。これは、1998年、米国の民主党議員団が訪中した折、江沢民が伝えた対米外交基本政策である。強い国にはこの方法でアプローチする。中国の対日米同盟政策は、弱い日本を叩き、強い米国は持ち上げる、というあからさまな弱肉強食の論理だ。

 我が国は、この三角関係をどのように捉え、対応して行くのかという戦略をしっかり持つことだ。「孫子の兵法」や「三国志」など、中国伝来のリアリズムをおおいに学ぶべきだ。

 三国志的思考として、もう一つ付け加えておきたい。それは、日本が中国の属国化する可能性が、ゼロではないということだ。韓国が、米韓軍事同盟を破棄し、親中路線をとるケースだ。この場合、日本は、

 1.核保有して、自主防衛をする
 2.日米同盟を強化する
 3.朝鮮半島の動きに同調し、日米安保を解消、中国の属国となる

という三つのケースが考えられる


(私のコメント)
今日から安倍総理は中韓訪問の旅に出ますが、今までのような謝罪外交はしないだろう。小泉総理は最初の訪中で盧溝橋などを訪問して謝罪外交を繰り返した。それに懲りて小泉首相は靖国参拝をして外交的に巻き返しましたが、今回の安倍訪中は未来志向の外交を宣言するものとなるだろう。

日本の外交戦略は有って無きがごときものであり、日米同盟にどっぷり浸かっていれば日本は安全と思い込んでいる事です。しかし90年代におけるクリントン政権は米中パートナーシップを結んで日本を叩きに来た。ソ連が崩壊すれば残る敵は日本の経済力だからだ。

日本はそのような事を想定していなかったから、日本外交は混乱状態となり日本の総理大臣は90年代は9人も入れ替わった。それくらい日本には外交戦略と言うものが無く、アメリカが日本を叩いてきた場合の戦略を考えていなかった。しかし私というキッシンジャーを上回る大戦略家の登場で日本外交は変わり始めた。(冗談ですが)

歌川氏の記事にもあるように三国関係は均衡が取りにくくて直ぐに2対1になってしまう。アメリカによる日本叩きはジャパンバッシングと呼ばれていますが、それによって日本の政治家は骨を抜かれて腑抜けになり、日本の若者は髪の毛を金髪に染めて青い目のコンタクトを入れて外人の真似をするようになった。

さらに小学校から英語を教えようと言う事にまで発展して日本は終戦直後に戻ったような錯覚すら覚えた。さらには小泉内閣は日本企業を潰して外資に売り払い、外資に勤めることがエリートの条件となり、日産自動車は外人社長を迎えて社内は英語が公用語となった。ソニーも外人社長を迎えてそのようになった。

このままでは日本はどうなるのかと思っていたのですが、プーチンのロシアの復活が転機となり、ロシアと中国とが同盟を組んで上海協力機構でアメリカは孤立する事になった。EUもユーロを作りアメリカとは一線と画す事となりアメリカは完全に孤立した。ブッシュは一国覇権主義を唱えたが9,11テロで致命傷を負ってしまった。

周りを見回してみたらアメリカにはイギリスと日本しか盟友はいなかった。しかし9,11で致命傷を負ったアメリカは世界に散らばった軍事基地を縮小して孤立化政策をとって来るだろう。日本に対しても自分の国は自分で守れと言ってくるだろう。北朝鮮が核実験をしてもアメリカは北朝鮮に対して軍事攻撃は出来ないだろう。イラクで懲りているからだ。

超大国の崩壊と言うものは急速にやってくる。ソ連の崩壊はその直前までCIAですら予測できなかったし、ロシア国民ですら予測する人はいなかった。アメリカもイラク侵攻はソ連のアフガン侵攻と同じく致命傷になるだろう。昨日も書いたようにイラク侵攻の最終決断をしたのはキッシンジャーだろう。奥の院がキッシンジャーにそう命じたからだ。

アメリカはイラクで10年戦うだろう。そして力尽きて撤退して行く。そして経済的な破局と社会的な混乱が起きて収拾がつかなくなる。ソ連の破局がそうだったからだ。長期にわたる戦争は国家を疲弊させて社会を腐敗させてゆく。戦争産業は儲かるのだろうがこのようなサイクルに入っていくと戦争で負けるか、社会混乱で内部崩壊するかの二つしか道は無い。日本もかつてはそうなった。

近いうちにアメリカは韓国と同様に日本からも引き揚げて行くだろう。石原慎太郎も今朝の「報道2001」でそのように言っていた。アメリカの国力は確実に衰えてきている。イラクにたった13万の兵力しか派遣出来ないのはその証拠だ。ベトナム戦争のときは55万の兵力を派遣できたが現在はもう出来ない。それだけの経済力が無いからだ。

このような状況では日本は自主防衛と核武装の選択は不可避だろう。でなければ日本は中国の核に対抗できずに中国に吹き寄せられて行くだろう。アメリカは日本に対する覇権を維持できずに中国に譲る形になるだろう。日本が核武装出来なければそうならざるを得ない。日本を失ったアメリカは太平洋の覇権を失い急速に衰えて行く。それが分かっているからキッシンジャーは日本が核武装すると言っているのだ。

日本の政治家は未だに外交と防衛はアメリカにおんぶに抱っこの状態ですが、アメリカの本心としてはアメリカがボロボロになった時に、イギリスに大西洋と日本に太平洋の覇権を維持して欲しいと願っているはずだ。しかし日本の政治家は衰えつつあるアメリカに気がついてはいない。9,11の衝撃でも小泉首相は「恐いね〜」と言っただけで能天気だった。株式日記では9,11の2週間前にアメリカはフセインと戦争を始めると予言した。
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だから私はアメリカの未来が手に取るように見えるのだ。


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