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インタビュー:E.ハレビ元モサド長官 [アルジャジーラ]
http://www.asyura2.com/0610/war85/msg/287.html
投稿者 white 日時 2006 年 10 月 06 日 16:34:07: QYBiAyr6jr5Ac
 

□インタビュー:E.ハレビ元モサド長官 [アルジャジーラ]

 http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2536529/detail

インタビュー:E.ハレビ元イスラエル対外情報機関長官

 【アルジャジーラ特約3日】イスラエルの対外情報機関「モサド」の長官を1999年から2002年まで務めたエファライム・ハレビ氏がこのほど、アルジャジーラネットと会見、イスラエルの国防問題の課題などについて語った。

 今回は同インタビューの第一部で、レバノンのイスラム系シーア派民兵組織ハマスとの先の戦争に関し、ハレビ氏の発言を取り上げる。近く掲載する第二部では、パレスチナ問題、中東和平問題、イランの核開発問題などを紹介する。

 ハレビ氏は現在、ヘブライ・エルサレム大学戦略政策研究センター所長を務め、今年3月には「背後の大物」(仮題)と題する著作を刊行、その中で中東危機に対応したモサド長官の隠された行動などを描いている。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)

 バレビ氏との主な一問一答は次の通り。

 アルジャジーラネット:イスラエルは今回のヒズボラとの戦争に負けたのだろうか。

 バレビ氏「そうとは思わないが、イスラエルは目的を完全には達成できなかった。だが、ヒズボラには甚大な打撃を与え、その行動の自由を制限することには成果を挙げた。以下にその例証を示してみよう」

 「@ヒズボラは7月12日に国境を越えてイスラエルに侵入、同軍兵士8人を殺害、同2人を拉致した。これに対し、ヒズボラの指導者ナスララはイスラエル側があれほど素早く反撃するとは予期していなかったことを認めている。そして、同反撃を予想できていれば、越境・拉致作戦は敢行しなかったとも公に認めている」

 「A”開戦”初日からヒズボラ、それを支援するイランおよびシリアは連日、停戦を呼び掛けていた。優勢な軍は停戦要求などはせず、相手側の要求に応じるだけだ」

 「Bヒズボラは当初、国際軍がレバノン領内に入り、レバノン正規軍を支援しレバノン・イスラエル国境に展開することに反対していた。また、ヒズボラは、”開戦”の責任がヒズボラにあるとする国連安全保障理事会決議をレバノンが受け入れるのにも反対の姿勢を示していた。同決議は安保理が全会一致で採決し、イランとシリアはこれを尊重せざるを得ない」

 「Cナスララは拠点のレバノン南部でヒズボラ兵士たちが武器をかざしながら行進しないよう、さらにしばらくは停戦協定を順守するよう命じた」

 「D安保理決議はヒズボラの全面武装解除を求めている。ナスララおよびその勢力はこの決議順守に抵抗し、中東およびアラブの諸国を含む国際社会の要望と要求をあざ笑っている」

 「Eヒズボラは現在、レバノン内部の抗争に直面している。ヒズボラはシニオラ同国首相に裏切り者とのらく印を押し、新たに挙国一致政府を樹立するよう求めている。この要求は退けられた」

 「この結果、今回の戦争の結果は珍しいものとなっている。イスラエルは望んでいた勝利をてにできなかったが、ヒズボラは自らが証明しているように、この戦争に敗れた」

 ―近著「背後の大物」で訴えているひとつが組織のトップの責任だ。イスラエルのオルメルト首相は辞任すべきなのか。

 「責任は常にトップにあると信じている。この国の制度では、司法委員会が事実究明と失敗の再発防止に向けて設置される。同委員会の最終結論が出るまでは、いかなる判断も控えるべきだ。戦略的失敗を自ら認めているナスララが一線から退かないのが不思議だ」

 ―今回のレバノン戦争を前にして、イスラエル情報当局の失敗は何だったのか。

 「今回の戦争で公式に出ている説明を基にすれば、地上戦に十分な配慮がなされなかった。しかしながら、今明らかになったのは、開戦の序盤段階では外交的解決に精力が注がれており、それが今回の安保理決議だ。戦争の帰すうを決する段階においては、外交的成果は軍事的成果に比べ、表面上、より重要なのだ。イスラエルは開戦から4日後には外交努力を集中的に行い、リブニ外相は外交的成果を生もうと寝る時間もなく働いた」

 ―米経済紙ウォールストリート・ジャーナルは先月、予備役兵の証言として、補給の不足、指揮能力の欠如、戦場での混乱が生じたと伝えた。優秀な軍隊を持つとされる国がどうしてそのような状況に陥ったのか。

 「イスラエル国防軍の兵たんおよび関連機能の欠点は、戦時ではアキレス腱となった。現在、その原因などを究明している。これまでの戦争において、イスラエルは欠点と混乱の両方を経験してきた。戦争というものは、計画通りに運ぶとは限らない。また、戦争は教科書通りには決していかない。どの戦争でも派手な宣伝と勝利、それに作戦の失敗、友軍による誤爆での死などがない交ぜになっているものだ。イスラエルは次の戦いでは失敗を教訓として戦うだろう」

 ―2003年に国家安全保障評議会の議長を退いた際、あなたはシャロン政権に次のような言葉を残した。「決定が無秩序状態に陥っている。重要な状況で場当たり的な雰囲気がまん延している」。この状況が今も続き、レバノン戦争での戦略に影響が出たと思うか。

 「司法委員会が今、その点を調査しているところで、余計な意見を挟みなくない。国家監察官も同様の調査を実施しており、数日前に発表された報告は、歴代の政府が国家安全保障評議会をないがしろにてきたことを厳しく非難している」

 「今回の戦争突入の過程に誤りがあれば、それは国民に公表される。私が関心を持つのが、最終的にはヒズボラとレバノンに大打撃を与えた今回の戦争で、ヒズボラの指導者ナスララが戦端を開くに至ったその決定過程だ」

 「ナスララはどうのようにして開戦を決定したのか。事前の協議会に参加したのは誰だったのか。協議会ではイランからの代表が参加し、開戦に積極的だったのだろうか。その辺の状況、事情が解明されるよう期待している」


2006年10月06日08時44分

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