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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu131.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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日本のTVや新聞を見ていると、いよいよ民主党の時代か、
と思わされるが、大統領はそのままで政権交代ではない。
2006年11月10日 金曜日
◆国防長官の更迭 11月9日 渡部亮次郎
http://www.melma.com/backnumber_108241/
2006年11月9日の午前3時過ぎ、アメリカから大きなニュースが入ってきた。予想されたとはいえ、ブッシュ大統領がラムズフェルド国防長官を更迭したのだ。中間選挙での敗北をうけ、イラク政策の軌道修正に取り掛かることを具体的に示したものだ。
<【ワシントン=山本秀也】ブッシュ米大統領は8日午後(日本時間9日未明)、ホワイトハウスで記者会見しラムズフェルド国防長官(74)が辞任したと発表した。
イラク政策が争点となった中間選挙での共和党が敗北し、民主党からの批判が強まることを踏まえた事実上の更迭だ。後任にはブッシュ前政権で中央情報局(CIA)長官を務めたロバート・ゲーツ氏(63)が指名された。
ブッシュ大統領は、選挙戦の争点だったイラク政策について「素早く、うまくいってはいない」と認めた。イラクを含むテロとの戦いで、米軍最高指揮官としての職責を果たすため、国防総省の首脳人事を決断したと語った。
ゲーツ氏の新長官就任は、上院公聴会の同意を得て発効する。根回しのため、大統領は同日、上下両院の民主、共和両党首脳に同氏の指名を伝えた。
イラク政策で批判の高まるラムズフェルド氏について、大統領は今月1日、ロイター通信などに対し、政権2期目が終わる2009年1月まで留任させると語っていた。この報道を受け、民主党からは同氏への更迭要求がさらに強まっていた。
記者会見での説明によると、大統領は選挙戦終盤の5日にテキサス州でゲーツ氏と会談。さらに7日にラムズフェルド氏と会い、今回の人事で合意していた。
大統領執務室での指名会見で、ゲーツ氏はテロとの戦いで米国の安全を確保する使命を強調し、「公務復帰に関する大統領の要請受諾をためらわなかった」と語った。
ラムズフェルド氏はフォード政権で国防長官を経験し、現政権の発足で再び同じポストに就いていた。ゲーツ氏はCIA要員として情報畑を歩み、大統領の父の政権で1991年から93年までCIA長官を務めた。>(Sankei Web 11/09 03:50)
今回の共和党敗北は予想されていたことであった。いや、イラク戦争云々だけではなく、いわば「恒例」でもあるからである。この点を、信頼すべき古森義久氏(産経新聞ワシントン駐在記者)は9日の朝刊で次のように指摘している。
「再選された大統領(ブッシュ)の2期目の中間選挙(今回)は与党(共和党)の後退が激しいと言うサイクル的な軌跡がある。保守の強さを発揮したレーガン大統領の時代でさえ2期目の中間選挙では民主党に上下両院の過半数を奪われた。>
日本のTVや新聞を見ていると、いよいよ民主党の時代か、と思わされるが、そうではない。大統領はそのまま、つまり政権交代ではないし、議会では日本と違って法案に対する党議拘束は殆どないから、ブッシュ政権としては、今後議会工作に手間がかかるけれども、何もかにも行き詰まりと言うわけではない。
日本で社会党党首村山氏を首班にした政権ができた時、欧米のメディアはそろって「日本に社会主義政権誕生」と報じた。「しかしこれは自民党に支配された政権だから社会主義政権の誕生なんかではない」と私はニューヨーク・タイムズに投書して掲載されたものだ。
同様に日本人特派員はワシントンで、日本の政界を見るような目でアメリカ政界を見る癖が抜けない。ある記者は「米外交、袋小路の危機」と打ってきたが、ブッシュが大胆な戦略転換をすれば袋小路云々は空文化する。日本と違って新しい国だから転換が出来るのだ。
中国への通商政策の変化に注目する必要はあるが、日本として慌てるべき事は何も起こってはいない。
読売新聞の貞広貴志ワシントン特派員も指摘している。(9日付)
「レーガン大統領は1986年の中間選挙で上院の過半数を失いながら"悪の帝国"視したソ連に圧力を掛けながら交渉に臨み、冷戦を終結に導いた」。ブッシュはあと2年で何をやるか。民主党は2年後の大統領選挙を目指して纏まれるか、だ。
変化はある。しかしやってくるのは緩やかに、という受け止め方をしておいたらよかろうと思う。2006.11.09
◆バックパッシングの応用:その3 11月9日 地政学を英国で学ぶ
http://geopoli.exblog.jp/
さて、アメリカが六カ国協議のようなわけのわからん会談を北朝鮮と行おうとしている原因のひとつが、「バックパッシングをしたい!」というアメリカ(というかすべての大国)が持つ欲求にある、ということを述べてまいりました。
つまりこれは「アメリカは自分以外の四カ国(日本、韓国、ロシア、中国)に、北朝鮮の処理を任せたい」と思っていることに他なりません。
なぜこうなるのかというと、これはすでに申し上げたように、「大国はわがままである」ということにすべて集約されてきます。
いや、すべての国家は、その規模の大小に関係なくわがままなはずなんですが、アメリカのような「超」がつくくらいの大国になると、他の国々を巻き込んで何かをするくらいのパワー(影響力)を持っております。
そうなると、わがままをある程度通せることになるので、そのパワフルさがより目立つ、ということになります。
さて、人間はいろいろなことを考えるもので、たとえばこの六カ国会談というものを見て
「アメリカの覇権力が落ちた証拠だ!」
と大騒ぎする人がおります。
たしかにこれは半分正しいのかも知れませんが、実はまだ片手落ち。なぜならアメリカが六カ国会談をしたいあと半分の理由は、
「それがアメリカの利益になるからだ!」
ということに他なりません。まあ当然といえば当然です。
ここでは何度も「大国はわがままだ」ということを述べておりますが、実はこれこそがアメリカを六カ国協議に向かわせる最大の理由であります。
なぜかというと、アメリカは他の四カ国にバックパッシングをして、共同分担責任ということにして、周辺当事国たちがその責務を負っているときに、自分はなるべく蚊帳の外にいて、パワーを温存しよう、そしてあわよくば「漁夫の利」を得ようと思っているからです。
言い方を変えれば、アメリカは他の四カ国に対して、
「おい、お前ら、北朝鮮をしっかり抑え(バランシング)ておけよ!」
ということなのです。
つまりアメリカ組の親分は、自分のシマにあるアジアの片隅の悪ガキなどには直接かまっているヒマはないし、自分の手も汚したくない。
しかし自分が親分であるということは世界に示しておきたい。だからその周辺の住民を集めて共同で協議をさせる、ということなのです。
このアメリカの行動で暗示されているは、バックパッシングに積極的になったという意味で、やはり世界は多極化している、という線が濃厚になってきた、ということでしょうか。
冷戦時代は二極世界だったために、ソ連という大国のバランスをとるためにはアメリカが直接出向く必要があったわけですが、冷戦後の時代は、やはりミアシャイマーが予測していた通り、大国(というかミドルパワー)の乱立する「多極世界」に逆戻りした、ということなのです。
まとめて簡潔にいえば、六カ国協議に参加しているアメリカ以外の四カ国は、すべてアメリカの“バック・キャッチャー”である」ということになります。
(私のコメント)
昨日はアメリカの裏側の話をしましたが、あと二年のブッシュ政権に変わりは無く、イラク問題に多少の変化はあると思いますが、外交面ではベーカー元国務長官などの共和党の保守本流が政権の舵を取るようになるだろう。2008年の大統領選挙には、そのほうが良い結果をもたらすかもしれない。
ラムズフェルドを辞めさせるには選挙で大敗するくらいの理由がないと出来なかったと言う事でありブッシュの動きはすばやかった。イラク政策がどのように変化するかはベーカー氏が過去にどのような事を言っていたかを見ればいいわけであり、国際的な協調路線に戻るだろう。
日本に対しては今までと変わりは無く、北朝鮮問題はネオコン的な強硬路線が消えて、むしろ北朝鮮を中国に任せてアメリカは徐々に極東から引いていく戦略にも変わりがないだろう。だから日本はアメリカの顔色ばかり伺っていないで、自分の国は自分で守ると言う自主防衛路線をとる必要がある。
アメリカの軍事力の限界は朝鮮戦争やベトナム戦争やイラク戦争を見れば明らかであり、ユーラシア大陸へは直接介入するよりマハンの提唱したように封じ込めておく事が一番良い方法だ。イラクにしても直接支配するよりも海への出入り口を押さえておけば問題は無いはずだ。
アメリカの覇権を脅かす可能性のある中国やロシアにしても、太平洋や大西洋への出入り口を押さえておけばアメリカの安泰は確保される。ロシアが大西洋に出るためにはイギリスが邪魔になる。またロシアと中国が太平洋に出るためには日本が邪魔になる。つまり中国やロシアが覇権を取るためにはイギリスと日本を支配する必要がある。
このようにアメリカから見れば日本を押さえておけばロシアと中国の海洋への進出は不可能であり、アメリカにとって日本を失う事が世界の覇権を失う事になる。そのことは中国もよく知っており、中国にとってはいかに日本を攻略するかが一番の課題になる。
日本を攻略するためには台湾を制圧して日本の生命線を絶つことが一番重要な課題となる。だから中国にとっては朝鮮半島などどうでもいい存在であり、中国にとっては朝鮮半島は日本との緩衝地帯に過ぎない。それよりも太平洋への自由な航行を確保するためには台湾を支配したい。
しかしながらアメリカの台湾に対する外交政策はきわめて曖昧だ。本音はわかりきっているのだが、アメリカはどういうわけか台湾の独立は認めようとしない。中国は勘違いして台湾は自分のものと思い込んで手を出そうとしている。その為に必死になって軍事増強している。
しかし台湾が中国のものになるか独立できるかは日本の出方次第になる。台湾人は韓国人ほど馬鹿ではないから反米や反日を煽るような事はないが、中国は台湾や日本に様々な諜略を用いてアメリカとの分断工作を行なっている。しかし中国人も韓国人以上に馬鹿であり、反日デモを仕掛けたり軍事的威嚇をして日本人の反中国感情を煽って失敗している。
北朝鮮の核武装化も日本の核武装と言う連鎖反応を招くだろう。中国は日本のマスコミを取り込んで反核政策を煽っているが、日本国民はそんなに馬鹿ではないから日本の核武装論も次第に高まる一方だろう。問題はアメリカの出方ですが、今回の中間選挙で民主党が勝っても極東政策はそんなに変わりは無いだろう。
しかし問題は2008年の大統領選挙でヒラリー・クリントン大統領が誕生する可能性が高まった事であり、そうなれば90年代のジャパンバッシングが再現されるだろう。クリントン夫妻は中国に買収されているから台湾だってどうなるかわからない。クリントンのように民主党の一部には、米中が手を握って世界の覇権を維持しようというキッシンジャーのような狂人もいるからだ。
中華思想に凝り固まった中国人とアメリカ人とが一枚岩の団結を持つ事は考えられませんが、イスラエルに踊らされているアメリカを見ると一抹の不安がある。イスラエルは中国と軍事技術で提携しており、中国の最新鋭戦闘機はイスラエルの技術によるものだ。核弾頭の技術もモサドにより中国に提供されたと言う噂もある。
ラムズフェルドの辞任はアメリカの一極覇権主義の終わりを告げるものですが、多極化したほうがアメリカの利益にもなると言うことでもあるのだろう。六カ国協議もその一環なのですが、中国は必ずしもアメリカの思う通りには動いてくれない。かといって日本は軍事的に非力であり現状では中国に対抗できない。
極東および東アジアにおいて対米関係が良好なのは日本ですが、外交防衛はアメリカに丸投げなのはアメリカにとってもプラスではなくなってきた。北朝鮮の核開発がいい例ですが、日本が無力のままではアメリカの負担は消えない。だからこそ将来的にアメリカの方から日本の核武装化が求められる事がありうるのだ。