★阿修羅♪ > 戦争85 > 1562.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
共和党惨敗でも困難な民主化への道
http://plaza.rakuten.co.jp/31sakura/diary/200611100000/
アメリカの中間選挙は共和党の惨敗に終わり、ドナルド・ラムズフェルドがホワイトハウスを去ることになり、新しい国防長官としてロバート・ゲーツ元CIA長官が指名された。今回の選挙で、ホワイトハウスにおけるネオコンの影響力は一層、弱まるだろう。すでにアメリカではイスラエル・ロビーにメスが入り、イギリスではトニー・ブレア首相のイスラエル人脈が摘発されているが、この流れが続きそうだ。
言うまでもなく、共和党が大幅に議席数を減らした主な原因はジョージ・W・ブッシュ政権の政策に対する国民の怒りである。イラク戦争だけでなく、「テロとの戦争」を口実にしたファシズム化推進、一部の富豪や大企業のみに奉仕する経済政策などに対する怒りが投票に現れたのだろう。小手先のごまかしでは対処できないほどの怒りだった。
しかし、民主党が勝ってもイラク戦争が一気に解決できるわけではない。ブッシュ政権は「地獄の門」を開けてしまったのである。簡単にこの門を閉めることはできない。この門をこじ開けたネオコン/イスラエルにとって、イスラム諸国、特にイラクの混乱は歓迎すべき状況だ。
アメリカの民主党が「親イスラエル色」の濃い政党だということも忘れてはならない。政府のイラク政策を厳しく攻撃してきた議員は共和党の中に多かった。中間選挙後に状況が大きく変化するとは思えない。民主党が「第2のネオコン」に変身する可能性は小さいだろうが。
ところで、国防長官に指名されたゲーツも火種を抱えている。1980年代、アメリカやイスラエルの情報人脈はイランの「革命政権」に武器を密輸していたのだが、この取引を最初に始めたグループのアメリカ側関係者にはジョージ・H・W・ブッシュ(現大統領の父親)とともにロバート・ゲーツも含まれていた。イスラエル側のパートナーは「右派政党」のリクードとモサド(イスラエルの情報機関)だった。
マスメディアが「イラン・コントラ事件」の「主役」として叩いたオリバー・ノース中佐たちはイスラエルの労働党と手を組んだ後発組。両グループの対立が「ポラード事件」(アメリカ海軍に所属していたジョナサン・ポラードがイスラエルへ機密情報を流していたスパイ事件)などのスキャンダル露見につながっている。
イスラム革命後のイランとの「ビジネス」ではイスラエルのリクード/モサドと手を組んでいたゲーツたちだが、イラクとの関係では対立していた。アメリカ側がサダム・フセインと緊密な関係にあったのに対し、イスラエルはイラクのフセイン体制を中東で最大の敵だと認識していたのだ。リクードと一心同体の関係にあるネオコンとゲーツは一線を画していると言えるだろう。
1985年から88年にかけて、イスラエルはイラクがチリ経由で武器を購入していることを問題にしている。この取引で中心的な役割を果たしていたゲーツに対し、イスラエルは武器密輸問題をアメリカ議会に持ち込むと脅し、1988年のサンチアゴでの秘密会議につながった。この会議にはアメリカ側からゲーツのほかにジョン・タワー元上院議員らが参加していた。この席上、タワー元議員がイスラエルの協力者だということが判明している。
ゲーツはイラクとの取引を継続する意向だったが、1988年は大統領選挙の年だったこともあり、ブッシュ副大統領(当時)から「選挙が終わるまでイラクに武器を売るな」と命令されたと言われている。このゲーツたちも決して「民主的」ではない。何しろ「テロ帝国」を築き上げたのはゲーツが属すグループなのである。