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レバノン南部拠点ルポ
【ビントジェバイル(レバノン南部)=萩文明】イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの一カ月余りに及ぶ戦闘で、最大の攻防戦が展開されたレバノン南部−。住宅などは破壊されたままだが、住民の間では「勝利」したヒズボラへの支持がこれまで以上に高まっている。
「偉大なレバノンは殺人者ども(イスラエル軍)を倒した」
ヒズボラの拠点のレバノン南部ビントジェバイルでは、黄色いヒズボラの横断幕が風に揺れている。住宅も学校もイスラム教礼拝所も完全に破壊された。廃虚の中、住民らは家財を掘り出し、重機でがれきを取り除いている。
戦闘によるレバノン側の死者は約千二百人に上った。しかし、指導者ナスララ師や「殉教者」をたたえるポスターが街を埋め尽くし、住民たちは「ヒズボラ勝利」を称賛する。「すべてを失った」というシャラリさん(42)だが、「ヒズボラが私たちを守ってくれた」と話す。
イスラエル軍は、ビントジェバイルを「ヒズボラの首都」と宣伝。「制圧説」を流して戦況を有利に進めようとした。だが住民らによると、ヒズボラの徹底抗戦により、イスラエル軍の地上部隊は最後までビントジェバイルに到達できなかったという。
廃虚と化した街では、停戦後もヒズボラが住民奉仕で支持拡大を図っている。その一例が、自宅を壊された住民への現金支給だ。
「二週間前に一万ドル(約百十八万円)をもらった。本当に助かる」と、ファディ・ベイダンさん(26)。「政府やアラブ諸国は何もしない。頼りはヒズボラだけだ」。その思いから、ヒズボラがベイルート南郊で開いた祝勝集会にも駆け付けた。
レバノン軍は既にビントジェバイルにも展開しているが、フセイン・ベイダンさん(28)は「何も期待していない。ここの住民は全員が、生まれた時からヒズボラなんだ」と豪語した。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20060929/mng_____kok_____001.shtml