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http://0000000000.net/p-navi/info/news/200611082119.htm から転載。
2006.11.08
どこが作戦終了? 18人が爆殺される ベイト・ハヌーン
6日夜にイスラエル軍がガザ北部のベイト・ハヌーンより完全撤退して、「秋の雲」作戦は終了したかに見えたが、とんでもなかった。8日(水)の早朝、ベイト・ハヌーンの民家にミサイルが撃ち込まれて、最低18人が殺され、死者数はまだ増えそうな状態にあるという。
一族11人が犠牲に…
「これまで見てきたなかで、最も悲しい光景だ。私たちは足が、頭部が、手が通りに散らばっているのを見た」
と語っているのは22歳の目撃者アテフさん(ロイターによる)。イスラエル軍は8日の早朝、ガザとのボーダー沿いに配置した砲台よりベイト・ハヌーンの民家めがけて、砲撃を行った。
眠っている間に砲撃を受けたのは、アザムネー一族(またはOthmani)の住居を中心とした一帯で、一般市民18人が殺された。そのうち、子どもは7人、女性は4人になるという。負傷者は50人を超える。
なかでも、砲撃の的となったアザムネー家(4つの建物が連なっていた)からは1歳の赤ちゃんを含めた11人(一説では13人)が犠牲になった。 名前がわかっているアザムネー一家の犠牲者 のほかは、遺体がばらばらになっていて、識別するのに困難を極めているという。
アザムネー家の建物は完全に崩れ落ち、ロイター通信は
「ベイト・ハヌーンの通りには血の海が横たわり、肉片や子どもたちのサンダルが散らばっている」
とその光景を書いている。親戚の消息を訪ねて、現場に殺到した者のなかには、惨劇に気を失った者もいたという。息子を捜しながらすすり泣きをしている男性が「我が子はどこに?」と叫んだことに対し、近所の人は誰も息子さんが亡くなったということを告げる気持ちを持てなかったともあった。(ロイター: Palestinians say Israel kills 23 in Gaza and W.Bank By Nidal al-Mughrabi、06.11.8)
イスラエル軍はこの攻撃をパレスチナ側がこの付近から手製ロケット弾を発射したことに応酬したと言っているが、付近の住民はロケット弾の発射があったとは気づかなかったと話している。
イスラエル軍はこの虐殺に先立つ数時間前の午前1時にもベイト・ハヌーンに戦車やブルドーザーで侵攻し、農地や民家を破壊していたという情報もある。
パレスチナでは、この虐殺をレバノンのカナでの虐殺と同じだと受け取り、アッバス議長も「イスラエルは平和への機会を破壊している」と非難、国連にガザでの虐殺を止めるように求めている。ハニヤ首相は国際機関による戦争犯罪の調査を求める発言を行った。
ハマスの高官やイスラーム聖戦からは、報復攻撃を匂わせる発言も出ている。
死傷者数はまだ確定ではなく、今後、増える可能性が高い。
追加06.11.08
書いたばかりのところに新しい情報。上記の虐殺での死者は20人になった模様。子どもの犠牲者は8人に。 1歳〜17歳までの8人 となっている。死傷者ともにほぼ一つの一族から出ているとのこと。
イスラエル政府は、一般市民を狙ったわけではなく、「その死に遺憾を意を表明する」としている。現在、人的ミスか、技術的ミスなのか、調査中だという。砲撃は15分間続いていた。( Casualties of the Beit Hanoun Israeli shelling are civilians including eight children )[追加終わり]
参照:上記ロイター通信のほか、 18 civilians killed, scores injured due army shelling of Beit Hannoun 、 Israeli bombardment of Beit Hanoun kills at least 18, including 11 from one family
早速ロンドンからは、首相官邸前(ダウニングSt.)での緊急抗議行動を9日夕方に行うという知らせが届いています。世界中から抗議が殺到することでいくらかはイスラエル軍に抑制をかけられるはずです。
日本からの声の届け先は http://palestine-heiwa.org/misc/kougi.html にまとまっています。
犠牲者はどれだけに?
11月1日から6日までのガザでの犠牲者は52人ほど。しかし、それからも犠牲者は上記のベイト・ハヌーン以外でも出ている。
ロイターが報じているのは、同じ8日(水)にジェニン近くのヤムーン村でイスラエル軍は武装グループメンバー4人と一般市民1人を射殺。ベイト・ハヌーンの砲撃での犠牲者と合わせると水曜だけで23人が殺されたことになる。
火曜の犠牲者は8人(同じくロイター)。これだけで1日以来、52+8+18+5で83人ということになる。
一遍にこれだけの被害が出ていれば、もっと大きく報じられるのだろうが、パレスチナのことはこれだけの被害になっても(細切れであればあるほど)、ほとんどまともに取り上げられない。
上記の人数に含まれているかどうか、わからないがここ数日のほかの被害を見てみると、
Ten Palestinians killed in the Gaza Strip on Wednesday ……主に7日(火)のガザでの被害。火曜の朝、ジャバリヤ難民キャンプのレジスタンス・ファイターの家にミサイル攻撃があり、女性1人を含めた3人が死亡。家は全壊。目標にされた当人は不在だった。/ベイト・ラヒアでは、家屋を占拠しているイスラエル軍とイスラーム聖戦メンバーとの銃撃があり、ファイター2人が死亡。/ジャバリヤで2人、シャティ・キャンプで1人、場所無名で1人も午後に殺されている。それぞれに負傷者も出ていて、何人かは重体となっている。
Elderly woman dies of wounds sustained on Friday in Bethlehem ……3日(金)にベツレヘムで2人が殺害されたとき、自宅のバルコニーにいて、足や腹部を撃たれて重体になっていた70代の女性、ファティマ・アブドゥル=ファターさんが5日に亡くなった。このとき他にも負傷者が出ていて、数人が重傷、および重体になっていた。
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矢継ぎ早に「何人死亡」というニュースがでている──カバーしきれない──ので、きちんとまとめたものが出ない限り、全体像はわかりません。西岸での状態もよくわからないので。
それにしても、いったん作戦を終了したように見せて、ほんの1日も置かずに攻撃を再開するというイスラエル軍は、「作戦名で区切る」ことでパレスチナの死傷者数を少なくみせかけるという意図があるのだろうかと考えます。(その手には乗らんぞ)