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□2006年米中間選挙、投票へ＝民主党の着地点が政局を大きく左右も [ライブドア・ニュース]
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2006年米中間選挙、投票へ＝民主党の着地点が政局を大きく左右も
【ライブドア・ニュース 11月07日】− AP通信によると、イラク政策で世論が大きく割れている米国で、外交問題を大きな政権運営の柱に据えるブッシュ政権の信任投票とも位置づけられている2006年の米国の中間選挙の投票が7日（日本時間7日夜）から、順次行われる。イラク戦争の是非、テロとの闘いの賛否、また治安上における倫理面の境界、共和党有力議員の相次ぐ汚職とわいせつメールのスキャンダルなど、これまで与党・共和党の中心的政策となっていたテロとの闘いや、クリーンな政治に対して有権者から大きな疑問符が打たれるなか、今回の選挙選は共和党にとって強い逆風の吹く展開となっており、直近の世論調査では上院選が接戦、下院では民主党が過半数を奪還、知事選でも圧勝する勢いをみせている。ただ、最終盤にきてブッシュ大統領らによる激戦区での応援による支持票の巻き返しが行われ、共和党も劣勢からやや盛り返しをみせており、米国の有権者がどのような審判を下すか注目されている。
▽：民主党の過半数奪回のハードルは改選議席＋上院6、下院15議席の上積み
中間選挙では上院（任期6年）が4年に1度、全議席の3分の1議席が改選、下院（任期2年）は2年ごとに行われる。現在、100議席の上院では共和党55議席、民主党44議席、民主寄り独立党派が1議席。今回の改選33議席のうち、共和党が17議席、民主党15議席、独立1議席で、過半数を握るためには改選議席のうち共和党が12議席、民主党が独立1議席のほか改選15議席に6議席の上積みが必要。また、民主党がミネソタ、メリーランド州で、共和党はテネシー州（フリスト上院院内総務）で議員の引退に伴い、新人同士の争いとなる。
一方、435議席の下院議会では、現在、共和党が229議席、民主党が201議席、独立1議席。残り4議席は、テキサス（トム・ディーレイ院内総務の引退）、フロリダ（メール問題によるフォーリー議員の辞任）、ニュージャージー、オハイオの各州が空席。民主党が現議席に15議席上積みできれば、過半数に手が届く。
また、中間選挙では州知事、市郡長、教育地区長などの地方選挙も合わせて行われる。州知事は全米50州のうち36州が改選。現在の勢力図は共和党28議席、民主党22議席で、改選36州のうち共和党が22議席、民主党が14議席を握る。そのほかにも37州で208件の住民投票が実施される予定だ。
▽：ブッシュ大統領が最後の追い込み、最終世論調査では共和党が差を縮小
共和党陣営の劣勢を何とか跳ね返そうとブッシュ大統領は追い込みをかけるため投票日前日の6日、フロリダ、アーカンサス、テキサスと南部を横断。ただ、フロリダ知事選のチャーリー・クリスト候補は、ブッシュ大統領のキャンペーンに加わることなく、独自でキャンペーンを展開していた。
こうしたブッシュ大統領をはじめ、チェイニー副大統領や経済担当責任者らの奔走を背景にCBSマーケット・ウォッチがまとめた直近の各種世論調査では、大苦戦が強いられて共和党が最後の追い上げをみせた。最後の週末となった5日に発表されたペウ・リサーチ・センターの調査では、下院議会選の民主党の共和党に対するリードが47％−43％と2週間前の50％−39％から縮小した。そのほか、ワシントン・ポスト／ABCニュースでは民主党のリードが6％ポイント、USAトゥデー／ギャラップでは同党のリードが13％ポイント縮小した。
共和党のケン・メルマン党議長は、最終的な世論調査は共和党の勢いのあることが示されており、1998年の中間選挙時のように民主党に議席を奪われながらも過半数を堅持したと支持者に訴えていた。
ただ、世論調査のギャラップのフランク・ニューポート編集長は、「歴史的経験から7％ポイントのリードは、最終的に下院議会を抑えるのに十分なリードだ」と述べたほか、USAトゥデーでは、事前の世論調査の結果は1994年に共和党が下院議会を民主党から奪還した際の状況と類似していると指摘した。
▽：下院は共和党現職不利が多数、上院は拮抗する数州が勝敗を左右
USAトゥデー紙ではまた、ここ数十年間にわたり選挙区の改正が重ねられた結果、両党の住み分けが進み、競合する選挙区が著しく減少してきていると分析する。これまでの事前調査から下院選の共和党の苦戦が予想されている新人の選挙区は、アリゾナ、コロラド、ニューヨーク、オハイオ、アイオワの各州。一方、インディアナ州のジョン・ホステテラー（8区）、クリス・チョコラ（2区）、マイク・ソドレル（9区）の各議員、ノース・カロライナ州のチャールズ・テイラー議員（11区）、ペンシルベニア州のカート・ウェルドン（7区）、ダン・シャーウッド（10区）、メリッサ・ハート（4区）の各議員、ニューハンプシャー州のチャールズ・バス議員（2区）の再選区が危ぶまれている。
これに対して、民主党はジョージア州のジョ・バロー議員（12区）、イリノイ州のメリッサ・ビーン議員（8区）など少数。民主党の下院選挙対策委員長のラム・エマニュエル下院議員（イリノイ州選出）は、「イラク戦争から経済問題まで、米国民は異なった方向性を望んでいる」と述べる。そのほか下院選では、イラク駐留で両足を失ったタミー・ダックワース候補のイリノイ6区が注目されている。
これに対して上院議会では、共和党上院ナンバー3のリック・サントラム議員のペンシルベニア州、イラク戦争が最大の争点で劣勢のリンカーン・チェイフィー議員のロードアイランド、汚職疑惑に揺れるコンラド・バーンズ議員のモンタナ州で苦戦。
民主党のチャック・シューマー上院選挙対策委員長（ニューヨーク州選出）は、「われわれは上院過半数を獲得するとは一言も言っていないが、手の届く位置に付けている」と述べていた。そのほか、前回の大統領選で接戦だったオハイオ州や、現職候補が予備戦に敗れたリーバーマン候補のコネティカット州、接戦となっているメリーランド、テネシーの各州、拮抗しているニュージャージー、バージニア、ミズーリ州が注目選挙区だ。
▽：民主党の着地点は今後の議会運営に影響も
事前の世論調査を基にすれば、下院では民主党が勢力図を塗り替える公算もある。その場合には、ナンシー・ペロシ民主党院内総務が同国初の下院議長になる可能性が強い。民主党では、イラク政策への風当たりを受ける共和党の失速を尻目に、ぺロシ院内総務の指導力の下、“キッチン・イシュー”（台所の問題）のような生活に密着した選挙課題を提示して有権者の支持を求めてきた。民主党が過半数を奪回すれば、1994年以来となる。
特に、今回はニューヨーク州で2008年の次期大統領選の有力候補として名が挙がっているヒラリー・クリントン議員の上院再選と、経済問題で知名度を高めたエリオット・スピッツァー氏の州知事が地滑り的な勝利を収めるものとみられ、これが民主党の勝利の象徴として印象付けられる可能性もある。
ただ、当日の投票日で過半数を獲得しなければ来月に再選を行うとするテキサス州など、1回の投票で勝者が決定しない、あるいは再集計を行う決まりのあるなどの州が複数あるため、大勢がすんなり決まらない公算もあるよだ。また、一時司法闘争まで発展した2000年のように投票手段のミスや不具合などのトラブルが発生する可能性もあり、投票の行方と同時に円滑な開票・集計作業が行えるかといった懸念もある。
◇◇◇
6年間のブッシュ大統領の実績を問う今回の中間選挙だが、テロとの闘いは米国政府運営の根幹なす課題であるだけに、“ベトナム戦争化”とも言われるイラク政策などに対しこれまで以上に外交政策が争点となるなか、有権者がどのような審判を下すかは、他国の治安政策などにも大きな影響を及ぼすものとみられる。 【了】
■関連リンク：
米中間選挙、共和・民主両党合わせ266億円の選挙資金投じる
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2684129/detail
ライブドア･ニュース 金子登記者
（参照：http://blog.livedoor.jp/emasutani/）
この記事に関するお問い合わせ
2006年11月07日19時22分
- 米中間選挙、共和・民主両党合わせ266億円の選挙資金投じる [ライブドア・ニュース］ white 2006/11/07 22:46:21
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