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あなどれない金正日体制下の北朝鮮
2006年11月4日
いよいよアメリカの中間選挙が目前に迫ってきた。この時期、突然、北朝鮮が6カ国協議に復帰というニュースが飛び込んできた。しかし、手放しでは喜べない。何故ならば、ある意味、ブッシュにしても、金正日にしても、時間稼ぎで6カ国協議への復帰を表明し、それを受け入れたとしか考えられないからだ。
それでは、どのような意味での時間稼ぎなのであろうか、探ってみることにする。時間稼ぎには、複数の意味合いが含まれ、複数の思惑が影響している。
まず、ブッシュ大統領かすれば、中間選挙への対応策として、北朝鮮側からの6カ国協議復帰というニュースを利用したいという思惑があった。だが、これは非常に楽観的で、投げ遣りな場当たり的な対応でしたかない。時間稼ぎはできても、中間選挙で共和党が大敗した場合の方策は、まったく考慮されていない。というか、完全に主導権を金正日に取られた格好だ。しかし、それでも、いかにも中国を味方につけたアメリカ側の制裁に北朝鮮が屈したと、アメリカ国内へ対しては印象付けたいというブッシュ政権の思惑があまりにもハッキリと浮き彫りにされている。だが、悲しいかなブッシュ大統領には、現状まったく選択肢はないというのが現実だ。手詰まり状態といっても過言ではない。
逆に、金正日は、完全に主導権を握ったと言っても過言ではないであろう。やはり、金正日は、交渉事に非常に長けている。洞察力と分析力、それと、先見性にも長けているのかもしれない。予想外に、金正日は全てを計画的に行っていたことが、ここにきて初めて明白になってきた。それは、7月のミサイル実験に始まり、地下核実験の強行、先日の北朝鮮西海岸での短距離ミサイルの発射、全て計画通りで、金正日の想定内で北朝鮮を中心にことは動きだしているようだ。当然、中国の動き等、多少の想定外の事柄もあった。しかし、大きな流れは、間違いなく金正日の思っていた方向へと進みだしている。金正日という人間は、あなどれない。
誰もが、中間選挙まで想定して金正日が全てを動かしていたとは思わなかった。しかし、彼は、7月のミサイル発射実験以前から、アメリカの中間選挙を分析し、その結果を推測して世界に対し、アメリカに対し脅しを掛けていたのだ。そうとも知らず、我々は金正日の術中にはまってしまったのかもしれない。金正日は、中間選挙で、共和党が負けることを想定していたのだ。そして、共和党が上下院で負ければ、ブッシュには手枷足枷がかかり、ブッシュ政権が頑なに推し進めてきた6カ国協議への復帰など意味がなくなることを知っていたのだ。そうなれば、北朝鮮が騒がなくとも、議会の圧力によって、ブッシュ政権は、米朝二国間協議に臨まなければならい方向へと追い込まれることを百も承知で、ブッシュ大統領をあざ笑うかのように6カ国協議復帰を表明したのだ。
民主党が上下院で勝てば、後は今までどおり北朝鮮は米朝二国間協議と金融制裁解除を声高に叫び、駄々をこねればよいだけだ。そうすれば、間違いなくブッシュ政権の対北朝鮮政策は議会で否認され、北朝鮮が要求する米朝二国間協議を議会はブッシュ政権に迫ることになる。そうなれば、またまた金正日の思う壺だ。結局、金融制裁は解除され、経済援助も北朝鮮は得て、核は放棄するとかなんとか約束するのであろう。しかし、その実、気付いてみれば、核を放棄もせず、また同じことを繰り返し、アメリカとの約束は反故にして、核保有の道をまっしぐら、核拡散までやってのけることは間違いない。少々、厄介なことになってきたのかもしれない。このままでは、民主党が議会を牛耳ることになったあかつきには、日米安保の問題も怪しいことになりかねない。何としても、共和党に勝ってもらわねばならない。しかし、現状、共和党にとっては厳しい状況である。