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□どうする朝鮮半島親中国政権?南北統一? [AERA]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20061106-01-0101.html
2006年11月6日
どうする朝鮮半島親中国政権?南北統一?
第2次大戦の形勢がはっきりした1944年7月、連合国44カ国の代表が米国ニューハンプシャー州ブレトンウッズに集まり、「戦後の世界復興」を話し合った。国際通貨基金(IMF)、国際復興開発銀行(世界銀行)など戦後の骨格がここで決まる。後にブレトンウッズ体制と呼ばれる世界秩序は、戦時中、米国によって周到に準備された。
さて北朝鮮である。貨物船への臨検に周辺事態法が適応できるか、日本も核武装が必要か、などと泥縄論議が沸騰している。
目先の対応に熱くなるより、そろそろ10〜50年先の朝鮮半島を構想する時ではないか。隣国の未来を勝手に論ずるのは失礼かもしれないが、半島情勢を抜きに日本の平和や繁栄は語れない。北の窮状は冷戦の産物である。分断国家にされ、ソ連崩壊でミルク補給を失った。生きるため覚醒剤や偽札にまで手をそめ、核実験をするようになった。
懲罰は必要だが、長い目で見れば「救済」がこの地域の安全と安定につながる。近隣諸国は何をしてきたのか。体制が変わったロシアは手を引き、中国は米軍と対峙する金体制を支援し、現状維持でよしとしてきた。だが核兵器を備え、言うことを聞かなくなっては中国にとっても不安定要素でしかない。
米国も手を焼いている。北の核がテロリストに渡ることを恐れる。「金正日排除」へ米中が足並みを揃え始めた、と外交関係者は見ている。亡命、クーデター、暗殺。様々な憶測が流れるが、日本が協力できるのは体制崩壊後の復興だろう。
ブレトンウッズ会議の翌年、ヤルタ会談が開かれ、ルーズベルト、チャーチル、スターリンが戦後秩序を決めた。ドイツは分割され、千島・樺太のソ連への割譲が密約された。
金体制はすでに末期症状である。核の暴発や突然の崩壊を防ぐことが世界の課題となった。崩壊後の北朝鮮をどんな国にするか。米中はすでに考え始めているだろう。
戦後体制で分断された国が統一するのは自然のことである。だが中国は朝鮮半島の統一国家は望まないだろう。米中の談合で日本や韓国の頭越しに北の処理が決まるのは避けたい。今こそ外交と構想力が問われている。
編集委員●山田厚史