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□イラク:石油利権をめぐる問題が表面化 [JANJAN]
http://www.janjan.jp/world/0611/0611044070/1.php
イラク:石油利権をめぐる問題が表面化 2006/11/05
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【アルビルIPS=モハンメド・サリ、10月24日】
イラク北部の油田の管理権をめぐり、クルド当局とバグダッドの連邦政府が激しい応酬を続けている。論争は、北部3州を統治するクルド地方政府(KRG)が地方議会に石油法案を提出後さらに激化するものと見込まれる。
高まるこの対立を鎮静化しようと、ライス米国務長官は、クルディスタンを訪問した際にクルド人指導者に対して、石油収入の配分に関し中央政府に譲歩するよう要請した。
クルド側は収入の一部(割合は特定せず)を中央政府と共有することには同意したが、油田の管理権をイラク石油省に渡すつもりはないと語っている。クルド議会経済財政委員会のDler Shaways委員長は、「KRGには、憲法上、統治地域で石油資源を開発する権利が認められている」とIPSの取材に応えて主張している。
さらに委員長は、「連邦政府のクルディスタンへの対応は植民地主義的である」と非難し、「中央政権は我々の石油資源を使って爆弾を買い、自ら国を破壊している」と述べた。
石油の管理と収入の配分をめぐる意見の相違は、曖昧な憲法の文言に原因がある。憲法は、石油とガス資源の所有権はイラク国民にあると定めているが、「現在の油田から産出される石油およびガスの管理は、連邦政府が、生産する行政区域および地方政府とともに、請け負うものとする」と規定している。
クルド側は、「現在の油田」とはすでに石油を産出している油田のことで、新規油田はこれに当たらないと解釈しているのだ。
中央政府は、石油資源の支配が中央政府の勢力範囲を脅かすまでの力をクルド勢力に与えるのではないかと懸念している。
他方、反米・反政府の中心であるスンニ派アラブ人は、シーア派が石油資源の豊富な南部でクルドの事例にならうのではないかと危惧している。
だが、石油論争が高まる中、一般市民の願いは、何年にもわたっている燃料不足の解決にほかならない。イラクの石油利権問題を報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=坪沼悦子(Diplomatt)/IPS Japan山口響
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(IPSJapan)