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□硫黄島元米兵士 メディアに続々 イラク戦行き詰まり影響 [産経新聞]
http://www.sankei.co.jp/news/061104/kok011.htm
硫黄島元米兵士 メディアに続々 イラク戦行き詰まり影響
【ロサンゼルス=松尾理也】第二次世界大戦末期の硫黄島での戦闘を描いた米映画「父親たちの星条旗」(クリント・イーストウッド監督)に触発され、米国の多くの新聞が、戦闘に参加した元米兵を探しだし、インタビューを掲載している。61年前の太平洋での戦闘のどこが、現代の米国人の心をとらえているのだろうか。
「父親たちの星条旗」は、2000年に出版された同名のノンフィクション(邦題=硫黄島の星条旗)が原作。10月20日から全米で公開され、生々しい戦闘描写の一方、強い反戦メッセージも込められている。
米国での公開第1週の映画興行収入は全米3位にとどまり、重いテーマが若者たちに敬遠されたとの見方も出たが、その後、全米各紙で、映画を観賞した元兵士のインタビューが続々と掲載され始めた。
この現象について、かつて硫黄島での日米元兵士の再会をテーマにしたドキュメンタリー番組を制作したことがあるロサンゼルス在住の映画プロデューサー、ボブ・ニーマックさんは、「イラクでの戦いが行き詰まり、重苦しい空気が米社会に蔓延(まんえん)していることが影響しているのではないか」と話す。
硫黄島の戦闘は、兵士しかいない戦場で正規軍同士が正面からぶつかり合う戦いだった。
「その後のベトナム戦争や、現在のイラク戦争では状況は大きく変化してしまった。硫黄島の戦闘は、“英雄”が存在することができた最後の戦争だったかもしれない」
おりしも、イラクでの米兵の死者が再び増加しつつあるというニュースが、人々の心を暗くしている。そんな中、米国人が今、硫黄島に興味を持ったとしても不思議ではない、とニーマックさんは指摘している。
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■米紙で紹介された硫黄島戦の元米兵の言葉
「私が映画を見たいと思ったのは、それがどれほど真実に近いか知りたかったからだ。戦闘の間、われわれは眠らなかった。照明弾がひっきりなしに闇を照らし、敵が走る姿まで見えた。戦いがいつまで続くのか、その状況を切り抜けられるのか、まったくわからなかった」=ピーター・ワイツさん(86)、オシュコシュ・ノースウェスタン紙
「日本兵はクモの巣のように張り巡らされたトンネルから突然現れて、やりたい放題やって、また地下に潜った。摺鉢山に星条旗が翻ったときは、長いトンネルの向こうに勝利の光を見た思いだった」=イジー・バーラスさん(84)、ペタルマ・アーガス・クーリエ紙
「どこにも安全な場所はなかった。上陸するとたちまち、日本兵が銃撃を始めた。それは、虐殺だったよ」=エルマー・グデリアンさん(82)、ファーガスフォールズ・ジャーナル紙
「最悪の戦闘だった。われわれには日本兵は見えないのに、やつらにはわれわれが見えているんだ」=ジョン・ムーンさん(90)、デイリー・レビュー・アトラス紙
「日本人はいい兵士だった。生き延びたのはほとんどいなかったが、戦争が終われば、われわれはそれほど時間がかからず、友人同士になった」=ビル・モージェンロスさん(83)、ブラウンズビル・ヘラルド紙
「映画や写真は多くのことを伝えてくれる。しかし、本当のことを知ろうと思ったら、現場にいなければならない」=アドルフ・カラファットさん(82)、カラマズー・ガゼット紙
(松尾理也)
(11/04 16:21)