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ワシントンの保守系シンクタンクにいる日高義樹氏の『アメリカは北朝鮮を核爆撃する』(2003年6月刊)という著作のタイトルが示す軍事オプションが、アメリカ国防総省でやはり検討され、準備されていたようだ。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4198617023/sr=1-4/qid=1162631373/ref=sr_1_4/
10月9日行われた北朝鮮の核実験後、アメリカによる北朝鮮への先制攻撃の準備が加速されて進められているという情報を、複数の国防総省当局者の話としてワシントンタイムズが掲載した記事(11月3日付)が、内外のマスコミによって伝えられた。この動きは、中国が北核実験を非難し、国連安保理の制裁決議を支持したことが契機で加速されたという。
国防当局者らは、北朝鮮が核兵器を他国やテロ組織に供与した場合などに、軍事的選択肢が取られるとした上で、
通常兵器の「攻撃対象として検討されているのは、使用済み核燃料棒から兵器級プルトニウムを取り出す寧辺(ヨンビョン)の再処理施設や北東部の地下核実験場。攻撃計画は、再処理施設の場合、トマホーク巡航ミサイル6基で破壊することができると推定している。」(読売 11月3日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061103-00000311-yom-int
元記事ワシントンタイムズは下記であるが、
http://www.washtimes.com/national/20061103-122702-4895r.htm
その内の国防総省高官は、核兵器使用の軍事オプションがある事について述べ、次のように説明したそうだ。
A second, senior defense official privy to the effort said the Bush administration recently affirmed its commitment to both South Korea and Japan that it would use U.S. nuclear weapons to deter North Korea, now considered an unofficial nuclear weapon state.
"We will resort to whatever force levels we need to have, to defend the Republic of Korea. That nuclear deterrence is in place," said the senior official, who declined to reveal what nuclear forces are deployed in Asia.
これによると、最近、ブッシュ政権は韓国と日本の両政府へ、北朝鮮の核開発を阻止するために核兵器を使用することもあり得る事を明言してきたそうだ。
またこの高官は、「我々は、核兵器の抑止力に置かれた状態の中で、韓国を守るためにはどのような軍事手段でも行使する」と言ったと書かれている。
つまり、この高官は、韓国を守るためであれば核兵器を使う事も辞さないといっているのであるが、ブッシュ政権は冷戦期型の従来の政権と異なり、アメリカの安全保障が損なわれ、不利益を被る場合以外には動かないというのが基本的立場であり、韓国や日本を守るとか、アジアの安全保障とかは核兵器使用の第一義理由ではない。それらはアメリカ経済に影響を与える第二義的な理由だ。
アメリカが最も恐れるのは、イランや反米テロ組織、テロリストへの核技術、核爆弾、核関連物質などの核拡散だ。それらの使用は、ニューヨークやワシントンで何十万人を殺戮し、放射能汚染で廃墟にしてしまう。前述したように、国防当局者らは、北朝鮮が核兵器を他国やテロ組織に供与した場合などに、北朝鮮への軍事的選択肢が取られると同記事の中で述べている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061020-00000003-san-int
それでは北朝鮮による「核関連物資・技術の移転情報」をアメリカが入手した場合、北朝鮮への軍事攻撃の中でも、核兵器を使った攻撃とはどのような形になるのだろうか。ワシントンタイムズの記事では、前述の国防総省高官はそれを明らかにしなかったという。
■ 金剛山「核」攻撃計画
冒頭の日高氏の『アメリカは北朝鮮を核爆撃する』という著作の中に金剛山攻撃計画というのがある。難険で知られる金剛山系の奥深くに金正日が避難所があると国防総省の中心的な情報機関OSOは見ている。OSOは、CIAも、DIAも信用していないラムズフェルドが作り、イラク攻撃では中心的な活躍を担った。
金剛山系は金剛山系自体が天然の要塞であり、ミサイルや爆撃機を使った通常爆弾では、北朝鮮領内にある他の軍事基地・施設と違い、通常兵器による攻撃が難しいとされている。OSOの情報には確証がない事を日高氏が述べているが、ブッシュ政権の指導者は、金剛山系の奥深くに避難する金正日をしとめるには小型核兵器を使うしかない、と考えていると述べている。
最新鋭大型偵察衛星「スペースレーダー」などや無人偵察機による偵察システムにより、38度線を含めた北朝鮮全土をくまなく監視する体制が敷かれ、その探知した情報に即した精密爆弾とクルージングミサイルによる正確な先制攻撃で、北朝鮮の主要基地・施設が30分以内に全滅させる攻撃体制をとる事が、現在のアメリカ軍には可能である。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4198621861/sr=1-1/qid=1161789720/ref=sr_1_1/
ペンタゴン・スポークスマンのホイットマンは、「北朝鮮攻撃のすべての軍事オプションに関して、アメリカ軍はそれらの準備ができていて実行する能力がある」と言っている。もちろん核攻撃も全面爆撃も含めての話だ。
金剛山系の奥深くを標的にした小型核兵器使用は、数発使われるというが、効果は次のものが考えられる。
@段階的に撤退を進めている、人質同然の在韓米軍兵士の犠牲を最小限にでき、アメリカ兵の死傷者を少なくできる。
A核兵器使用による北朝鮮兵士及び国民への心理的効果、並びに中国の軍備増強への威嚇。
B北朝鮮への全面爆撃はほぼ数時間で終わり、攻撃全体が1週間で終わるという。これにより中東地域への兵力を戻す時間が短期間で済む。
金正日を確実にしとめる事により攻撃期間を最大限に短縮して、アメリカ兵の死傷者を最少限にするためには、金剛山攻撃に小型核兵器を使用することが絶対的に必要になってくると、ブッシュ政権の指導者は考えているそうだ。
核攻撃による「放射性粒子の拡散を最小限に抑える観点から多面的に検討されている」というが、アメリカはいまや、アメリカにとってだけの利害計算のもとに政策を決めている。
北朝鮮の核拡散によるアメリカ本土へのテロ危機という軍事状況下では、日本や韓国のことなどアメリカにとっては実は二の次の話だという事を、日本人は明確に認識すべきだ。