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□レバノン元首相暗殺事件に関する最新の国際調査報告書 各方面が歓迎/アル・ナハール紙 [News from the Middle East]
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/newsdata/News2006929_3602.html
2006-09-27 レバノン元首相暗殺事件に関する最新の国際調査報告書 各方面が歓迎(アル・ナハール紙)
■ アメリカ政府「ブランメルツ国際調査委員長、最終段階に近づく」
■ シリア政府「報告書は疑いなくシリアが協力していると言明」
2006年09月27日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【アル=ナハール、MENA、AFP】
ラフィーク・アル=ハリーリー元首相暗殺に関する国際調査委員会のセルジュ・ブランメルツ委員長が提出した最新の報告書は各方面に歓迎をもって受け入れられた。アメリカ政府はブランメルツ委員長の調査が最終段階、すなわち国際法廷へと近づきつつあるとの見方を示し、フランス政府は報告書を「非常に励みになるものだ」と評しつつ国際法廷の設置を急ぐよう呼びかけた。またシリア政府は今回の報告書は客観的かつ専門的なものであり、前回の報告書よりさらに前向きなものだと述べた。
■ ボルトン大使
アメリカのボルトン国連大使は、シリア当局が調査に協力していると報告書に言及されているのはさほど重要なことではないと述べ、「私の解釈では、報告書はここ最近のシリアの協力についてのみ言及しており、全体として満足のいく状況だということだろう。しかしシリア政府との間では未解決の問題がいくつもあるということも指摘されている。つまり現在の過渡的な段階についての報告書だということだ」と語った。またボルトン大使は、報告書は国際法廷の開催の時が近づいていることを示唆していると指摘した。また、今回の報告書は提示された証拠の面から言って前任のデトレヴ・メリス委員長の報告書と一致しているとの見方を示し、「調査は次第に最終段階、すなわち国際法廷の開催に近づいており、それは報告書に明らかである」と述べた。
■ フランス政府
パリにおいてはフランス外務省のジャン・バティスト・マティ報道官が「ブランメルツ調査委員長の報告書は現場検証や電話通話の分析などいくつかの点において重要な前進を遂げている」との談話を発表し、「こうした評価ができることは、我々にとって非常に励みになることである」と述べるとともに、「調査委員会の決意と専門性」に対して歓迎の意向を表明した。また、「調査の一部においては、ラフィーク・アル=ハリーリー元首相への攻撃と、2004年10月以降レバノンにおいて発生した14件の攻撃とのあいだにつながりや類似点があるとの判断に傾いている」と述べた。またマティ報道官は「フランス政府は、調査の完了後ただちに犯人を裁判にかける準備を整えておくため、国際法廷の設置を急ぐよう呼びかける」と強調し、「国連安保理は近日中に法廷設置の決議案について協議するため会合を開く予定だ。国連法律顧問が現在レバノン当局とともに最終的な詰めを行なっているところである」と述べた。
■ シリア政府
ダマスカスではシリア政府の消息筋がブランメルツ報告書に満足の意を表明し、本紙に対して「専門家が現在検討および分析に努めているところではあるが、基本的には前回と同様に客観的で専門的な報告書だと言えるだろう。報告書は明確に、疑いを入れないかたちで、シリアが調査に協力していることに言及している」と述べた。
また同筋は「報告書には何らかの暗殺事件にシリアが関与しているとは一言も触れられていない」と述べ、「シリアは今後も国際調査委員会に協力するだろう。何故ならばそれは我々にとって利益になるからであるし、それよりも先ず、それが指導部の決定だからである」と強調した。
さらにシリアの観測筋は「今回の報告書は事件の全ての側面にわたって、いかなる方面に対しても関与の疑いをかけることを避けており、嫌疑を示すような表現は用いられていない。また暗殺の要因や暗殺の背後にいる存在についても、あらゆる可能性がありうるとしている」と述べた。
またシリアのファイサル・アル=ミクダード副外相はシリアの「アル=サウラ」紙に対して、今回の報告書は前回の報告書よりも前向きなものだと語った。
URL: http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/data/nahar/060927nahar_smori.mht
(翻訳者:森晋太郎)