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社説
(2006/12/7)
財界と政治 納税より献金が先とは
外資が50%超の企業でも政治献金を可能にする法案が成立する見通しだ。大手銀行も献金再開の検討を始めた。これでは「カネのかからぬ政策本位の政治を」という時代の要請に逆行する。
来年の参院選がよほど気掛かりなのか。少しでも多くの選挙資金を集めたい政党と、献金を通じて政界への影響力を強めたい日本経団連の思惑が合致したようだ。
現行の政治資金規正法は外資50%超の企業の献金を禁じている。政治がほかの国からの影響を受けないようにする措置だ。
改正案は事実上、規制を撤廃する内容で、自民、公明、民主各党の賛成多数で衆院を通過し今国会での成立が確実となった。
ことし三月現在、規制対象の主要企業は日産自動車、キヤノンなど三社。法改正により、経団連会長会社のキヤノンも外資比率が50%を超えた二〇〇四年以来、三年ぶりに献金への道が開かれる。会員企業の献金総額は年間約二十五億円で、その大半が自民党の懐に入る。よくよく献金のパイプを太くしたいのだろう。
経団連は病み上がりで法人税を免除されているメガバンクに対しても献金再開を求めた。釈然としない。
銀行界は公的資金が投入された一九九八年以降、献金を自粛してきた。しかし、公的資金は完済したものの、三菱東京UFJ、三井住友、みずほともに法人税納付は数年先になる。過去の累積赤字が利益と相殺されるまで法人税が免除される規約が適用されるためだが、税金で助けられた銀行が税金を払わずに、半人前のまま献金再開というのでは筋が通らない。
経団連は九三年、ゼネコン汚職などカネまみれの不祥事が相次いだため「政治資金は公的助成と個人献金で賄うことが最も望ましい」として企業献金の斡旋(あっせん)を廃止した。
当時、国会でも政治改革が熱をおび、国民一人当たり二百五十円、年間三百億円を税金で負担する政党助成が実現し、政策本位を建前に衆院に小選挙区制が導入された。
大手銀行への献金再開要請は、そのように積み重ねてきた改革に逆行する動きだ。かつての金融危機に思いを巡らせば、銀行は預金者に報いるため一段の利益還元を優先すべきではないか。再考を促したい。
経団連は三年前に献金の呼びかけを再開したが、千二百社のうち半数は応じていない。「献金での利益誘導はおかしい」と言い切る企業もある。斡旋廃止を決断した当時を、いま一度思い起こしてほしい。時計の針を戻してはならない。
http://www.tokyo-np.co.jp/sha/
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