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件名:【PUBLICITY】1516:暴走と無関心(3)
■■メールマガジン「PUBLICITY」No.1516 2006/12/02土■■
▼教育基本法を改悪して、文科省が60年越しの悲願を達成す
る。具体的には、行政が「教育内容に合法的に介入」できるよ
うにする。もう一つは、「義務教育」の縛りを取っ払う(「バ
カ」には労力を割かない)。この二つだ。
ということで2006年の法改悪は、官僚の「操縦」による、
いっそうの「思考停止社会」化、「貧困社会」化の出発点とな
るだろう。
「愛国心」の強制については、法改悪する前からドシドシ進め
ているわけで、その程度がさらに悪化するだけの話だ。教育内
容への行政の介入が合法化されさえすればOKで、その中に愛
国心の強制は含まれる。
事実、議論の比重は「不当な支配」論に移り、「愛国心」強制
の危険性を訴える声はすっかり影を潜めている。この変化が、
改悪派にとって「愛国心論議は隠れ蓑だった」事実を雄弁に物
語っている。愛国心は「使い捨て」の道具でしかなかった。
等々、それらが改悪の改悪たる所以である、と書いた本誌14
91号「甦る利権〜教育基本法改悪の淵源」には、今までメー
ルを受け取ったことのない週刊誌記者や新聞記者ら複数の方々
からもメールをいただいた。
すべては遅すぎるのだが、ぼくも取り組むのが遅かったから、
人のことは言えない。ともに沈むのみだ。
▼教育基本法を噛み砕いて解説した『11の約束』を、国会議
員に手渡すという運動を、11月17日付東京新聞26面=特
報欄で大きく取り上げていたが、なんと同日付の産経新聞東京
版でも報じていた。おそらく自分なりに筋を通そうとしている
記者がいるのだろう。おそらく、どのマスメディア企業にもい
るのだろう。
こういう「個人」対「個人」というか、顔が見える「関係」が
、重要なのだなあ。
▼「関係」、ということで、ああ、こういうことかも、と思い
至ったことがある。社会で生きる個人にとって価値あるものは
「関係」である。「立場」でも「思想」でもない。
立ち止まらずについ走っちゃうクセの持ち主でも(それはぼく
のことです)、「関係」によって立ち止まり、クセを直すこと
ができる。それには「立場」とか「思想」とかは基本的に関係
ない。あくまでも「関係」に揉まれる中から、「批判」の視座
が自覚される。開かれた橋頭堡をつくることができる。
学校教育は本来、社会的人間としての「関係の作り方」を教え
る「場」だ。で、学校教育が社会的関係を教える「場」であり
続けるためにつくられた「設計図」が、教育基本法だった。
法改悪は、この設計図の意味を根本から書き換えてしまった。
従来の設計図は、学校教育が、社会人を育てることによって社
会を維持するという、社会全体にとって極めて重要な「場」で
あるがゆえに、政争や政権の変化などという極めて短絡的、突
発的、流動的な変化から守るためのルールだった。
しかし、法改悪は、学校教育の場を、政治の短絡、突発、流動
によって常に右往左往し、絶えず「お上」の変化を猫の目のよ
うにうかがい続けざるをえない「政治の場」に書き換える。
法改悪は、「この社会には、政権の変化に拘わらず守るべきも
のがある」という最低限の同意、ルール、約束(「お約束」と
言ってもいい)を、破ってしまった。
古来、政治的でない教育はない。しかし教育は政治ではない。
社会の未来を考えるなら、政権は教育内容に絶対に踏み込んで
はならなかった。それが「教育は政治的だ」という意味だろう。
また、そんな無法が通らないための反対が、社会の側から起こ
るはずだ。しかし、「学校化」(I.イリイチ)の進んだ社会
からは、大きな反対も起きなかった。驚くべき相対化の欠落。
この社会の側の無関心は、たとえば、この国を「戦争ができる
国」にした時に、国家の象徴たる天皇に戦争責任が生じる──
あの敗戦によってさえ犯されなかった「国体」の崩壊に直結す
る──という単純な未来にすら思い至らない、徐々に主流を占
めつつある「愛国者」たちの救いがたい暴走と通底している。
この改悪によって、この社会における「場」の意味、「関係」
の意味そのものが変貌を遂げるだろう。10年後、20年後に
は、貧困な場しか創れない、貧困な関係しか結べない人間が今
よりも更に激増するのではないか。
その未来は、60年前の敗戦を生んだ土壌と同じではないのか。
freespeech21@yahoo.co.jp
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