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2006/12/01(Fri)
耐震強度偽装事件は終わっていない(天木) ×
耐震強度偽装事件は終わっていない 天木直人
11月30日の読売新聞がトップで耐震強度偽装がらみのニュースを報じていた。都市再生機構(旧都市基盤整備公団)が、分譲した東京都八王子のマンションの耐震構造計画書に誤りがあったにもかかわらず、住民に対し「問題ない」と虚偽の説明をしていたというのである。都市再生機構は構造計算書のあやまりを一年以上も前から認識していたにもかかわらずそれを隠蔽し計算書を密かに作り直していたという。とんでもない話だ。これほど重大な犯罪を犯した責任者小野邦久・理事長は、注意処分、減俸処分で済まされている。小野は元国土交通省次官である。民間組織に偽装した独立行政法人である都市再生機構は典型的な天下り行政組織である。
このニュースは、一年前に世間を騒がせたあの耐震強度偽装事件の闇を鮮やかに蘇らせてくれた。あの耐震強度偽装事件は、建築士やマンション販売業者、民間検査機関の関係者の一部が有罪になっただけで終わりにさせられてしまった。メディアはまったくその後の動向を報じなくなった。
ところがこの事件の真の責任はまったく追及されずじまいだ。この事件の裏には、マイホームを夢見る庶民の財産と安全を犠牲にしてまでも利権をむさぼる政官業の許しがたい癒着がある。そう指摘して孤軍奮闘しているのが指定検査機関である株式会社イーホームズ社長の藤田東吾氏である。
彼は耐震強度偽装事件を告発した人物だ。その後も一貫して真実をしゃべり続けているがゆえに余罪で逮捕され、いち早く有罪判決を受けた。その藤田氏は、執行猶予付き有罪判決を受けた翌日の10月20日、突如首相官邸にあらわれ、偽装物件は他にもあり行政はそれを知っているのに放置している、政府はそのすべてを明らかにする責任がある、と安倍首相に直訴した。
これは藤田氏がその人生のすべてを賭けて訴える渾身の告発である。本来ならばメディアが彼に味方し徹底的に安倍政権に解明を迫るべきだ。彼の主張していることが事実であれば自民党政権は大打撃を受ける。打倒自民党を願う民主党こそ彼を応援し、政治の場で追及してしかるべきだ。しかし藤田氏の勇敢な行動は一切無視され続けている。何故か野党の政治家を含め追及されればボロが出るからだ。
私は35年間の官僚の経験から殆どの官庁の実態を知っている。現職の幹部職員はかつての同僚や後輩だ。彼らの考えている事、行っている事は手に取るようにわかる。何故藤田氏が抹殺されているのかは明らかだ。この国は権力者の談合によって黒を白にする事さえ出来る。権力者の嘘が許されない時はただ一つ、国民がそれを知って怒る時だ。それもいい加減な怒りではない。とんでもない事だと立ち上がる時だ。国民をそのように目覚ませない最善の方法はメディアが騒がないことだ。メディアと権力が癒着した時、あるいはメディアが権力を監視するという本来の使命を放棄しものわかりがよくなった時、国民は真実から遠ざけられる。
そのような昨今の風潮に挑戦するかのように、新聞やテレビで報道されない情報がネットメディアをにぎわしている。藤田氏の孤軍奮闘とそれを支える権力に抗う人たちの声がネットにあふれている。藤田東吾の名前を検索してみるが良い。耐震強度偽装の闇がよくわかる。ネットメディアが政治を変えていく時代が遠からず来ることを願う。
http://www.tembosha.com/kd_diary/kd_diary.cgi?20061201
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