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「核議論」浮上 日本は原爆を作れるのか  [読売ウイークリー]
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投稿者 white 日時 2006 年 11 月 28 日 16:28:33: QYBiAyr6jr5Ac
 

(回答先: 日本の核開発能力は? 技術あれど実証は困難 地下実験ムリ  産経新聞 2006年11月15日(水)03:06 投稿者 Kotetu 日時 2006 年 11 月 28 日 12:28:52)

□「核議論」浮上 日本は原爆を作れるのか  [読売ウイークリー]

 http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20061128-01-0202.html

2006年11月28日
「核議論」浮上 日本は原爆を作れるのか
北朝鮮の核実験を機に「核議論」が波紋を広げている。「その気になれば、いつでも核武装ができる」とは、よく聞く話だ。果たして、日本はそんなに簡単に核兵器開発が可能なのだろうか。
 「北朝鮮の弾道ミサイル発射や核実験で緊張しているときに、他国が日本の核開発を疑いたくなるような発言が相次いだ。他国を刺激するようで、あまりよくないね」
 ある防衛庁幹部は、こう眉をひそめる。
 その発言の一つが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の立川敬二理事長のもの。9月19日の記者会見で、固体燃料ロケット「M5」の後継機について、移動式発射台を検討することを明らかにした。
 そして、10月9日の北朝鮮の核実験を挟み、15日のテレビ番組では、自民党の中川昭一政調会長が「核があることで攻められる可能性が低い、やればやり返すという理論は当然あり得る。議論は当然あってもいい。憲法でも核保有については禁止していない」と問題提起した。
 先の防衛庁幹部は「JAXAにその気がなくても、軍事優先の国が見れば、移動式の固体燃料ロケットと言えば、弾道ミサイルだ。しかも、日本は米中露英仏以外で、最大のプルトニウム保有国。そこに政治家が意志を示したら、他国が、『いよいよか』と疑っても無理はない」と話す。
 実際、日本の核開発能力は他国が脅威を感じるようなものなのだろうか。まず、問題となるのは、原爆の材料となるプルトニウムだ。
 経済産業省などによると、2005年末現在の日本のプルトニウムは、使用済み核燃料に含まれるものが120トン、使用済み燃料から分離済みのものが5.9トン。ほかに、英仏両国で保管されている分離プルトニウムが37.9トンある。
 北朝鮮の分離プルトニウムは、20キロから53キロとされるから、単純に国内にある分離プルトニウムで比較しても、日本には北朝鮮の100倍以上あるわけだ。これは原爆1000発分近くに相当する。この点で、日本が「核武装予備軍」と見られても仕方がないのかもしれない。
 ただ、プルトニウムにも種類があって、資源エネルギー庁原子力立地・核燃料サイクル産業課は「誤解している人が多いのですが、原子力発電所から出たプルトニウムでは原爆は作れません。核兵器を作るには、核分裂を起こすプルトニウムの割合が90%以上は必要とされていますが、日本の原発から出るのは60%程度です」という。ちなみに核兵器に使用できるものは「兵器級」、日本が持っているレベルのものは「原子炉級」と呼ばれる。では、「原子炉級プルトニウム」で原爆は不可能かといえば、そう単純な話ではないらしい。
 例えば米エネルギー省は、1997年に原子炉級プルトニウムについて、「信頼できる数キロトンの爆発力の核兵器を作ることができる。先進的核兵器国では、兵器級プルトニウムから作られたものと匹敵する兵器が作れる」との見解を示している。
 資源エネルギー庁の説明とは違うようだが、これについて、東京工業大学原子炉工学研究所の関本博教授は「米国は原子炉級で核兵器を作れると主張していますが、詳細なデータは公表していないので、実際のところは分かりません。ただ、原子炉級でも、プルトニウムの一部を爆発させることは可能です。設計次第でどこまで爆発力を高められるか、ということではないでしょうか」と解説する。さらに、「時間はかかりますが、兵器級プルトニウム用の原子炉は作れますし、効率は悪くなりますが、日本の原発でも兵器級プルトニウムの製造は可能です」ともいう。
 性能や効率の問題はあるものの、核爆弾製造は可能なようだ。
 一方、核兵器を搭載する弾道ミサイルの有力候補は、前出の固体燃料ロケット「M5」だ。固体燃料は、液体燃料のような燃料の注入が不要で、偵察衛星などの監視を逃れ、即座に発射することができる。
 M5は固体燃料ロケットとしては、世界最大。9月に最後の打ち上げを終え、今後は小型の後継機を開発する予定だ。「弾道ミサイルもロケットも原理は同じです。核弾頭がどのくらいの重量なのか知りませんが、1トン以下だとすれば、M5の3段全部を使う必要はない。2段で十分でしょうね」
 JAXAのM5プロジェクトマネジャー・森田泰弘教授は、弾道ミサイルへの転用の可能性をこう話す。
 もちろん、課題もある。「ロケットと違い、弾道ミサイルは、地上に正確に着弾させることが必要です。厚い大気を打ち破ってくるわけですから、正確に着弾させることは非常に難しいでしょう」
 ただ、「『やれ』と言われれば、JAXAの専門家はやってしまうと思いますが」とも付け加えた。移動式発射台についてJAXA広報部は「すぐにやるという話ではありません。固定式より移動式のほうがフレキシビリティーがあるという一般論です」とし、当面の課題ではないという説明だ。

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