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十年一昔というから、ほぼ二昔前の話。中曽根康弘首相はペルシャ湾に掃海艇を派遣したいと後藤田正晴官房長官に相談した。イランとイラクが戦争状態。同湾に両国が敷設した機雷で船舶に被害が出た。日米首脳会談で日本は安全航行への貢献を表明していた
▼後藤田氏の返事は反対。「自衛隊は他国からの不法な侵略を防ぐためにのみ存在を許される」という信念に基づく。中曽根氏には「(派遣決定の)閣議に署名しない」、つまり官房長官を辞めると伝えた。派遣は見送られた(「政と官」講談社)
▼後藤田氏の信念は憲法を根拠とする。戦争放棄を定めた九条に基づき日本は専守防衛を国是としている。だからミサイル防衛システムの導入を決めた三年前も、小泉政権は福田康夫官房長官の談話として「第三国の防衛に用いられることはない」と宣言した
▼ところが塩崎恭久官房長官が福田談話の見直し検討を言いだした。米国を標的にした可能性のあるミサイルの迎撃について、安倍首相が可否の検討を表明したためで、既に非公式な研究が始まっている
▼イラクへの自衛隊派遣を「非戦闘地域」への派遣と解釈したのと同様、新たな解釈が生まれるのかもしれないが、専守防衛の枠を超えることは否定できない▼日米同盟の強化を最優先すべきだと判断するなら、久間章生防衛庁長官が言うように憲法改正で対応すべき課題だろう。「憲法解釈の限界は存在する。限界を超えた解釈は許されない」。後藤田氏が大事にしていた原則。今も大事な原則であることに変わりはない。
「東京新聞」11/27
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