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大新聞は財務省の広報機関なのか(森田実の言わねばならぬ)
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投稿者 天木ファン 日時 2006 年 11 月 27 日 11:03:11: 2nLReFHhGZ7P6
 

2006.11.26(その1)
森田実の言わねばならぬ[510]

マスコミを信用してはならない――日本のマスコミは政治権力と合体し国民を支配し圧迫する凶器と化した【33】
大新聞が次々と「道路特定財源の一般財源化」という財務省の筋の通らぬ間違った主張を応援し始めた。大新聞は財務省の広報機関なのか。11月5日の朝日新聞の社説に続いて、今度は、東京新聞の社説(11月21日)が、過った主張を繰り返している。税は国民のものであることを否定する財務省と大新聞の主張は、民主主義の根本を破壊するものだ

「病膏肓に入る」(『春秋左氏伝』)
[重病に罹り治癒する見込みがない]

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 『ブルータス、おまえもか』(シェークスピア)と言いたくなる。東京新聞まで財務省の過った考えを支持するとは…。
 首都圏で毎日読むことができる大新聞(朝日、毎日、読売、日経、産経、東京)のうち、東京新聞が最も国民に近い新聞だと私は思っている。読売、日経、産経などは政治権力〈自公連立政権〉の広報紙に成り下がってしまっている。朝日と毎日は、時々国民の立場に立つが、「日和見」新聞である。これに対し東京新聞は、「国民とともに」の姿勢を保っていると私は考えている。その東京新聞が財務省の応援団に成り下がるとは…。残念である。
 東京新聞11月21日の社説(抜粋)は次のとおりである。
 《道路特定財源の一般財源化は、無駄な公共事業を抑えて財政構造を見直すことが目的だ。安倍政権は自動車を保有する納税者の理解を得て、その道筋を明確に示さなければならない。》
 《今夏の骨太の方針2006でも「一般化を図ることを前提に早急に検討を進め、納税者の理解を得つつ、年内に具体案を取りまとめる」との方針が確認された。安倍政権の歳出削減戦略の一環でもあり、後ずさりは許されない。》
 《国土交通省や地方自治体は無条件の一般化には消極的で、自動車から排出される二酸化炭素の削減対策などにも回すよう主張し始めた。ここに来て、津島雄二自民党税調会長も国交省寄りの発言を行った。》
 《財務省の本音は膨大な国債償還費への充当だ。どう折り合いをつけるのか。財源の分捕り合戦という、いつか来た道に舞い戻るようでは財政規律が失われる。やはり、道路特定財源や特別会計のあり方にまで踏み込まなければ改革の名に値しまい。》
 《この際、道路特定財源は原則一般化し、必要な道路は厳格に査定したうえで予算化することを検討すべきだ。
 現在、自動車の保有者は本則税率の約二倍もの税負担を強いられているので、納税者の理解が欠かせない。族議員らの巻き返しで、財政構造改革を足踏みさせてはならない。》

 上記の社説でも述べているとおり、「道路財源は揮発油税など8項目で構成され、06年度は国と地方合わせて5兆7000億円」である。道路特定財源は受益者負担の原則にもとづいて受益者が負担している税であり、道路整備事業にのみ使われるものである。
 もしも、もうこれ以上、道路整備事業が必要ないと、国民と国会が判断するのであれば、この税は廃止しなければならない。これは、国民にとっては巨額の減税となり、内需拡大効果は非常に大きい。財務省の横取りは許されない。
 しかし、道路整備事業をやめることは社会にとって大変危険なことである。道路は絶えず点検し補修する必要がある。点検と補修を怠れば大事故が発生するおそれ大である。それ以上に、全国を見渡せば道路整備が必要なところは少なくない。道路特定財源は依然として必要なのである。
 国民にとっても、国会にとっても、政府にとっても税は神聖なものである。あくまで国民のものである。この税を財政当局が自分勝手に動かすことは許されない。
 税は、国民から出発して国民に返るものでなければならない。受益者負担の原則に立った道路整備のための財源を、一般財源化の美名のもとに財政赤字の穴埋めに勝手に流用することは許されない。財務省であろうが内閣であろうが、法に違反するような行為はあってはならない。
 繰り返す。受益者が負担する必要がなくなったのであれば、受益者に戻すのが筋である。

 その上、道路特定財源の一般財源化は、大いなる不公平を生み出す。公共交通が発達している大都会地に比べ、マイカーが不可欠な地方の負担は重い。これをこのまま一般財源化すれば、地方住民のほうが重い負担を強いられることになり、巨大な不公平が発生する。

 「道路特定財源の一般財源化」は、地方切り捨ての主張である。東京だけが栄えても、地方が衰退すれば、日本の未来はない。東京都の人口は日本の全国民の10%以下である。日本国民の90%以上が地方に住んでいる。この地方住民を無視する政府が間違っている。
 「国家の実力は地方に存する」(徳富蘆花)。地方の繁栄なくして、日本の再生はない。財務省と大新聞は地方のことを考えるべきである。 


http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03061.HTML

森田実の時代を斬る―
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/TEST03.HTML

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