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http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2762845/detail
先のAPECで、安倍首相はブッシュ大統領にミサイル防衛(MD)の共同開発を加速させることを約束した。安倍は米国へ向けて発射されたミサイル迎撃までヤル気らしいが、ちょっと待って欲しい。「MDは途方もないカネと時間がかかるくせに使えない」ともっぱらなのだ。軍事ジャーナリストの神浦元彰氏が言う。
「政府が2011年度の運用開始を目指し整備しているのは、イージス艦から迎撃するミサイル『SM3』と地対空ミサイル『パトリオットPAC3』。レーダー網の整備です。しめて1兆円のシロモノですが、北朝鮮の日本向け弾道ミサイル『ノドン』を撃ち落とせる可能性はせいぜい50%です。弾道ミサイルを迎撃するには発射直後を狙うのが効果的ですが、これだと先制攻撃になってしまうのでできない。そこで空中を水平飛行しているところを狙うのですが、弾道ミサイルは金属のオトリ弾を出したり、コースをジグザグに変える機能がついているので、当てるのは難しいのです。撃ち落とせなかった場合は落下時をPAC3で狙うのですが、核や生物化学兵器が搭載されていれば、いくら空中で撃ち落としても被害は免れません」
ちなみにSM3が届くのは、せいぜい高度300メートルくらい。北が米国向けに開発中のテポドン2は高度500メートルを飛ぶので、届かない。それなのに安倍政権はイケイケで、きのう(20日)は塩崎官房長官が「第三国の防衛のために用いられることはない」と定めた福田談話の見直しを口にした。軍事評論家の鍛冶俊樹氏はこう見ている。
「ブッシュ政権は中間選挙の敗北を受け、防衛費削減を余儀なくされている。MD開発も削減の対象なんです。日本に共同開発をもち掛けているのは、『削減分は日本がカネを出せ』ということでしょう。いま進めているMDのほか、さらに巨額の米国向けMDシステムの開発を裏で進めている可能性は高いと思います」
安倍はこんなムダ遣いを口約束してきた。国会でとことん聞くべきだ。
【2006年11月21日掲載】
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