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□政治資金パーティー、利益供与、問題発言……安倍ちゃん悩ます自民党の「タガの緩み」 [読売ウイークリー]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20061121-02-0202.html
2006年11月21日
政治資金パーティー、利益供与、問題発言……安倍ちゃん悩ます自民党の「タガの緩み」
10月の衆院統一補選で「2戦2勝」してロケットスタートを切ったはずの安倍政権だが、続く福島県知事選で敗北を喫した。政権発足後、いくつも出てきた「不祥事」が響いているという。
「ちょっとどうかしているね。慢心だ。こういうのがボディーブローとして効いてくるんだ」
選挙通で知られる自民党の閣僚経験者がため息をついた。政権が誕生して2か月近くたつが、この間、何人もの自民党議員の「不祥事」が新聞の社会面をにぎわしているからだ。
「不祥事第1号」は松岡利勝農相。出資法違反容疑で捜索を受けた団体からパーティー券100万円分を購入してもらいながら、政治資金収支報告書に記載していなかったことが、政権発足4日目(9月29日)に発覚したのだ。
若手の有望株、小林温参院議員が、これに続く。ニッポン放送株買い占め事件で「ホワイトナイト」として名前が一躍知れ渡った「SBIホールディングス」社に、自ら経営していたIT企業の株を適正価格より高値(3億数千万円)で購入してもらい、国税当局が「利益供与」と認定していたことが明らかになった。
経産省の渡辺博道副大臣も「民事再生法の適用を申請した身内企業から、その申請前に約7000万円の支払いを受けていた」と報じられた。和歌山の談合事件では、起訴された被告から中川秀直幹事長と世耕弘成首相補佐官がゴルフ接待されていたことで批判された。
政治アナリストの伊藤惇夫氏が指摘する。「安倍さんになったとたん、堰を切ったように金銭絡みの小スキャンダルが続いています。小泉時代はわりと緊張感があった自民党ですが、タガが緩んできた感じです。『新しい自民で改革だ』というかけ声はあげていますが、郵政造反組の復党への動きが加速化したり、地方への公共事業予算の増額を求める議連が発足したりするなど、元の自民党に戻りつつあるような気がしてなりません」
そんな自民党の“先祖返りの兆し”を世論が察知したのだろうか。前知事の汚職事件を受けた福島県知事選(11月12日投票)で、民主、社民両党推薦の佐藤雄平氏が当選した。当初は、自民党候補との接戦が予想されていたが、10万票の大差が開いた。
前出の閣僚経験者が言う。「世論調査で自民党候補は佐藤さんに数ポイント差に迫ることもありましたが、選挙中も汚職事件関係のニュースが何度も報道されたのが響いた」
自民党は安倍総裁(首相)を選挙戦最終日に福島入りさせるかどうか、ギリギリまで検討したが、「投入して負ければ、安倍さんに大きな傷がつく」(同党幹部)として見送った。
自民党のタガが緩んでいるなら、安倍首相を支える閣僚や官邸首脳たちも弛緩している。
2001年に閣議決定した「大臣規範」は服務規律として大臣の「大規模な政治資金パーティー開催自粛」を求めているが、山本有二金融相は就任後の10月25日、都内のホテルでパーティーを開いた。しかも、所管する銀行、保険業界から88万円分のパーティー券を購入してもらっていた。表ざたになって返金したが、大臣規範なんてあってないようなものだ。
「大臣のパーティーは山本さんだけではありませんよ。11月下旬には、某大臣が地元のホテルで大臣就任を祝う会を開く予定です。山本さんのパーティーで騒がれているのに、どうしたものでしょう」(自民党関係者)
政権周辺で発生する“群発地震”の行方を凝視しているのが、党内の「ハト派」を中心とした反安倍勢力だろう。11月1日夜には、安倍首相にとって気になる会談が行われた。河野洋平衆院議長と加藤紘一自民党元幹事長が都内で会談していたのだ。河野、加藤両氏は党を代表するハト派。かつて旧宮沢派に所属していたが、犬猿の仲で知られていた。加藤氏周辺が、こう漏らす。
「大島理森・元農相も同席して行われました。ただ、大島さんは途中で退席し、その後、2人はじっくり膝詰めで『右寄りのイケイケドンドンが進むのを阻止することで今後、連携していこう』などと話し合ったそうです」
会談に先立ち、加藤氏や山崎拓・元幹事長は、議員連盟の「アジア外交・安保ビジョン研究会」(加藤会長)を発足させた。安倍首相の出身派閥である町村派も参加して、「反安倍」色を打ち消しているが、党内では安倍政権が失速した場合の「反安倍」勢力の受け皿になるとの見方もある。
そうした加藤氏らの動きに敏感に反応したのが、党の要石である中川秀直幹事長だ。中川氏は講演などで、「左のほうに懐を深くする自民党でありたい。そういう安倍自民党を作っていきたい」と発言し、加藤氏らハト派にメッセージを送る一方、国民の中にある、安倍自民党へのタカ派イメージを取り除こうとしている。ちなみに「左のほうに懐を深くする」は安倍首相の祖父、岸信介・元首相の保守政党論であるところがミソという。
ただ、その中川氏にしても、政権発足時に安倍首相が、麻生太郎外相の幹事長起用に動いたことで、安倍氏との間に微妙な空気が流れているという。前出の伊藤惇夫氏が言う。「安倍側近議員と中川幹事長は相当ギクシャクしていると聞いてます。海の向こうの米国では安倍さんと同じ新保守主義を掲げるブッシュ共和党が中間選挙で敗退し、民主党が勝ちました。同じ揺り戻しが日本に伝わるかもしれません」
自民党は緩んだ褌をしめてかからないと、いけないようだ。
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