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5年前の5分の1の価格で売飛ばし
下関・あるかぽーと売却議案提出
また安倍縁故企業がらみか
2006年12月1日付
下関市の江島潔市長は、大多数の市民の意志に逆らって、自分の選挙運動の会計担当をした人物の会社に、関門海峡沿いの1等地あるかぽーとを二束三文で売り飛ばし、地元の商店などをつぶす大型商業施設や外資系ホテルを誘致させるため、暴走を続けている。市民がいつまでも文句をいうのは早く売却契約をしないからだなどといって、1日から開会される市議会12月定例会に売却議案を強行提出し、飼い犬議員に了解させようとしている。この事業も、表向きはみなとまち開発の藤井社長であるが、金を出すのは、当初の神戸製鋼がおりてみずほ銀行。いずれも安倍晋三総理の縁故企業である。文化会館の三菱商事グループへの高額発注は市民世論に恐れてあわてて取り下げる羽目になったが、それに懲りずにあえて強行することに市民の怒りは沸騰している。安倍氏が「そんな市民に嫌われる悪いことはやめろ」と一声いえば解決するものであるがそれがない。これも安倍総理の意志が働いているのかとの憤激が増幅するものとなっている。
12月議会で強行突破を図る
江島市長は1日から開会した、市議会12月定例会に、あるかぽーとの市有地5400平方bを、下関みなとまち開発(藤井清崇社長)に格安で売却する議案提案をした。
あるかぽーと問題は、地元の中央地区自治連合会が正式に反対を市に通告、地元の唐戸商店会も会員無視で合意した役員を臨時総会で総退陣させ合意破棄を明らかにした。これまで市長と市議会に対して、下関商店連合会は反対の要望書を出しており、同連合会をふくむ7団体による世界に誇る海峡を守る会が白紙撤回の決議を提出している。ゴミ袋値下げ運動をしてきた下関市を良くする連絡協議会が七月にまとめた市民1万人アンケートで、45%が白紙撤回で63%が公園・緑地を求めている。下関商工会議所が実施した市民意識調査も、スーパー誘致希望は13%しかなかった。市民世論は圧倒的に反対であることははっきりしているが、市長と市議会だけが執着しているのである。
12月定例会に議案で提出されたあるかぽーと5400平方bの売却は、賃貸する2万平方bと合わせて大型商業施設とホテルを誘致すると説明してきた。ところが核テナントのスーパー名はふせたままで、ホテルも具体名は出さずに「外資系3社と交渉中」とだけいっている。みなとまち開発は、年間に326万人の客が博多や広島から買物にくることを想定した、下関にはないような店舗やホテルの計画といっている。海のものとも山のものともわからない計画に、とにかく市の土地を売却することだけを認めようというのである。
計画ではスーパーや物販・飲食店が1万4400平方bで、遊具やゲームなど子どもの遊び場でもうけにならないアミューズメントに二万平方bをとり、他施設で赤字部門のシネマコンプレックスをつけるという怪しげなもの。巷では進出するのはスーパー・イズミといわれる。流通関係者のなかでは「採算性はなく、はじめから跡地利権だ」とも指摘されている。ともかく、300万人を集客する大型商業施設というわけで、それを強行することは地元の唐戸、駅前をはじめ商店街はつぶれてしまって更地にせよというものである。
ホテルもビジネスクラスかシティークラスだろうと指摘されている。下関市内にはホテル全体で2400室あり、稼働率は年間40%台で経営的にはギリギリといわれる。土地を売却するというのにどこがどういうものをつくるかも明らかにせず、競合する地元業者の論議もさせない、問答無用・切り捨てごめんのやり方である。
土地評価でも身内取引 「外資誘致」の計略も
さらに大きな問題は、市民の財産である埋め立て地を二束三文で売り飛ばそうとしていることである。あるかぽーと埋め立て地は関門海峡沿いの下関では最高の1等地である。ホテル用地としての5400平方bを約3億5000万円で売ろうとしている。1平方b当りにすると6万5105円。郊外の住宅地のような価格である。
ちなみに、開発予定地に隣接する同じ埋め立て地である水族館・海響館には、5年前に市港湾局から1万6500平方bを33億円、1平方b当り20万円で売却している。これは身内取引価格であり、同じ水族館用地でとなりの財務省の土地も購入したが、財務省の方は1平方b当り29万円を譲らなかった。それからみると今回はなんと5分の1のたたき売りである。江島市長は港湾財政の赤字解決のためなどといっているが、全くのペテンである。
また土地取引の目安となる06年版の地価公示および地価調査は、あるかぽーと近隣の南部町、入江町、中之町、細江町、赤間町は、1平方b10万円〜18万円とされている。ポイント価格ではあるが、中小零細の商店が固定資産税を払って商売を営んでいる同地区で、中通りの寂れたところでも10万円台を切る土地は、どこにも見当らない。今度の二束三文の売却価格は、これらの商店街の地価にも影響するものと見られ、この大型商業施設によって商店がやっていけなくなり、売り払うときには二束三文で買い占めするものに、便宜を図る行為とも見られる。安倍氏や江島市長がいう「外資誘致」のため、という計略まであると見られる。
江島市長は昨年11月の土地評価額で38%を減額した。これにかかわった不動産鑑定会社2社のうち、1社は藤井社長が一緒に働いていた親類の不動産鑑定士の会社が担当して、もう1社は自民党の元市議の会社であった。江島市長周辺の見え見えの身内取引である。
賃貸の2万平方bも、となりの4年半まえにオープンした商業地カモンワーフ(松村久社長)が払っている市有地の借地料より半額である。江島市長は、「既存商店街は待ちの姿勢ではだめ。下関の地域間競争が必要」などと、アメリカ仕込みの市場原理主義を得意になって主張してきた。実態は平等公正な自由競争などではないのだ。これも地元の談合はいけないといって、縁故企業による究極の官製談合にとって変えたインチキと同じである。
ある不動産関係者は、「建ててしまえば地上権が発生する。つまり開発会社が倒産しようが社長が夜逃げしようが、債権者のみずほ銀行があるかぽーと全体を好き勝手に使えるという強い権利だ。パチンコが来ようが、ギャンブル場や連れ込みホテルにされようが、文句はいえなくなる。下関市民が誇る1等地で、こんなずさんなことは許されない」と警鐘を鳴らしている。
詐欺的なやり口に拍車 安倍総理誕生で
江島市長のすすめるあるかぽーと開発は、安倍総理誕生というなかで、強引かつ詐欺的なやり口が目立ってきた。唐戸では、平岡議員が競艇場の場外舟券売り場を自分のビルに入れて家賃を稼ぐのとひきかえにあるかぽーと開発を唐戸商店会が認めるように動いてみんなの抗議で失敗したのは春であった。安倍総理誕生が確実との報道が強まる9月初旬には、反対する地元自治会長に、市の顧問弁護士が開発会社の代理人となって脅迫文書を送り、市民の反対集会に集まったのが200人と聞くと、イベント会社を雇い、建築利害がかかわる関連業者を集め、サクラの学生に発言させて、「500人の地元住民の賛成集会」と偽った建設促進の業者集会をやっり、議会が喜んで色めき立つというインチキも始めた。
あるかぽーと開発はそもそも、2000年に市役所内部の審査委員会で、8グループの公募という芝居で、おてもりによる神戸製鋼所グループとして選定された。それから5年以上行き詰まっていた。01年には第3セクターの方式がとん挫して、04年にはメインの神鋼が連帯保証人を断り、社長からも引くなど、計画自体が破たんしていた。安倍首相が出身の神鋼九州支社は、00年に奥山工場ゴミ焼却炉(105億円)、01年にはリサイクルプラザ(60億円)と、土木建築の会社ではないのに、ピンハネ目的だけで大型公共事業に入り官製談合騒ぎを起こしていた。
神鋼の連帯保証人辞退と入れ代わりに、登場したのがみずほ銀行である。初期投資135億円のうち、みずほ銀行が九五億円の融資意向表明をしたことから継続となった。これも安倍総理の縁故企業であり、安倍氏の叔父・西村正雄氏(8月に死亡)が会長をつとめたみずほホールディングスは、同行の持ち株会社になる。大手銀が、公的資金7兆4500億円を注入するさい、日本興業銀行の頭取として旗振り役となり、合併でみずほグループを立ち上げた存在である。
みなとまち開発の社長は神鋼出身者のかわりに江島市長の資金管理団体「江翔会」の会計責任者だった藤井氏が据わった。藤井氏は、60億円前後の負債を抱えて倒産した不動産会社・新日本勧業の専務であった。金融機関が、倒産実績のある人物に巨大事業の融資をするというのも不可思議なことである。藤井氏は使われている身であり、その背後の力ともあわさって、実態は金を融資するみずほ銀行の事業と、市内の経済界では語られている。みなとまち開発がなくなっても、みずほ銀行は大口債権者として購入土地を握り、借地分も契約の30年間は握っておれることになる。
みずほ銀行が連れてくるのは「外資系ホテル」といわれている。大型商業施設のテナントにも投資信託会社が入ってくる。江島市長は来年度予算編成の会合で、「外国企業の誘致等に前向きに取り組む自治体に対する地方交付税の支援措置等が検討されていることには注意していく必要がある」とのべた。地元経済をぶっ壊し、外資の労働力となる市民を食っていけないようにすることが、外資を喜ばせるためなわけである。
購売力がないのが問題 店足りないのでなく
米大使館の対日投資イニシアチブでは、大阪、広島などとともに北九州・下関を、積極的に外資誘致につとめる自治体五地域に定めている。内容は外国企業のスピーディーな進出を求めて、行政手続きを見直すことを第1に、外国企業が日本国内で合併するさい、子会社をつうじて完全子会社化を可能とすることや、教育および医療サービスなど、公共サービス分野への参入拡大を求めている。アメリカに忠実な安倍首相のおひざ元で、下関をさんざんに破壊しているのは、外資に下関を売り飛ばすためというのでは、たまったものではない。
下関では、江島市政の意図的な大型箱物事業の市外発注政策などによって、経済は破壊され、市内の事業所は99年から5年間で1224カ所も減少し、従業者数は7448人も減って、自殺者が10年間で600人近く出るという状態となっている。
経済はつぶれて、ビジネスで下関に来る客も減ってしまい、ホテルを立てなければ困るというものはいない。また大型店が増えなければ買い物に困るという市民はいない。買い物をする場所が足りないのではなくて、買い物に行こうにもまともに食っていける仕事がなくて買い物をする金がないのが問題なのだ。
安倍氏の縁故企業がらみの利権事業ばかりが横行して、市民は食っていけなくなってきた。安倍代理の江島市政を倒して市民の生活を守らなければならないの声はますます大きくなっている。
注目される議会の対応 13日に建設委員会
注目されているのが来年2月に選挙を控えた市議会の対応である。13日には建設委員会(継続なら18日)、21日には本会議で採決がとられる予定となっている。江島市長の飼い犬議員か、市民の利益を守る議員か、市民のなかでは厳しいまなざしが注がれている。
なお市議会建設委員の顔ぶれは次の通り。
委員長・門出眞治(自民)、副委員長・西村富士雄(新政ク・豊浦)、委員・野稲茂夫(自民)、田中眞治(市民ク)、長秀龍(公明)、松村正剛(無所属)、山下隆夫(無所属)、西本健治郎(政友ク)、異儀田博己(響会・豊浦)、戸澤昭夫(新政ク・豊浦)、升野百合一(ほうほくク・豊北)、江原聰(豊北平成ク・豊北)、佐伯伸之(菊政会・菊川)、稗田英己(菊政会・菊川)、村田龍夫(豊な会・豊田)、大田幸夫(「日共」)、小川静生(「日共」・豊田)
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