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我ら言葉のほかに失うものなし
天木・筆坂熱血インターネット対談
2006/12/14(Thu)
「小泉官邸秘録」が露呈してくれた小泉外交の正体(天木)
「小泉官邸秘録」が露呈してくれた小泉外交の正体
天木直人
小泉前首相の政務秘書官だった飯島勲氏が小泉政権の舞台裏を綴った「小泉官邸秘録」(日本経済新聞社)を出版したという。この種の本に面白いためしはない。ましてや小泉前首相をタレントよろしく振付け、自らを大きく見せようとした飯島秘書官の書いたものだ。小泉政権の正当化と自己宣伝でしかありえないことは百も承知の上で読んでみた。読んでみてこれほど空疎なものはないと改めて思い知らされた。「はじめて明かす秘録」という宣伝文句とは裏腹に価値ある情報は皆無といっていい。
しかしそのような本の中にも私が知りたかった貴重な情報が隠されていた。私の関心は空疎な小泉外交の正体に少しでも近づくことである。小泉外交の中でも決して忘れてはならない歴史的な失態外交がある。それは拉致被害者の命を軽視し自らの功名心から急いだ対北朝鮮外交と、中東情勢を無視してブッシュのイラク戦争をいち早く支持した対米従属外交、この二つである。
飯島氏は言う。あの突然の北朝鮮訪問は拉致された邦人の安否情報なきままに総理の決断で行ったのだと。そしてその責任はすべてかぶるという立派な覚悟で、今までの総理が出来なかったことを行ったのだと。飯島氏としてはそう書くことによって小泉前首相の決断力をアピールしようとしたに違いない。しかし国民は騙せても私を騙すことは出来ない。
私はあらゆる機会に書き続けてきた。「もしあの時、小泉総理が拉致された邦人の死を知っていて、それを国民に隠して訪朝したとすれば拉致犠牲者の命を軽視するにもほどがある。しかしもし邦人の安否に関する情報がないままに訪朝したとすればもっと無責任だ。邦人の安否など最初から二の次だったことになる」と。
この私が知りたかった疑問に対し飯島秘書官はその著書の中で見事に答えてくれた。まったく情報はなかったと胸を張って公言しているのだ。つまり救済する邦人の命などは一人でも二人でも何人でもよかったのだ。歴代の総理が出来なかった邦人帰還を実現させたことだけでもノーベル平和賞ものだと言わんばかりなのである。語るに落ちるとはこのことだ。
もっと驚いたのはイラク戦争に関するくだりだ。小泉政権5年半の最大の外交問題であったイラク戦争支持と自衛隊派遣について、その記述は驚くほど少ない。この歴史的決断に際し、当時政府内でどのような議論があったのか、そしてその中で小泉首相はどのような考えに基づいて自ら決断を下したのか、このことこそ国民がもっとも知りたいところである。それがまったく触れられていない。
私は、自らの体験を通じて、小泉前首相は中東情勢に関する知識も関心もまるでない人だと発言してきた。その小泉前首相の振り付け役を自認している飯島秘書官はもっと何もわかっていなかったのだ。だから書くことが出来なかったのである。
中東情勢とは無関係に対米配慮だけでイラク戦争を支持した、これが飯島プロデューサーの演出でありそれに乗っかった空疎な小泉外交の正体なのだ。
http://www.tembosha.com/kd_diary/kd_diary.cgi?20061214
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