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□安倍夫妻演出みえみえ [AERA]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20061211-01-0101.html
2006年12月12日
安倍夫妻演出みえみえ
新しい総理夫妻像…かもしれないけれど、イメージばかり先行では恥ずかしい。
肝心のご本業もしっかりやらないと、本末転倒では。
郵政民営化法案で離党した、自民党議員の復党問題が大詰めを迎えていた11月26日の日曜日。動向が注目されていた平沼赳夫元経産相が地元で後援者との会合を開き、中川秀直幹事長と離党組の堀内光雄元自民党総務会長が急遽都内で会談するなど、永田町や離党議員の地元はざわめき、緊張度を増していた。
が、自民党総裁である安倍晋三首相の週末は、なんとものんびりしたものだった。
26日は午後になってから、妻の昭恵さんと共に渋谷区の私邸の玄関に姿を現した。首相は青いセーターにスラックス、昭恵さんも普段のシックなスーツ姿とは違ってパーカーにパンツというカジュアルな服装。この日は首相公邸へのお引っ越しだったのだ。
昭恵さんを公邸に残し、首相は一人でお買い物。携帯で写真をとろうと取り囲む買い物客に愛敬を振りまきつつ、百貨店で洋服を試着、東急ハンズでは昭恵さんのメモを手に、シャンプーや入浴剤やボールペン、書店ではなぜか英和辞典や国語辞典をご購入し、夕方に公邸に戻った。
「BRIO」夫婦みたい
この、初の戦後生まれの首相の行動には、常に夫人の昭恵さんの姿が重なる。そもそも、宿願の総理の座がいよいよ実現するという9月の自民党総裁選の朝もそうだった。しめていた紺にシルバーの縞が入ったネクタイも、
「家内が『いいんじゃない』というのをしてきました」
だがなんといっても、安倍首相夫妻は52歳と44歳のカップルで、歴代の首相たちとは世代が違うのだということを強烈にみせつけたのは、10月の訪中。二人で手をつないで飛行機のタラップを降りてきたことだ。
「時代が変わったということを鮮烈に認識させた。中国や韓国の人の話題にもなり、あれはよかったといわれた」(外交筋)
評判になったことで、外遊の時の安倍夫妻の仲良しポーズはもはや定番に。韓国では腕を組み、11月中旬に行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)でも、手をつないで飛行機から降りてきた。
お買い物にはメモを持って、お出かけはお手々つないで。けっこうなことではあるのだが、なんだかまるで月刊誌「BRIO」あたりで銀座とか金沢とかの老舗の3代目夫婦のおしゃれライフを見せられているような気持ちになる。ほんとなのかもだけど、嘘っぽい。作り物感。そう感じてしまうのは、性格が悪いからかしら。
もちろん政治家、特に一国の首相ともなれば、その行動すべてが政治的意味をもつし、パフォーマンスは付き物だ。故小渕恵三首相は株価が低迷していたときに、カブを持ち上げながら「かぶあがれー!」と笑顔で言った。小泉純一郎前首相が6月に訪米したときは、「ラブ・ミー・テンダー」を歌いながらギターを弾くまねをしていた。小渕さんはいいおじさんだなあと苦笑すればすんだし、小泉さんの卒業旅行のことはもう忘れよう。だが、どうも安倍さんは、ちょっと違う。
世耕補佐官は「自然体」
官邸主導を掲げ、自らの側近を5人の首相補佐官としたが、そのうちのひとりが世耕弘成参院議員。初の広報担当補佐官である彼への信頼は、中でも厚いとされる。「血筋もよくて若くてハンサムで決断力もあり」みたいな感じの世論をバックに総理の座についた安倍首相だから、メディアを通じて世間に自分の活動をどうみせるかを非常に重視しているのは、最初からはっきりしている。
さらには昭恵さんの外交活動を補佐するために、父、晋太郎氏の秘書官だった外務省OBの宮家邦彦氏もスタッフとして官邸に入れている。
そんなこんながあるから、ますます本当に仲良しかもしれないけれど演出みえみえに見えてしまう。なので、演出なんですか、と世耕補佐官に聞いてみた。
「安倍夫妻の行動はすべて自然体で、本人たちの意向。私をはじめ誰かが演出しているということはない」
ときっぱり。宮家氏の業務も外務省との日程などの連絡調整が主だという。
と、ここで昭恵さんに話を移す。
最近では「アッキー」と呼ばれたり、書かれたりすることが多い。
「これまでの歴代首相夫人は、名前がなんだったかも思い出せない人も多い。それなのに昭恵夫人という呼び方が定着し、アッキーという愛称すらあるのは画期的」(政府関係者)
と政府内でも評判が高い。便乗ビジネスも、当然、出てくる。
エビちゃんとアッキー
池袋西武が2007年の福袋で売り出すのは、「ファーストレディーなりきり福袋」だ。広報担当は、
「福袋は、その年に活躍する女性で、なりたいと思わせる像を想定してつくっています。たとえば20代だったらエビちゃん。昭恵さんは30代後半から40代の女性にとって等身大でありつつ、あこがれと共感の的で、ファッションリーダーになりつつあるのでは」
中身は、「アッキー女史のように控えめでモノトーンの色づかいながら上品にスタイリッシュな着こなしを楽しんでいただく」ようにコーディネートされたジャケットやスカート、バッグなどのファッション一式とエステでゴージャスな気分が味わえる「VIPプラン」のパスポート、韓流好きな昭恵さんを意識して、韓国通の女優、黒田福美さんの講演招待券がセットになって、お値段は5万円。しかも先着5名のみ。
一般人にも「理想のカップル」イメージは浸透しているようで、
「安倍首相と昭恵夫人は中国で手をつないで飛行機から降りてきました。新郎新婦もぜひ、ああいうカップルになってください」
という挨拶を結婚式で聞いた人もいた。
まさに政治的パフォーマンス大成功、といったところだが、アッキーご本人は、手をつないで中国から帰ってきた後の地元での会合でこう語ったという。
「普通に降りようと話していたのに、主人がさっと手をだしてきて……。払いのけるわけにいかないので握りました。普段は早足で、手なんてつないでくれないんですよ」
率直な昭恵さんだ。
「お気楽な殿様」説も
ここで、晋三さんに話を戻すと、このところ支持率が下がってきている。朝日新聞が調べた内閣支持率は、9月の就任直後は63%と高かったものの、11月には53%。復党問題騒動を経ての次回の調査では5割を切るのではという見方も強い。
「国民の高い支持率をバックに政権についた安倍首相なだけに、5割を切ると厳しい。支持率が低下すると党内が安倍首相の言うことをきかなくなり統制がきかず、それによりまた支持率低下という悪循環に陥る可能性もある」
とみる関係者もいる。
「結局、安倍首相の場合はイメージで首相になったようなものだから、人気の維持もイメージに頼らざるを得ない」
と解説するのは、ある永田町のベテラン秘書だ。首相の孫で育ちがよく、ルックスも今までの政治家のように脂ぎっていず、新しい。そんな印象とイメージが、国民の高い人気をよんで総裁選では圧勝した安倍首相。
だが、いざ首相になってみると、経済政策は苦手だし、念願の憲法改正は時間がかかりそうだし、復党問題ではごたごたするし、小泉改革の宿題の道路特定財源問題でももめそうだし……と、次から次へと頭の痛い課題ばかり。与党内からも、
「政策課題が山積しているなかで引っ越しやお手々つないででは、なんだかお気楽なお殿様のようにみえる」
との声も聞こえてきた。
どうする晋三、どうする昭恵。
編集部 秋山訓子
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