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我ら言葉のほかに失うものなし
天木・筆坂熱血インターネット対談
2006/12/12(Tue)
マイケル・ジーレンジガーの日本論(天木)
マイケル・ジーレンジガーの日本論
天木直人
11日は休刊日だったので新聞のかわりに週刊誌を読んでいたら、週刊ダイヤモンドの最新号(12月16日号)にマイケル・ジーレンジガーの手になる日本論を見つけた。米国の有力メディア、ナイトリッダーの東京支局長を7年間務めたジャーナリストでプリンストン大学ウッドロウ・ウイルソン・スクールを卒業し現在はカリフォルニア大学バークレー校で教鞭をとっているというからかなりの人物だ。
その彼が日本の「ひきこもり」現象に興味を持ち、ひきこもりの若者とその家族の対話を重ねた結果、この世界にまれな現象の中に、日本社会の本質を見たと週間ダイヤモンド誌上で書いている。そしてこの日本固有の現象にこそ、日本の前途の多難を感じると予言しているのだ。
彼の文章の中で興味深い箇所を抜粋したい。いずれも意味深長なものがある。それにしても、この論文といい、拉致問題や硫黄島の映画にしても、そして日本国憲法の映画にしても、本来は日本人の手によって書かれたり,製作されたりしなければならないものが、どうして外国人によってなされるのであろう。ここに、「個」が確立していない今の日本の本質があるような気がする。
「……私がこの題材に注目した理由は、古今東西を探してもこれ以上に不可解な現象はないと考えたからだ・・・調査の際、なによりも驚かされたのは、ひきこもる子供を持つ母親の多くが父親の責任を厳しく指摘し、父親への母子による抵抗であると強弁した事だ。なかには復讐という言葉を使う母親もいた。父親不在がこの問題を解く大きな鍵となっているようである。ただ、母親側にも問題がある。問題の家族の母親には仕事や趣味を持たない人が多かった。自宅にいることが多く、働かない理由を、世間体あるいは夫が許さないとしていた。このような前近代的発言が繰り返されたのは驚きだったが、それが日本の現実だった
…すなわち真の社会革命を経験したことのない「個」の脆弱性である……日本は未だに封建時代の社会通念を温存しており、家族や会社、学校への帰属意識を何にもまして重視する傾向が強い……日本人はシステムへの抵抗や復讐こそすれ、それを覆す革命を自ら起こしたことはないと私は考えている。民主主義も敗北によってもたらされたものだ
……革命の不在は経済活動においてもそうだ。ここ数十年は世界的に名の知れた起業家はほとんど出ていない・・・ゾンビ企業(筆者註:大手銀行が莫大な税金で救済され、国民への利益還元よりも政治献金を再開した現状を想起すればよい、それに対して国民は立ち上がらない従順さを想起すればよい)が、国益や社会の安定化などを言い訳に温存されるのも、個が弱く、いまだ集団の調和に重きを置く日本社会の変わらぬ特長だ
……日本の外を見れば、欧米のみならず中国や韓国ですら、時代の牽引役はすでに工業化を支えた集団力から知識社会を支える個の力と移っている。日々の仕事をこつこつと効率化しているだけでは、今はよくとも、やがて成長の限界にぶつかる……日本が、このまま国家ごとひきこもって行かないことを祈るばかりだ。」
http://www.tembosha.com/kd_diary/kd_diary.cgi?20061212
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