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談合摘発の背景にあるもの(北海道独立義勇軍:Butch隊長ブログ)
http://www.asyura2.com/0610/senkyo28/msg/1083.html
投稿者 下戸彩 日時 2006 年 12 月 09 日 22:05:22: yZ.kO/yAkn3xw
 

http://blog.e-otegami.net/butch/archives/2006/12/post_165.html

今年に入って談合絡みで首長が逮捕される事件が続発している。新聞によれば福島県知事、和歌山県知事、宮崎県知事など15人の上るという。北海道では、長万部町長に次いで深川市長が逮捕された。これらの事件の背景について邪推を含めて考えてみたい。

 おそらくは(というより誰でも知っていることだが)、地方自治体発注の公共事業における談合は今でも広く行われている。それが気に入らない人々がいる。あるいはそれを利用したい人々がいる。

 第1に地方分権への流れを背景として、中央vs.地方という構図がある。分権を進めようとする地方自治体と権限を握り続けたい中央官僚の対立。談合を軒並み摘発することで、地方財政が健全化する、というのは建前で、地方の腐敗を暴くことで分権を阻止しようという狙いがある。組織防衛のためにはなりふり構わないのが中央官僚の特性である。

 第2に建設業界における大手vs.中小の公共事業市場をめぐる争いがある。昨年の暮れ、大手ゼネコンらでつくる建設業3団体が「脱談合宣言」した。これにより従来の「共存共栄」から「自由競争」への流れが決定的となった。今年3月に実施された夕張シューパロダムの堤体第1期工事の入札では、予定価格50億8259億円の工事を、大成建設を頭とするJVが23億7000万円で落札した。落札率46.6%の超安値受注である。談合がはびこっていたときには考えられない安値。そうまでして仕事が欲しいのだ。国の発注工事は大手の市場である。一方、地方自治体の発注工事は当然ながら地元業者が優先される。大手が指を加えて眺めているはずがない。だが、地方では依然として談合が行われている。この市場を手に入れるにはどうするか。談合をなくして市場を開放すればいい。大手がそう考えても不思議ではない。知事が逮捕された事件で、主なネタ元は大手ゼネコンの職員だったとも伝えられている。

 第3に地場中小同志の対立がある。地方自治体発注工事もこの数年大幅に減少している。少ないパイの奪い合いという構図のなかで、一部業者が首長をたらし込んで工事を受注すれば、うらみつらみねたみからチクる業者が出てくることは容易に想像できる。

 もう一つ邪推を重ねるなら、裏金問題を抱える警察による自治体へのドーカツか、とも思えるが、それなら市町村は関係ないから、これは本当に邪推でしかないかもしれない(笑)。

 まとめると、このところの地方自治体を舞台とした談合摘発の背景には、中央官僚vs.地方自治体、大手vs.地場中小、地場中小vs.地場中小という構図が見える、ということだ。これらの対立構図において、強いのはどれか。言うまでもなく中央官僚であり大手ゼネコンである。談合摘発で地方における公共事業市場の開放が進めば、大手が苦もなく市場を席巻するだろう。道路工事を例にとると、従来、地場中小に工事を受注させるため、工区を細かく区切って1件当たりの事業費を低く抑えてきた。これを止めれば落札予定価格は数倍に跳ね上がり、中小は入札に参加できなくなる。こうした方が施工効率が上がりコストダウンが可能になるのも確かである。そして“効率的な発注”や“公平な競争”を表看板に掲げて市場開放がすすむ。その結果、待っているのはアメリカ企業の参入である。何しろアメリカの意向に忠実なコイズミ・アベ政権。「年次改革要望書」にしたがって公取の権限を強化し、談合摘発に血道を上げる。アメリカが要望しているのは、「日本の公共事業発注の適正化」をお題目にして市場開放なのだ。

 以前にも書いたが、我々の税金がアメリカ企業のふところを潤すのは御免蒙りたい。

http://blog.e-otegami.net/butch/archives/2006/02/post_18.html

あえて「談合」を弁護する

防衛庁を舞台とした官民談合事件は、「官から民へ」を掲げて
既得権益をばっさり斬っているはずだったコイズミ政権の下でも
相変わらず談合が続いていたことを示したものだ。
法務省発注工事でも「落札率98%」と談合の存在をうかがわせる。

政官業の癒着体質が問題となったのは確か1993年のゼネコン汚職事件
の頃だったと思う。

仙台市長、宮城県知事、茨城県知事、中村喜四郎代議士、
ゼネコン幹部らが逮捕され、「天の声」という言葉が紙面に踊った。
北海道でも、道上川支庁農業土木設計談合事件や個別の入札における
談合情報が頻繁に飛び交っている。

談合は刑法96条の3項に定められた違法行為であり、
新規参入を阻み、公正な競争を阻害するものだ。
しかも官が絡んだ談合は、行き場のない官僚OBの就職先確保(天下り)が
その背景としてあり、さらに政治家の介入や汚職につながりやすい。
そういう諸々の臭さは確かにある。
だが、そう簡単に「談合=悪」と決め付けていいものだろうか。

例えば建設業は昔から雇用のバッファとしての役割を果たしてきた。
バブル崩壊後、80万人もの雇用を吸収してきたのが建設業界である。
(北海道においては、1963年に始まった数次にわたる石炭政策により
次々に炭鉱が閉山したが、その時々の炭鉱労働者の雇用を吸い上げた
のが建設業だった。

今でも道内総生産約20兆円のうちの10%、全就業者数265万人のうちの11%
を建設業が担っている。許可業者数は約2万4000社で、
そのほとんどが資本金1億円以下の中小零細企業だ。)

公共事業費を大幅に削減したコイズミ政権によって、地場中小の建設業は、
どこも受注量が激減し、リストラ、倒産、廃業が相次いでいる。
談合でもしなければ生き残っていけないのだ。
そういう企業は淘汰されるべきなのだろうか。

談合が完全になくなったら、どういうことが起こるか。
まずスーパーゼネンコンと呼ばれる超大手建設業が圧倒的に有利になる。
中小零細なら受注した工事のうちの1件でも赤字を出せば、
すぐに経営危機につながるが、超大手ではそんなことはない。
むしろ個別の工事では多少の赤字を出しても、
一定の地域で複数の工事を動かした方が、利益を生みやすい。
したがってあえて赤字で受注することもあり得る。

もう一つは外国業者の参入である。
米国政府が日本政府に突きつけている「年次改革要望書」の
主要項目の一つに談合取締りの強化があった。
実際に、公正取引委員会の権限・人員が強化され、
新たな法律も作られた。そうして「競争」が推奨されたのだ。
大店立地法と同じ構図である。

日本国民の税金を使った公共工事を何故、
外国の業者に回さなければならないのか。
地元の業者が受注すれば、そこの従業員や下請作業員も
地元の人間であり、金は地元に落ちる。
それが地域経済を回してきた。
それをばっさり斬ってしまっては、地域は疲弊する一方だ。

ゼネンコン汚職事件以来、「談合=悪」という構図が出来上がってしまったが、
それが天下りや汚職の温床とならず、適正な価格で発注され、
ある程度の新規参入を認める仕組であれば、何ら問題はないのではないか。

そもそも談合は、その発祥において、発注予定工事をどの組が落とすか、
を話し合うものだった。工事の受注を巡って諍いが生じ、
キッタハッタの刃傷沙汰に発展したこともあって、
話し合いの場を設けたのがそもそもの始まりである。話し合いの場があって、
それでも話合いがつかないときは、受注業者が降りた業者に談合料を支払ったり、
それでも納得しない場合は、ガチンコで札を入れた。
もともと官や政が介入するようなものではなかったのだ。
話し合いでものごとを決めるのは、日本人の美徳である。

官製談合にしても、それに官僚の天下りが絡むからおかしなことになるのであって、
予め受注業者を決めておけば、無駄な争いがないという利点もあるのだ。
「競争=善」「談合=悪」という構図を鵜呑みにしてしまうと、
シカゴ学派の思う壺である。
腐敗しない再配分の仕組を構築すべきだ。それが日本には合っている。


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