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自民党が教育基本法「改正」についてウソ八百書いているホームページを発見しました。
「教育基本法改正Q&A〜教育基本法に向けた主な論点〜(平成18年6月 自 由 民 主 党)」と題したこのページには、自己矛盾したこと、ウソ、そして、よくもまあそんなことをシャーシャーと言うな、というようなことが満載です。今日はとりあえずその中で一つ、批判します。
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問3:「教育の憲法」である教育基本法の改正は、憲法と合わせて改正すべきという意見がありますが、どうですか。
1. 教育基本法は、「国民主権」、「個人の尊厳」、「法の下の平等」、「教育を受ける権利」など憲法に定める理念を教育において具体化するための規定を多く含むなど、憲法と密接に関連する法律であることは事実です。
こうした点を踏まえ、教育基本法改正案では、前文に「日本国憲法の精神にのっとり」を規定し、教育基本法が憲法と密接に関連している性格を引き続き明確にしました。
2. 一方、教育をめぐる問題を踏まえれば、一刻も早い抜本的な教育改革が求められ、教育基本法改正を憲法改正まで先延ばしすることは許されない状況であり、中央教育審議会や基本法改正与党協議会での検討も、現憲法下における教育基本法の在り方を検討してきたところです。
3. 今後、憲法改正が行なわれた場合、その改正内容に応じ、教育基本法に不整合な箇所がある場合には、教育基本法の改正を改めて検討することとなります。
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「3」に関連しては、最近、このような報道もなされている↓
「教育基本法改正案は自民新憲法草案とも整合」文科相 【asahi.com】
http://ameblo.jp/warm-heart/entry-10021110234.html
注意すべきは、「1」と「2」の矛盾である。
「1」で、「教育基本法が憲法と密接に関連している性格を引き続き明確にしました」と言いつつ、
「2」では、「教育基本法改正を憲法改正まで先延ばしすることは許されない状況であり」と言う。
つまり、「日本国憲法の精神にのっとり」とか言いつつ、実際は改正案は憲法に則っていない。だが、教育の現状を考えると憲法改正まで待っていられない。だから、先に教育基本法を改正してしまうのだ。
そういう論法である。
(そもそも、教育の腐敗は、戦前・戦中の教育のあり方を根本から見直そうとした現行の教育基本法の理念を実践しなかったこと、そして、管理を強めてきたことに起因するという指摘がある。例えば軍隊式行進がいまだに運動会などでやられていることなどは、その一つの例だろうし、日の丸・君が代強制という、人の行動を上から統制し、枠の中にはめようとする統制型の教育行政もまたそうだと思う。)
「2」は、教育基本法改正の内容は現行憲法に相容れない部分を含んでいる、と言っているに等しい。つまり、前文に規定したという「日本国憲法の精神にのっとり」という文言は、憲法違反ではないか、と言われることに対する免罪符の役割を果たさせるためにつけただけなのだ。
教育基本法改正案の違憲性については、そこかしこで触れられている。
例えば、成嶋隆新潟大学教授(憲法学と教育法を研究)は、こう述べている。
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・・・法案が真に「日本国憲法の精神」に「のっとって」いるかどうかは相当に疑わしい。たとえば法案二条は多くの徳目を教育の「目標」として列挙し、これら法廷された道徳規範に従順な国民を育成する教育を推進しようとしているが、このこと自体、個人の思想・良心の自由を保障し、国家の価値中立性の原則を定めた憲法19条に背馳する。法案がこのように違憲性の強いものであるならば、「日本国憲法の精神にのっとり」の文言は、違憲の教基法(!)が、にもかかわらず《準憲法》のお墨付きを与えられて教育実践を拘束するという逆説的な状況を正当化することになろう。
(中略)
前文に道徳規範を盛り込み、国民の自己拘束規範として提示するという手法は、昨今の改憲提案、とくに自民党が公表してきた一連の改憲案にも共通してみられるやり方である。そこには、法文作成上のルールにそれほど拘束されない前文という形式を利用して徳目を羅列し、これを含む憲法規範全体を国民の行動規範として《再定義》するという志向がみてとれる。法案は、教基法についても同様の《再定義》を試みるものだが、この試みは憲法および教基法の規範性質を根本的に変えてしまうことになる。
日本国憲法99条にみられるように、憲法とは本来、権力拘束規範(制限規範)であり、その名宛人は国民でなく権力担当者である。その憲法の精神に則って制定され、準憲法的性格を有する教基法も、同様に権力拘束規範でなければならない。現行教基法は、たとえば10条1項の「不当な支配」の禁止規定にみられるように、まさしく権力拘束規範としての性格を有している。法案はそのような現行法の規範性質を、国民拘束規範へと180度転換してしまうものなのである。・・・
(「教育基本法の『改正』を許さない」〜格差と競争の教育に抗し、教育の自由を広げよう〜教育科学研究会編、p112、113より一部抜粋)
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(参考:「憲法第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」)
「国家の価値中立性」、これはかなりキーだと思う。(これがすべてだと言っても過言ではないとすら思う。)
個人の価値観の中に他人が土足で踏み込んでくることは、許されない。
国家という、権力装置が踏み込むのはなおさら許されない。
しかしながら、今の日本では、他人の価値観を捻じ曲げさせるようなことが、堂々と行われている。
強制により、日の丸・君が代を受け入れさせられる教師・生徒たち。
日の丸掲揚・君が代斉唱に反対する人は、
日の丸・君が代は日本の国歌・国旗なんだし、別に卒業式とか入学式の数分間だけのことなんだし、別に従っちゃえばいいじゃん、
というような感覚とは違って、それなりの考えをもって反対している。
それなりの信念を持っての行動なのである。
そういう行動は、尊重されるべきだと思う。
内心の自由、良心の自由、表現の自由は憲法でしっかり明記されている。
どんな権力もそこに介入すべきではないのだ。
日の丸問題については私は、日の丸問題は、将来の日本国民を日本国家カルト集団に育て上げ、戦死させたいか否かという問題だ、と考えている(http://ameblo.jp/warm-heart/entry-10017545936.html参)。
また、日の丸のもとに団結することなどを指示されたら、従わなければならないような思いにさせてしまう効果も持つと思っている(http://ameblo.jp/warm-heart/entry-10017545884.html参)。
日の丸を記号のように使うだけなら特に問題はないだろう。
しかし、日の丸の前に皆がそろって立ち、敬意を表するとなると、それは、国民を一人残らず何かの「大儀」のもとに一致団結させる行為へとつながっていく。
戦争への動員装置になりうるということなのである。
今日本が全く戦争と無縁であるのなら、こうした懸念は笑って済まされてもよいのかもしれない。
しかし、有事法制が作られ、防衛庁も省に昇格し、自衛隊の海外任務が本来任務に格上げされ、ミサイル整備も進むなど、アメリカとともに戦争のできる「普通の国」への道筋が着々と出来つつある時代状況の中では、日の丸の強制も、国民の意識を旗のもとに団結させ、その旗のもと、「日本はこれから正義の戦争をします。」と権力者に言われた時に、反対できない空気を生み出すことに使われる可能性が高い。
日本人は特に、周りの空気というものを気にする。
集団教育が戦後も相も変わらず続けられてきてしまったこと(これは教育基本法の精神にも反すると私は考えている)にもより、周りと違うことをするのが怖いのだ。
個性の表現だとか言いながら、着る服にしても、流行の服何種類かの中から選ぶだけ。
個性とか言いながら、日本人としての個性を重視せず、黒髪を染めて西洋人みたいになってそれが個性と思い込んでいる人たち。
戦後教育を受けた私のような世代の人間は、個性とか自由とかいう言葉をかなり聞かされて育ったと思う。
しかし、本当の自由、本当の個性というものを、知っているのかどうか。
本当の自由や個性というのは、周りの視線がどうこうではなく、自分の内にある声に耳を傾け、その声に従って行動することから始まると思う。
そういう内心の自由、良心の自由の発現を許さない教育をしようというのが、教育基本法改悪なのだ。
◆戦争遂行体制
●平時用:
@ 思想誘導(戦争に向け、国民を洗脳)、思想統制(法律による)
@)国民に、国家に対する忠誠心を植え付け、かつ、それに反対できないよう法律で規定。
(例)日の丸・君が代の強制、教育基本法改悪、憲法改悪(新憲法草案、国民投票法案)、靖国参拝
A)国のために死ぬことはいいこと、誇るべきことだという考え方を広める
(例)靖国参拝(=戦地への動員装置かつ、「名誉の戦死」の量産装置)
A思想弾圧(政府批判者の言論を弾圧)
(例)共謀罪、「立川テント村事件」、「堀越事件」、「葛飾ビラ配布事件」、
JR労組弾圧、学生の不当逮捕
●有事用:戦争のできる法体制作り
米軍再編、集団的自衛権、ミサイル防衛システム、テロ特措法、(有事法制)、自衛隊海外派遣の恒久法、憲法改悪、国民投票法案、防衛庁省昇格関連法案
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