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□先行きを早くも懸念する胡錦濤政権の安倍新政権分析=ウィリー・ラム [SAPIO]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20061025-03-0401.html
2006年10月25日
先行きを早くも懸念する胡錦濤政権の安倍新政権分析=ウィリー・ラム
安倍新政権が誕生し、外交問題では日中関係が改善されるかどうかに注目が集まっている。安倍晋三新首相は、胡錦濤・中国国家主席や温家宝首相との日中首脳会談を早期に開催することに強い意欲を示しているが、これが実現しても、小泉前政権でこじれた日中関係の修復には長い時間がかかるとの見方が有力だ。
北京の中国外交筋によると、中国共産党と政府は今年初めから、小泉後継政権に狙いを絞った対日政策を練ってきた。まず、胡錦濤主席が責任者を務める党外交問題小組(グループ)に「対日問題小組」をつくり、前外相の唐家セン国務委員や王毅駐日大使などの日本問題の専門家を集め、ポスト小泉の有力候補やその候補の個別の対中姿勢、さらに、その人脈や資金源などを調べ上げて、“攻略法”を検討してきた。
「その結果、小泉政権後、日中関係が最も不安定な状態になるのは、安倍政権が誕生した場合であるとの結論に達した」
と同筋は明らかにする。
その理由として、同小組は安倍新首相のセールスポイントが、北朝鮮による日本人拉致問題への対応で明らかであるように、そのタカ派ぶりであることを挙げている。
安倍氏は自民党総裁選を勝利した後の記者会見で、「改革の炎を絶やさず、小泉首相の改革を受け継いでいく」などと述べて、改革実行の継続を強く訴えた。教育改革や行財政改革などでは小泉政権時代と同じだけに、安倍政権の独自色を鮮明にはできない。安倍氏が新首相として独自性を打ち出せるのは、北朝鮮問題などでみせた外交の分野である。
となると、北朝鮮への強硬姿勢を維持するとともに、対中姿勢で軟化することはまず考えられない。
安倍新首相は日中関係の改善をことあるごとに強調するものの、「本質的には親台湾派」であると中国側はみている。
祖父の岸信介元首相は蒋介石政権と近かったし、父の安倍晋太郎氏は親台湾派が多い旧福田派に属し、福田赳夫元首相の後継者の1人でもあった。
安倍新首相の人脈も自然、親台湾派で占められているし、安倍氏と親しい中国政府の要人をすぐには思いつかないのも、むべなるかなだ。
祖父の岸氏の話が出てきたついでに触れれば、岸氏が日米安保条約を締結したように、安倍氏も米国追従論者であるのは間違いない。安倍氏が自民党総裁選期間中に、「中国脅威論」と受け取れるような発言をしたが、その論拠を注意深く見ていくと、「日米同盟を強固にすれば、中国怖れるに足らず」という本音が透けて見えてくる。
さらに、北朝鮮関係も絡んでくると、何とか金正日政権を守りたいとの立場をとる中国政府との間で、とりわけ拉致問題をめぐり、不協和音が出てくるのも時間の問題だ。
また、安倍氏はこのところ、自身の靖国神社参拝問題について言及を避けている。仮に、「安倍首相が靖国神社に参拝」となると、日中関係の改善は絵に描いた餅になる。そのとき、中国側は好むと好まざるとにかかわらず、安倍政権を厳しく批判せざるを得ない。
「ボールは日本側にある。どのようなボールが返ってくるのかを待っている状態」
これが現在の中国の対日姿勢だ。
こう考えると、安倍政権誕生後、中国が日本からの“吉報”を待ち望んでいるしばらくの間が、日中両国間の“つかの間の蜜月期間”であるといえまいか。(ジャーナリスト)
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