★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK27 > 631.html
 ★阿修羅♪
植草つぶしは「りそな問題」の隠蔽にある(4)売国計画としてのりそな騒動(ブッシュの異常な饗応の陰に) 「神州の泉」より。
http://www.asyura2.com/0610/senkyo27/msg/631.html
投稿者 新世紀人 日時 2006 年 10 月 16 日 15:24:15: uj2zhYZWUUp16
 

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2006/10/4_3139.html
植草つぶしは「りそな問題」の隠蔽にある(4)
  売国計画としてのりそな騒動(ブッシュの異常な饗応の陰に)

 植草氏によると、2003年4月28日の日経平均株価は7607円に達し、わ
ずか二年で株価は半値まで下落した。株価がここまで暴落した原因は、
それまで小泉が「退出すべきは退出させる」と何度も繰り返し、大銀行も
その例外にあらずとする、「自己責任完遂」の強硬的対策という一貫した
背景があったからである。政策決定における小泉の強硬裁断を見ていた
銀行や企業は、政府のりそなへの対処にも、当然ながら、この強行措置
がとられるものと戦々恐々としていた。その後に続く多くの銀行や企業を
連想したからである。これが結果的に金融恐慌発生の不安を波及させ、
株式の投げ売りが広がった。

  2002年9月に内閣改造が行われた時、竹中平蔵は経済財政政策担
当大臣に加えて金融担当大臣を兼務することになった。実は、2002年の
この年は、対米隷属構造強化において重大な進展が起きた年でもある。
それは、この年(平成14年)の5月に50年ぶりの商法(会社法)大改正が
行われ、翌年2003年の4月からそれが施行されている。りそなショックの
一月前である。この大改正の特徴は、日本型の経営組織をアメリカ型の
経営組織構造に変えることにあり、具体的には「社外取締役制度」を導
入したことである。これは強制ではなく、企業の自主裁量に委ねてはい
るのだが、改正の志向するところは、日本企業の経営組織構造をアメリ
カ型に切り替えることである。

 商法大改正の最も非日本的なところは、指名委員会、報酬委員会、監
査委員会の三つの委員会制度を採用するに当たっては、この委員会メン
バーの過半数が社外取締役、つまり外部の人間でなければならないとい
うことである。関岡英之氏によれば、この商法改正も2000年度版の「年次
改革要望書」に従っているということである。この改正の目指すところは
明らかに日本の便益のためではない。それは社外取締役にアメリカ人を
置くことでわかる。

 日本の企業経営最前線にアメリカ人を配置することで、経営の指揮コン
トロールをアメリカ本国から行うという狙いがある。実質的な経営権をコント
ロールできるということは企業ガヴァナンスもアメリカ式になるということで
ある。こんな法律を臆面もなくやる者たち、それを許容している者たちは、
日本人の顔をしたアメリカの奴隷である。南北戦争の時代、アメリカでは
リンカーンによって黒人奴隷が解放されたが、21世紀の今、アメリカは
またその制度を復活し、今度は一億二千万を越える日本人を使役しよう
とでもいうのだろうか。商法改正とは、アメリカによる対日利益確定システ
ムが、より高効率の稼動性能を発揮するためのバックアプなのである。

 もう一つ、りそな騒動が起きている頃、それに同期した興味深いことが
起きている。本山美彦氏の「売られ続ける日本 買い漁るアメリカ」によれ
ば、2003年の5月22、23日に、米テキサス州クロフォードのブッシュ牧場
でブッシュと小泉純一郎の会談が催され、宿泊も許されたそうである。こ
の日米首脳会談での小泉へのもてなしは異例中の異例で、それは外交
上の最高の「ご褒美」であるとワシントン・ポスト紙が伝えたことを、衆議
院議員・中川秀直が得々と語っていたそうである。

 ブッシュのこの異例な饗応に呼応して、会談後直ちに、USTRのゼー
リック代表は、「日本の市場開放努力と規制緩和の進展を米政府として
歓迎している」というコメントを発表している。りそなに公的資金の注入が
決定した頃、ブッシュは小泉を最大級の歓迎儀礼で遇していたのである。
今になって、あらためてこの年を顧みると、私はブッシュが敢えて行ったこ
の異常な饗応の理由が、3月20日のイラク開戦前に、小泉がいち早くブッ
シュを支持した事に対する謝礼以上のものがあるような気がするのである。

 だからこそ、USTR(米国通商代表部)のゼーリックが、「日本の市場開
放努力と規制緩和を歓迎する」という、経済に特化したコメントを出したの
が気にかかるのである。USTRだから通商関係のコメントが出たと言えば
それまでであるが、この時期、小泉純一郎のブッシュ参りの理由は、イラ
ク開戦に当たって、日本が米国の正当性を西側先進諸国でいち早く是認
したことへの「お礼」であるはずである。しかも、開戦直後で何かと慌しい
ブッシュが、そのことだけで小泉を歓待することの方が異常なのである。
つまり、この裏には同盟国日本の開戦賛同表明以上の何か、何か大き
な実利的な益が日本からもたらされたと考えなければ合点が行かないの
である。

 徹底したプラグマティズムと実利的な確実性でしか動かない米国の大統
領が、中東プランを左右する最も重要なあの時期に、唯一自分に戻れるブ
ッシュ牧場の「寝屋」に、尻尾を振るだけの小泉をわざわざ泊めたりするも
のだろうか。これこそ世界史の七不思議であろう。深読みかもしれないが、
私は今、イラク戦争と「りそな金融ショック」が、日米関係の深層の部分で
連動した動きのように思えてきている。この時期、日本人の目をりそな騒
動から遠ざけたのは、世界を驚愕させたアメリカによるイラク開戦であった。

 しかし、ブッシュが最も欣喜雀躍したであろう、2003年のこの年、自衛隊
のイラク派遣基本計画が閣議決定されたのが12月9日である。りそなショッ
クの半年以上も後のことである。ブッシュが、自衛隊の実質的派遣決定を
喜ぶなら、例の「異常饗応」の件は合点が行くことである。しかし、欧州各
国やロシア、中国などが反対しているさ中、日本がイラク開戦に賛同した
ことをブッシュが喜んだのは、開戦の大義や正義を日本が認めてくれた心
強さだけであったのかという素朴な疑問が生じる。

 この年、平成15年(2003年)の3月初旬、つまり「りそな金融ショック」の
約二ヶ月前であるが、3月初旬、日経平均株価の終値が8千円を割り込ん
だ。この株価の暴落因子が、イラク戦争勃発による世界環境の変化、そ
れに連動した米国景気のリセッション(一時後退)への不安が日本に波及、
加えて恒例的な3月危機説、あるいはこれらの複合要因であると一般には
感じられていたと思う。こういう大きな世界動向にまぎれて、この株価暴落
の真因が見逃されていたような気がする。

 植草一秀氏の視点は違っていた。この株価下落の真因は、日ごろ小泉
内閣が唱えていた、前提として例外なしの「退出させるべきは退出させる」
という構造改革の骨子的政策路線にあったことを彼は断言している。表面
的にはイラク開戦による世界同時株安という動きの中で、急激な日本株安
が発生した原因は、純然たる国内金融システムの構造的な要因にあった
のである。それこそが「りそな金融ショック」の真因なのであった。

 腹を括って、世界レベルの対テロ戦争を開始したブッシュが、その重要で
最も忙しい時期に、わざわざ時間を割いて、ハアハアとベロを出しながら尻
尾を左右に振る小泉ポチ犬に、最恵国宰相への待遇以上のもてなしを行っ
たのである。これは考えてみると不思議なことであろう。BSE感染疑惑の
ある牛肉を脅し入りの強圧で日本に輸入させるアメリカが、その見下げ果
てている日本の宰相を、最高レベルで饗応したことは異常である。これは、
この時期に日本からそうとう美味い汁を吸い取った満足感の表れとしか考
えられないのである。ここに植草一秀氏が、その鋭い視線に捕捉していた
国家がらみの「りそな騒動インサイダー疑惑」の線が浮かび上がってくるの
である。これは、この時期に米国にとって、よほど大規模な実益が日本か
らもたらされていたことを示すものである。

 日本はイラク開戦前、確かにこの戦争を秒単位の速攻で支持した。しか
し、それ以外に何か米国が喜ぶような突出したことを行っていただろうか。
考えられることは、上述したアメリカに都合の良い商法改正である。これは
アメリカにとっては確かに僥倖ではあろうが、さしあたっての強制性がない
ため、すぐには利益確保に結びつかない。それ以外に日本から米国に巨
額の利益が入った話はないのである。・・表面的には。

 私は小泉構造改革には表裏の位相が進んでいると言った。構造改革
のペテン性、まがい物性を「表」と言い、その裏で起きている、日本人に
よる犯罪的な米国利益誘導を「裏」の位相と名づけることにしたのである。
植草一秀氏が捕捉したことは、この裏の位相にほかならない。ここまで
言えば、私が何を言いたいのか賢明な読者諸氏にはもうおわかりだろう。

 そうなのである。植草氏が逮捕される前に、最も世間に訴えたかったこ
とが、りそなホールディングスの実質国有化までの一連の騒動において、
アメリカがらみ、政府がらみの意図的なインサイダー取引があったという
疑惑である。つまり、りそな騒動の背景には、政府、外資、そして政府に
協力した民間人たちのトライアングルで共謀され、仕掛けられた巨大な
規模の金融犯罪があったという植草氏の着目があったのである。

 あとで説明するが、新日本監査法人によるりそな査定と、それにまつわ
る金融庁の最終的な救済措置までの一連の胡散臭さの中に、外資(アメ
リカ)や政府関係者がむさぼった巨大な暴利が生じたということである。
これを鑑みれば、この時期、ブッシュが破格の待遇で小泉を迎えたことの
真の意味が見えるかもしれない。しかし、この記事を書いていて気が付い
たことがもう一つある。それはイラク開戦と「りそな金融ショック」の関係性
についてである。

 今年8月30日の産経新聞・東京朝刊に出ていたが、当時(’03年)、開戦
3カ月前に米国務長官(当時)アーミテージが、日本に戦費拠出の要請は
しないと伝えていたことがある。この新聞の書き方によれば、その理由と
して、米側は、日本側の湾岸戦争時の苦い教訓に配慮したということであ
った。何度も言うが、日本を属国扱いし宗主国気取りの米国が、1991年に
勃発した湾岸戦争時に、日本が130億ドル(1兆8000億円)も拠出しなが
ら、国際的には冷たい反応しか得られなかったことを配慮して、2003年の
イラク開戦には、日本から戦費の供出をびた一文求めないという話であっ
た。アメリカの本質を知る者にとって、この話を鵜呑みにしろと言う方が無
理がある。

 私は、りそな金融ショックと、その後の郵政民営化という国益毀損法案
の一連の生起過程において、米国が日本から巨額の資金を吸い込み、
また吸い取ろうとしていることを如実に感じ取る。アメリカは、これをイラク
戦費や米軍再編成に充当していると考えている。りそな金融ショックによる
恣意的な株価変動による莫大な「上がり」なども、2003年に米国がイラク
開戦に踏み切った重要な契機になったと考え始めている。それならば、ブ
ッシュ牧場の異常な饗応の一幕がすっきりと理解できるのである。

 今年の7月、国連イラク支援派遣団(UNAMI)は、イラク開戦以来、武力
攻撃で死亡した民間人の数は5万人を越えた発表した。我々日本人が、
アメリカのイラク侵攻を大義のない戦争と言うことは容易いが、私の推論
がもし当たっているのなら、ブッシュたちネオコンが、この戦争に踏みきっ
た直接の動機は、戦費捻出の目処がついたからである。だとすれば、隷
米売国政権であった小泉内閣を持ち上げ、受け入れた多くの国民は、自
分は関係ないと言っていられるだろうか。枡添要一はあるテレビ番組で、
「北朝鮮に対して米国の武力をあてにしているからイラク戦争に同意し、
自衛隊の派遣を行った」というような意味のことを吐いていた。小泉政権を
存続させてきた国民は、イラク戦争で亡くなった無辜の民の血を背負って
いることをどれだけ認識しているのだろうか。

 偽装されたりそな金融ショックが、米国のイラク武力侵攻の資金的契機
となった可能性は大きいのである。りそな金融ショックとは、あとに控えて
いる膨大な資金源である郵政資金に狙いを定めた米国が、その試験的
回収の意味合いとして行った、日本に作られた利益確定システムの稼動
実験であると私は考える。従って、この巨大な国家がらみ、米国がらみの
インサイダー疑惑の背後には、米国の獰猛な世界戦略が横たわっていた
のである。

 
 

(次回に続く)

 参考図書 

  1) 「売られ続ける日本 買い漁るアメリカ」本山美彦
2) 「拒否できない日本」関岡英之


 2 81 +−


 次へ  前へ


  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ       HOME > 政治・選挙・NHK27掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。