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(回答先: 命令放送に見る、「沈黙の国」への動き 投稿者 heart 日時 2006 年 10 月 15 日 03:10:31)
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/d338f5146f69003f2d4f9a23c43c9ccf から転載。
2006-10-15 01:04:26
NHKをプロパガンダ機関にしてはならない/上智大学・田島泰彦 [ジャーナリズム]
総務省の松田・事務次官が、12日の会見で、拉致問題についてNHKに対して国際放送を命じる制度の活用に言及したことが伝えられています。既にご存知かもしれませんが、私は今日取材されて初めて知りました。
放送法33条にこうした規定があるのは確かですが、国際放送とはいえ、政府が特定の放送を命じるなどということを許容したら、NHKは報道機関というより、プロパガンダ機関、国策放送に堕してしまうことは明らかで、憲法・放送法の表現の自由、番組編集の自由に根本的に背馳します。現行の民主的放送原則と相容れない命令による国際放送の規定は発動を控えることが求められると思います。
もしもこの制度が濫用され、慣行化されることにでもなれば、国内放送にまで拡大される危険がありますし、なによりも有事法制の指定公共機関により、放送局は政府の要請で警報や避難などの放送を義務付けられるに至っており、これらがあいまって政府の放送介入、放送統制の強化が懸念されます。
NHK・放送改革論議でも、国際放送の強化が一つの論点として提示されていますが、これとも関わって大変重要な問題と思います。いま問題にして阻止しないと、こうした措置が平然と実施されてしまいかねない状況です。
田島泰彦
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YAMASAKI Hisatakaです。
この文章は民放報道機関(主にテレビ・ラジオ)への挑発です。(^_^;)
思うに、日本で頼りになる放送局があるとしたらNHKだけです。他局はスポンサーの意向に縛られ(*1)視聴率に縛られ(*2)、言論機関としての独立性も抵抗力も低いところばかりです。例えば昨今の皇室報道は、何処が一番まとも(あくまでもまともです。良いというわけではありません(^_^;))だったかといえばNHKではないでしょうか。
これまで制作してきた番組を見れば(といってももちろんみんな見られるわけではありませんが)NHKのほうが比率として多くの秀作を作っています。
民放は、典型的に「がんばるジャーナリスト」が「独自の地位を築いたとき」のみ良い作品を作りますが(例えば鳥越俊太郎氏の報道特集など)これがシステム(つまり秀作を生み出すシステム)になどなっていません。だから簡単に、それまで優れたドキュメンタリーを制作していた番組で突如としてウルトラ極右番組が登場したりするのです。簡単に言えばディレクターや番組スタッフ次第と言うことです。
NHKには地方支局を含め、多くの人が活躍しています。その数は民放の何十倍にもなります。すなわち「同じ比率で優れたジャーナリストが居たとしたら絶対数は民放の数十倍の人数が居る」ことになるわけです。これだけ多いと、点は線になり線は面になり得ます。民放は線が線のままだということです。
また、民放はその利益(視聴率)至上主義の仕組みから、優秀な報道人を養成する暇も資金もありません。外部の優れた人物を引き抜くことはあっても、自ら優秀な人材を育成する能力に欠けます。だから右肩下がりで質が低下しているのです。
そのNHKに目を付けてつぶしにかかったのが、昨今のNHKをめぐる放送介入(ETV特集「裁かれた戦時性暴力」への介入)だとか資金をめぐるバッシングです。その中心にいた一人が安部晋三首相だということとNHKに拉致問題報道を強制(命令)しようというのと無関係であるはずがありません。
「裁かれた戦時性暴力」問題とは、放送法第3条で「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」と規定しているところ、当時政務担当内閣官房副長官だった安倍晋三氏が放送前NHK幹部と接触し、事前につかんだ番組の中身に注文をつけ、実際に番組が改変のうえ放送されたことが明るみに出たことで大きな問題となったのです。だったら今度は堂々と法に基づいて報道の中身に介入しようじゃないかというわけです。
報道の内容には介入しないなどという総務大臣のエクスキュースをご丁寧にも書いている報道がありましたが、そんなことを信じるほどのお人好しはどこにもいないでしょう。権力が介入するということをもっと真剣に考えてほしい。
一部の人間の不正を利用して、時の政権が気に入らない組織そのものまで破壊をする。昨今よく見られる権力による介入の手法です。一般企業であればまだ代わりはあるかもしれませんし、行政機関ならば法律が一定の歯止めとなりますが、NHKは困ったことに唯一かつ無二の存在なのです。
*1
電力会社から莫大なスポンサー料収入のある放送局はニュース枠ですらもはや原発や核燃料サイクルのことに触れません。見ることができるのは原発企業のコマーシャルか「原発が停止しましたが環境に影響はありません」という大本営発表のようなニュースだけです。一度でも東京のキー局が地震で原発はどうなるかというシミュレーションをしたことがありますか。もちろん安全に止まりましたなんていうどうでもいいものではなく放射能放出から汚染の拡大に至るシミュレーションです。
それに比べ、今は確かに絶対量は少なくなっているものの、原発報道をではNHKは他局の追随を許しません。(東京キー局の基準です。民放地方局は除きます)
チェルノブイリ原発事故の真実を報道するために事故数ヶ月後に現地に飛んだのはNHKのディレクターであり、原発の是非を数回の特集番組で視聴者に問うたのは、当時NHKのキャスターをしていた現高知県知事の橋本大二郎氏でした。高知県に核のゴミ処分場を誘致しないと繰り返し語り、「札束を振りかざす原子力行政はもう止めるべきだ」と語る数少ない知事です。
そういうことからも今や彼の身辺も危険が迫っているかもしれません。二年前に兄の故橋本龍太郎元首相の選挙資金疑惑に関連し、自身も選挙資金スキャンダルを仕掛けられて一度知事を辞任、出直し選挙で当選しています。ちょうど原発立地県が原発からの脱却を日本の県政史上初めて示した福島県知事が弟の談合疑惑で知事の座を追われたのと似た構造です。
*2
いまや北朝鮮バッシングをしていれば視聴率は稼げるのでしょう。その影響が、制裁発動賛成が8割を超える事態となってしまいました。
日本が15年戦争に突入していった過程で、なぜほとんどの報道機関が戦争賛成になり翼賛報道をしていくようになったかと言えば、売れたからだと田原総一郎氏は語っていました。今まさにそうなっているのではないでしょうか。週刊誌(一部を除けばもはやあれはプロパガンダと扇動以外の何ものでもないかもしれない)のレベルに民放報道機関の報道番組が陥ってきたのだということを自覚している報道人はいったいどれだけ居るのでしょうか。これは北朝鮮以上の洗脳ではないでしょうか。
特にひどいのがバラエティ型政治討論(?)番組です。いまにもテポドンに核弾頭が装着され、東京に着弾するかと言わんばかりのシミュレーションを繰り返していますが、今そんな想定は米軍だってしていません。第七艦隊の全戦闘艦艇はヨコスカに停泊したままです。そんなに戦争を煽って恥ずかしいと思わないのでしょうか。
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