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先日近くの公共図書館で朝日新聞を読んでいた。すると「オピニオン」のところに気になる記事が載っていた。加藤洋一(朝日新聞アメリカ総局長)の「公表文書、一転取り下げ/米軍再編の混乱ちらり」と題した記事だ。米太平洋軍のHPで公表されていた文書が日本政府のクレームで削除されたというのだ。
その時はちらっと気になっただけだが、本日(10月15日)の「しんぶん赤旗」記事を読んで、初めて事柄の重要性が分かってきた。「しんぶん赤旗」が9月28日に米軍公表文書もとに記事を書いて「沖縄負担軽減」の欺瞞を暴いていたのだ。以下該当の朝日新聞記事(10月12日付)と本日の「しんぶん赤旗」記事を転載しておく。
削除された米軍公表の文書は日本政府にとってよほど見られて困るものだったに違いない。
公表文書、一転取り下げ/米軍再編の混乱ちらり
(朝日新聞の電子版には出ていないので紙面から貼りつけ)
米軍再編をめぐって、最近、日米間でちょっと物議を醸した文書がある。
沖縄から移転する海兵隊をはじめとする米国の各軍が、今後グアム島でどのような部隊展開と施設づくりを考えているかをまとめた「グアム統合軍事開発計画」(GIMDP)だ。
先月、ハワイに司令部を置く米太平洋軍がホームページに載せたが「約一週間」で取り下げてしまった。同軍に尋ねると「管理運営上の理由」という答えが返ってきたが、関係者によると日本政府がクレームをつけたためだという。
読んでみると、表紙などに「公表可」と明記されている。太平洋軍としては、しかるべき手続きをへたもので誤って表に出したのではないことが分かる。この一件は、作業が遅れ気味で混乱ものぞく米軍再編の現状を、象徴的に表していると言えそうだ。
現在、米軍再編は今年5月に日米両政府で合意された「再編実施のための口ードマップ」に基づいて実施段階に入っている。日本側では来年度予算に必要となる経費を計上する作業が進められている。ただし「目玉」である海兵隊のグアム移転については、米側の計画の細部がまだ詰まっていないため、きちんとした形での予算要求ができていない。財源をめぐる議論も棚上げされたままだ。
そういう中で、米太平洋軍が海兵隊移転を含むグアムの開発計画を一般に公開してしまったので、日本側が不信感を持ったということのようだ。
文書は91n。「要約」「現状」「施設要求と分析」「想定される開発計画」などの章からなっており、「今後、グアムで想定される大規模な兵力展開を実施するにあたり、実現可能性と計画の手引を示すものだ」と説明されている。ただし最終的に米側がまとめて日本に示すことになっている正式な「マスタープラン」ではないと断ってある。関係者によると「委託を受けた業者が、各軍の計画をくっつけただけのもの」だそうだ。
そういう未整理のものであっても、海兵隊司令部の移転のほか、空軍が無人偵察機(UAV)、グローバルホークを常駐させることや、海軍が主に横須賀から来航する空母のための埠頭を整備すること、さらに最新鋭の沿岸海域戦闘艦(LCS)を配傭することなどが盛り込まれており、グアムが今後、童要な戦略的拠点として強化されるてとがよく分かる。
海兵隊の移転先については、島の北西部にある海軍コンピューター・テレコム基地を想定し、さまざまな計画が練られていることが説明されている。
米側の作業は遅れている。当初、マスタープランは7月にはできると言われ、その後のびのびになっている。このため、予算編成に向けて計画の詳細を求める日本との間で摩擦が起きている。
米側にも日本に対する不安がある。特に11月の沖縄県知事選をめぐる政治の動きだ。立候補予定者は、革新陣営だけでなく保守側も、昨年日米が合意した普天間飛行場の移設案を支持していない。地元の合意が得られずにズルズルと先送りされ、結局、仕切り直しとなった96年の沖縄特別行動委員会(SACO)合意の二の舞いを演じるのではないか。米側にはそんな懸念がくすぶっている。
「米軍再編の実施」は、安倍政権発足に当たって米側が安保分野で最重要とした政策課題だ。国防総省は軍の再編だけでなく、同省中枢の政策担当部門の再編も進めている。現在副次官ポストであるアジア・太平洋地域の責任者を、次官補に引き上げることがその柱だ。担当部門も整理、機能強化されるという。背景には、苦戦している「テロとの戦い」をより効率的に戦えるようにしようという狙いがある。
北朝鮮の核保有問題も急浮上した今、軍再編に対する米側の関心は一層高まると見られる。日本側に共同歩調をとるよう求める空気が強まるのは、確実だ。
削除された公表文書はここにあった。⇒
・Guam Integrated Military Development Plan (PDF 91頁、38.3 MB)
http://www.guampdn.com/news/multimedia/militaryguamplan.pdf
米太平洋軍が公表したグアム統合軍事開発計画(朝日新聞から)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-10-15/2006101502_06_0.html から転載。
2006年10月15日(日)「しんぶん赤旗」
米軍HPから また消えた
こんどはグアム部隊増強計画
本紙報道の翌日
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「またか」。思わず声をあげました。
米軍がホームページに公表している文書に基づいて、本紙が日本政府の「安全保障政策」を批判した直後、ホームページから当該文書が削除または改編されるケースに今回も出くわしたからです。しかも今度は九十一ページに及ぶ文書が丸ごと消されたのです。
消された文書は、米太平洋軍が七月に作成し、九月下旬に公表した「グアム統合軍事開発計画」(GIMDP)=写真=です。地球規模の米軍再編の一環として、在沖縄海兵隊の移転をはじめ、グアムでの部隊増強と基地整備の具体的な計画をまとめたものです。
本紙は九月二十八日付一面トップで同文書の内容を報じ、「沖縄の負担軽減」という口実でグアムに建設される海兵隊用住宅が、沖縄以外から移転される部隊も使用する可能性を指摘しました。
ホームページから消えたのはその翌日でした。「朝日」十二日付がてん末を報じました。「日本政府がクレームをつけたため」だというのです。
米軍再編は、安倍内閣の最重要課題の一つという位置付けです。そうであるなら、都合の悪い文書を国民の目に触れないようにするという姑息(こそく)な手段を取るのではなく、正々堂々とやったらどうでしょうか。(岳)
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