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社説:テロ特措法延長 ていねいな説明が前提だ
政府は、テロ対策特別措置法の期限を1年延長する改正案を6日、閣議決定した。安倍晋三首相は、教育基本法改正とともに11月1日で期限が切れるテロ特措法の延長を今国会の最優先課題に掲げている。
言うまでもなく、自衛隊の海外派遣は極めて慎重に扱うべきものである。時限立法は期限が来たらひとまず区切りをつけ、この間の活動を検証し、国民合意のもとにその後の対応を決めるというのが筋である。ずるずると延長を続けるのは避けねばならない。政府はなぜ延長するのかを明確に説明し、ていねいな国会審議を経て結論を出すべきだ。
同法は01年9月11日の米同時多発テロを受け、日本も国際社会によるテロとの戦いに参加する意思を鮮明にするために、2年間の時限立法で制定された。そして03年には2年、05年には1年と過去2回にわたって延長された経緯がある。米英のアフガニスタン掃討作戦の後方支援として、その主な活動はインド洋上に海上自衛隊の補給艦や護衛艦を派遣。テロリストの移動や武器弾薬の輸送ができないように海上阻止行動を展開する他国の艦船に対して、燃料や水などを補給するものだ。
防衛庁によると9月28日現在で提供相手国は米国、パキスタン、フランスなど11カ国で、燃料の補給回数は681回、約46万キロリットル(約200億円)に及んだ。
ただ、同時テロの後も世界各地でテロは続き、今年7月にはインドのムンバイで列車連続爆破テロがあった。アフガニスタン情勢は、武力勢力のタリバンと国際治安支援部隊(ISAF)の戦闘が激化し、悪化の一途をたどっている。テロとの戦いは終息する気配はなく、この活動は出口が見えないといっても過言ではない。
この間、国民の目はイラクの陸上自衛隊の活動に向きがちで、インド洋上への関心が高いとは言えなかった。政府には活動の実態、実際のテロ対策にどれだけ寄与しているのか、自衛隊を使わない他のテロ対策はないのか、どういう状況になったら活動を終了するのかなど、できるだけ情報を開示しきちんと説明してほしい。米国への配慮や国際的なお付き合いという見方もあるが、それは後ろ向きで法の趣旨にもそぐわない。
民主党は昨年の延長の際に反対に回ったが、党内の意見集約が混乱し反対の迫力を欠いた。今回は小沢一郎代表が反対を明言し、他の野党と共闘して成立を阻止する構えだ。与党から、対決姿勢を示すための反対のための反対と言われないように、腰を据えてチェック機能を果たしてほしい。
首相は集団的自衛権行使の事例の研究に言及したが、インド洋上の活動はその行使に抵触するという議論もあった。また、政府内には事態が起きるたびに期限を切った特措法では機動的に対処できないと、国際貢献に関する恒久法を作るべきだという動きもある。それらの議論も含め、慎重に対応するのが肝要だ。ぜひ国会は文民統制の機能を発揮してほしい。
毎日新聞 2006年10月7日 0時07分
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20061007k0000m070146000c.html
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