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□貸金業団体:金融庁元担当幹部の著書購入 2千万円分 [毎日新聞]
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061112k0000m040146000c.html
貸金業団体:金融庁元担当幹部の著書購入 2千万円分
都道府県の貸金業協会が加盟する社団法人「全国貸金業協会連合会」(全金連、東京都港区)が04年、貸金業規制法の改正にかかわった金融庁元担当幹部の著書1万冊、2000万円分を購入していたことが分かった。全金連は前年までにヤミ金対策の活動費として業界から約3億7000万円の「特別賛助会費」を集め、その一部を本の代金にあてていた。内部関係者は「役所との関係を重視した」と証言している。
全金連の内部資料などによると、この本は財団法人大蔵財務協会発行の「Q&A改正貸金業規制法のすべて」(04年1月発行、初版2000円)。03年7月の国会で議員立法によって改正され、ヤミ金対策を盛り込んだ貸金業規制法を解説する内容。著者は02年7月から1年間、業界を担当する同庁金融会社室長を務め、法案作成にかかわった。出版時は大学助教授に転出し、現在は財務省理財局課長。本は協会の会員全員に配布された。
法改正をめぐっては出資法の上限金利が00年に40.004%から29.2%に引き下げられ、03年の国会でも引き下げを含む見直しが議論された。これに先立ち、02年7月の全金連理事会で「金利・業法部会」部会長の大手消費者金融社長が「上限金利が下がり、(貸し渋りが起きて)ヤミ金がはびこったことは我々にとってフォローの風」などと述べ、金利を引き上げるための活動の必要性を訴えた。
02年9月の臨時総会では「ヤミ金対策」を前面に掲げた特別賛助会費の事業計画案が示され、一部で「この時期の金集めは誤解を招く」との指摘も出たが了承された。03年度までに大手7社を中心に約3億7800万円を集め▽広告費▽立法・行政・マスコミへの働きかけ費▽元室長の本購入−−など3億3071万円の支出を収支報告に記載した。
上限金利は同国会では結局、すえ置かれた。全金連の複数の関係者は「本の購入は表向きは会員に勉強してもらうためだが、今後も監督官庁にお世話になることを期待したからだ。内部では1万冊も必要かという声もあった」と話している。
また特別賛助会費については一部企業が使途の詳細を明らかにするよう全金連に質問状を出したが、具体的な回答はない。
全金連事務局の話 必要な本ということで買ったのだろうが、当時の経緯はよく分からない。【多重債務取材班】
毎日新聞 2006年11月12日 3時00分 (最終更新時間 11月12日 3時05分)
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