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(回答先: 拉致問題で放送命令…菅総務相が橋本NHK会長に手渡し [ZAKZAK] 投稿者 white 日時 2006 年 11 月 11 日 11:04:19)
□まやかし「議論」にだまされるな [JANJAN]
http://www.janjan.jp/media/0611/0611104436/1.php
マスコミ料理教室16 まやかし「議論」にだまされるな
2006/11/11
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NHKに「拉致報道」を命令
菅義偉総務相は10日、NHKの橋本元一会長を総務省に呼び「北朝鮮による日本人拉致問題に留意すること」と記載された命令書を手渡した。史上初めて、NHK「短波ラジオ国際放送」に対して「個別テーマへの命令」が出されたのである。
菅義偉総務相(神奈川2区、 当選 4回、谷垣派)が電波監理審議会に諮問したのが8日。同審議会はたった1時間の審議でOKを出し、これを受けての「命令」である。
なぜ今、NHKに「個別テーマへの具体的命令」を出す必要があるのか。菅総務相は「拉致問題は安倍政権の重要課題」と説明するが、これでは説明不十分だ。「命令」を出さねばならないほどNHK「短波ラジオ国際放送」が拉致問題を軽視しているというなら、まず、それを裏付ける具体的な資料を出すべきだろう。
NHK会長も「今後とも自主自立を堅持、正確で公平かつ公正な報道を行っていく」などと“神学的回答”をしていないで「必要十分な報道をしている」となぜ胸を張れないのか。「放送の自由」「報道の自由」以前の疑問が一杯だ。
次は民放への圧力と「放送法」改悪
なぜそうした当たり前の「議論」がないのか。この問題には大きな裏があるからだろう。安倍首相とNHKの間には、例の「国際女性法廷番組改変問題」への政治介入疑惑がある。未解決のこの問題で、安倍首相とNHKは『朝日』が指摘した「政治介入」を否定し続けなければならないという点で利害が一致している。
さらにNHK側には、社内不祥事続出による聴取料激減の経営危機を、政府・与党の力で「受信料義務化」によって解決して欲しいとの願いがある。菅総務相は検討を明言しており、この両者の利害が一致して内閣発足直後のいま、「個別テーマへの具体的命令」という一線を越えたのだ。
それだけではない。安倍政権の「敵は本能寺」を見極めなければならない。多少のスッタモンダがあった上で「短波ラジオ国際放送」への命令が既成事実化すると、次はNHKテレビの国際放送への命令が出るだろう。菅総務相自身がそうコメントしているから間違いない。その次は、民放へ“横槍”が入る。テレビ東京の菅谷社長が「極端に言えば、民放も免許があるからこれをやれといわれるかもしれない」と警戒する事態が現実となるだろう。
その先に見えるのは「放送法の改悪」である。内閣のスポークスマン・塩崎官房長官は「(「個別テーマへの具体的命令」を出すことによって)『放送の自由』が問われるなら法律自体が問われることだ。この際、議論いただくのもひとつの考え」と、8日の時点で、放送法改正に言及している。
この「議論いただく」がまやかしであり、「本能寺」なのである。今回の命令は、放送法33条と35条に基づくもの。放送法自体が問題ならば「議論しましょう」という姿勢は一見、民主主義的論理のように見えるが、どっこいそうではない。公共放送NHKの予算を握る政府・与党が、「放送法33条と35条は放送の自由を侵害するから削除しよう」と言うわけがない。現在よりさらに政府・与党の意図が放送に反映できる改正を実現する。それが「議論」の中身なのである。
改憲・核武装論も同じ手法
この「まやかしの議論」が、危険な政治家・安倍晋三、危険な内閣「安倍政権」の本質なのだ。
憲法についての「議論」を思い出して欲しい。改憲論者がはじめに言ったことは、「環境権がないなど、憲法が現実にあっていない。だから議論しよう」というものだった。「9条放棄」の本音を隠すための詭弁である。そして世論の動向を見ながら「自衛隊は憲法9条に照らして矛盾している」「だから憲法を変えるべき」との理屈を持ち出し、憲法違反を承知しながら自衛隊を軍隊として育て、海外派兵まで行う。こうした既成事実を作ったうえで「現状に合わせて法律を変える」という手法だ。
「核武装論議」も同じ手法。安倍首相は8日の党首討論で「核をめぐる議論と核武装するということの議論は別」「議論すらいけないというのは行き過ぎだ」と詭弁を積み重ねた。中川政調会長や麻生外相があおりたてる「核武装論」は、笹川尭・自民党党紀委員長が「非核三原則の見直し」に言及するなど次第に意図があらわになっている。
核武装論の狙いは「この際、実情と合っていない非核三原則を見直し、日本核武装に道を開く」ことだ。そんな本音を詭弁で糊塗し、「非核三原則堅持。いささかの変更もない」と臆面もなく言い切る安倍首相という人物。
これは相当なくわせ者だ。安倍政権の危険性にマスコミ・市民は一刻も早く気づかなければならない。
(松尾信之)
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