★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK27 > 1344.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: 残業代11兆円消える? ホワイトカラーの自律的労働時間制 労働運動研が試算(北海道新聞) 投稿者 gataro 日時 2006 年 11 月 09 日 13:39:46)
http://blog.goo.ne.jp/rebellion_2006/e/1bfa222fa99e64382f541233dbb08493より転載。
全ては企業のために?
残業代なし1千万人に 労働時間規制見直し試算
(http://news.goo.ne.jp/article/asahi/business/K2006110902800.html)
厚生労働省の審議会で議論されているホワイトカラー・エグゼンプション制度が導入され、年収400万円以上の会社員が労働時間規制の対象から外されると、約1000万人の会社員が1人年間114万円の残業代を受け取れなくなる、とする試算を民間シンクタンク、労働運動総合研究所(労働総研)がまとめた。
厚生労働省がホワイトカラー・エグザンプションなる制度を導入しようと企てています。これは一言で言ってしまえば残業代の不払いを合法化する制度です。現行の法制度の下でも残業代を払っていない企業は多々あるわけですが、それを法改正によって後押ししようとするものです。今までサービス残業続きだった勤め人は事態改善の可能性がほぼ0から完全に0へ、そして残業代をちゃんともらっていた勤め人、ある程度はもらっていた勤め人は、会社の思惑一つで残業代が0になります。
昨日は税調のニュースを取り上げました。政府税制調査会という、ただひたすらに法人税の引き下げを求める、企業のために便宜を図る組織があるわけですが、企業のために便宜を図ろうと頑張っている組織は税調だけではないのです。厚生労働省も残業代の不払いを合法化して、企業が最も受けられるように画策しているのです。
しかし年収400万以上が対象ですか、私は年収400万以下で該当しませんが・・・ フリーターや派遣社員などの非正規雇用では将来の見通しが立たず、だからといって正社員はサービス残業の日々、どっちになってもろくなものではありませんね。
ちなみに私が前に勤めていた会社、残業代は出ませんでした。このこと、採用面接の時に前もって告げられました。なかなか正直な態度ですが、違法です。違法ですが、会社側にそれを悪びれる様子はついぞ見ることができませんでした。どこの会社もそんなものでしょうかね。以前に働いていたバイト先でも私がバイトしていた頃は残業代が出ていましたが、投資ファンドに買収されてからは上長の認可が出ない限り残業代が支払われない制度に変更されたとか。これも違法です。
どうやら労働関係の法律は無視しても許されるようです。労働基準法違反で責任者が逮捕されたという話は聞きませんし、残業代の不払いで社長が逮捕されたとも聞きません、偽装請負も違法行為ですが誰も逮捕されてはいません。法律で禁じられている行為を意図的に繰り返す、それによってごく一部の人間が利益を享受する、それによって大多数の人間が不利益を被る、こういう事態が続いているのに、不思議なことに一人の逮捕者も出ません。どうやら労働関係の違法行為は刑法的には違法ではないみたいです。
そんなわけで残業代不払いの社長も偽装請負を推し進めた会長も、誰一人として罰せられては来ませんでした。そして誰も自分を咎めないことですっかり図に乗ったキャノンの御手洗会長、偽装請負の違法性を問われては「法律が悪い」と居直り、臆面もなく偽装請負の合法化を要求する始末です。
ま、税調の法人税引き下げ議論にせよ、厚生労働省のホワイトカラーエグザンプションにせよ、政府はあの手この手で企業への便宜を図るわけです。そしてこの辺の口実としてよく持ち出されるのが「企業を活性化させて景気回復を図る→それによって国民の所得も増える&税収も増えて財政再建に結びつく」と。しかるに昨日も書きましたが、大手企業がバブル期を上回る空前の利益を上げているにもかかわらず国民の所得は平均値、中央値ともに下がるばかり、税額の引き下げで税収は伸びず、巨額の国債発行による自転車操業が続いています。企業を優遇し続けてきたその結果は、ただ大企業だけが利益を享受したばかりであり、その恩恵は他の誰にも巡ってはいないのです。それにもかかわらず企業を優遇して企業主導での景気回復が主張され続ける、政府が企業に何でも便宜を図ってくれることを当たり前と思い、違法行為を繰り返しては何一つ反省しない、御手洗冨士男のような輩が現れたのは必然なのかも知れません。
一方、厚労省の毎月勤労統計による1人平均の年間残業時間156時間に加え、不払いの残業時間も年間240時間あると推定。計396時間に対象者の時給をかけて総額11兆6000億円、1人年間114万円が支給されなくなる計算になった。
この11兆円が労働者の懐の代わりに企業の懐に入ります。バブル期を上回る業績を上げている企業の懐に新たに11兆円が入るのです。国の歳入のうち法人税による収入が10兆円程度ですが、新たな制度改正によって企業は11兆円を手にします。支払う税金の額を、便宜を図ってもらうことで手にする金額が上回ることになる訳です。大企業は国に支払う額より(間接的にではあれ)国から貰う額の方が多いことになります。ちなみに生活保護費の総額は約2兆5000億円、国が貧乏人に支給した金額は2兆5000億円です。その一方でバブル期を上回る業績を上げている大企業に対して11兆円分の便宜を図ろうとしています。2兆5000億の生活保護に頼る貧困層がいる一方で、11兆円を手にしようとする金持ちがいます。果たして国に甘えている、たかっているのはどちらでしょうかね?
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK27掲示板
フォローアップ: