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http://www.okinawatimes.co.jp/day/200611081300_01.html
県内基地配備機も/事故で被曝可能性
米軍普天間飛行場や嘉手納基地の配備機を含む航空機の各種部品に、劣化ウランなど多数の放射性物質が使用されていたことが七日までに、米軍の資料から分かった。分量や使用期間は不明だが、いずれの物質も人体への被曝があれば放射線障害が起きる。二〇〇四年、沖縄国際大学で起きた米軍ヘリ墜落事故でも放射性物質が燃え、住民の健康不安を招いており、米軍に実態の公開を求める声が強まりそうだ。=磯野直、阿部岳
米軍資料によると、普天間に配備されているCH46中型輸送ヘリは、重量の釣り合いを取って細かな振動を抑える「バランスウエイト」に劣化ウランを使用。劣化ウランは放射性廃棄物で、兵器として使用された湾岸戦争以来、住民や兵士の健康被害との因果関係が繰り返し指摘されている。
嘉手納に飛来するC130輸送機、C141大型輸送機、C5大型輸送機、KC10空中給油機も、同様に劣化ウランを使用していた。国内の民間航空機にも使用されていた時期があったが、一九八五年の日航ジャンボ機墜落事故を機に切り替えが進み、日航、全日空の大手二社は「現在は使用していない」と説明する。
劣化ウランのほか、CH46は氷結防止探知器にストロンチウム90を使用。二〇〇四年に沖国大に墜落したCH53大型輸送ヘリも同物質を使用し、米軍は「焼失した」と発表した。
F15戦闘機は、操縦席の「ヘッドアップディスプレイ」にトリウムを使用。C130、C5は、エンジン周辺機器にそれぞれセシウムとクリプトンを使っていた。
これらの放射性物質は、国内では原子炉等規制法や放射線障害防止法によって厳密な管理が定められている。
資料は、米空軍ライトパターソン基地(米国オハイオ州)のホームページに掲載された「航空機放射性物質データベース」。現在は閉鎖されている。
米の情報公開必要
ヘリ墜落事故を調査した京都大学原子炉実験所の小出裕章助手の話 燃えて気化した劣化ウランやトリウムを吸い込むと、肺に付着して一部分が強烈な被曝を受ける。ストロンチウム90は、食べ物などを汚染した場合に体内に蓄積されやすく、危険性が高い。放射性物質が絡む事故では、がんなどの放射性障害は必ず起きる。ただ量によって十―二十年後に発病することもあり、関連の立証が難しくなってしまう。県民の頭上を飛ぶ以上、米軍の情報公開と被曝の正確な調査の態勢づくりが必要だ。
◇ ◇ ◇
[解説]
県民には未公表/早急な情報開示「安全」に不可欠
米軍の航空機に、劣化ウランなどの放射性物質の使用が明らかになったことは、騒音や墜落に加え、県民が新たな大きな不安材料を抱え込んだことになる。
米国内では基地周辺の土地利用が厳しく制限されている。仮に墜落事故が起きても、住民を巻き込む危険性は極めて低い。
しかし、普天間飛行場や嘉手納基地の周辺は住宅が密集し、航空機は市街地上空を飛行する。特に普天間所属ヘリやF15戦闘機は米軍内部でも機体の老朽化が指摘され、二〇〇四年八月、沖縄国際大学でヘリが墜落し、事故が現実となった。
墜落機にストロンチウム90が使用されていたのが明らかになったのは、事故から三週間後。当時、消火活動にあたった宜野湾市消防はそれを知らずに接近し、通常の耐火服で作業。健康診断の結果が出るまで不安な日々を過ごした。
今回の米軍資料では、人体への影響を想定するのに重要な放射性物質の量が分からないままだ。
沖縄上空で訓練する米軍機の放射性物質の詳細について、米軍は一刻も早く情報公開する必要がある。日本政府も自国民の安全を守るため、情報開示を強く要求するべきだ。(中部支社・磯野直)
「普天間閉鎖しかない」/宜野湾市長ら語気強め
米軍航空機などに放射線物質が使用されていることについて、伊波洋一宜野湾市長は「米軍は、米国で公開されている情報や安全対策を在日・在沖米軍にも適用させるべきだ」と強調。
「今後、劣化ウランを部品に使ったCH46中型輸送ヘリが住宅地上空を飛ばないよう求める。危険除去策は普天間飛行場の閉鎖しかない」と語気を強めた。
宮城篤実嘉手納町長は「地域住民にとってどのような影響があるのかを見極めたい。影響があるならば、町として何らかの対策を講じる」とコメント。
「放射性物質を使った航空機をじかに管理し、操縦する米軍人にとっても大きな問題ではないか」と指摘した。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200611081300_02.html
地元 高まる恐怖/「再び事故起きたら」
【宜野湾・嘉手納】県民の頭上を飛び交う米軍普天間飛行場所属のヘリや嘉手納基地所属の航空機に、劣化ウランなどの放射性物質が使用されていた。米軍ホームページで公開されている放射性物質の情報は、主に米国民向け。米軍は日常的に騒音被害を受けている県民に、その事実を公表しようとしない。「自由に飛んでいるのに、なぜ危険性は知らせてくれないのか」。宜野湾市民は沖国大へのヘリ墜落事故を想起し、嘉手納町民は恐怖をにじませた。
「核爆弾が飛んでいるのと同じじゃないですか」。二〇〇四年八月の米軍ヘリ墜落事故で自宅にコンクリート片が飛び込み、乳児を抱えて逃げた中村桂さん(33)は当時、墜落ヘリにストロンチウム90が使われていたと知り、悩み抜いたという。「健康診断の結果が出るまで、子どもの将来を思うと涙が毎日止まらなかった」と振り返る。
「今もヘリがわが物顔で上空を飛んでいる。ここは日本ですか」と声を荒らげた。
事故当時、消火活動にあたった宜野湾市消防の職員は「もし再び事故が起きたとき、搭載した危険物を事前に知らなければ私たちは何の対処もできない。なぜ米軍は市民のことを何も考えてくれないのか」と批判した。
宜野湾市が入手した米軍資料で、墜落の危険性が極めて高いことが明らかになった市新城区。與那覇政勇自治会長(58)は「頭の片隅ではいつもヘリが落ちたらどうしようと考えているのに、放射性物質とは身の危険を感じる。とにかく宜野湾から出て行ってほしい」と語気を強めた。
嘉手納基地に隣接する嘉手納町屋良。島袋敏雄東区自治会長は「ただでさえ戦闘機の爆音に苦しめられている上に、放射性物質を積んで飛んでいるなんて」と絶句。一息ついた後で、厳しく指摘した。「米軍が私たちを人間として見ていない証拠だ」
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