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元記者が出廷、「密約」認めぬ政府を批判
７４歳の「元記者」が初めて法廷で証言です。沖縄返還交渉をめぐる日米間の密約を示す文書を入手し、国家公務員法違反で有罪判決を受けた元毎日新聞記者が国に謝罪などを求めた裁判で、「密約」が明確になった現在も事実を認めようとしない政府を痛烈に批判しました。
怒りに震える元毎日新聞記者、西山太吉さん。７４歳の元記者は７日、東京地裁の法廷に立ち、政府を批判しました。
「人間としての怒りと不条理感を味わった。徹底的な不条理感を味わった」。
西山さんは３５年前、外務省の極秘電報を入手。この電報は沖縄返還に際し、アメリカ政府が支払うはずだった土地の原状回復費用４００万ドルを日本政府が肩代わりする「密約」があったことを示すもので、西山さんは「密約」の存在をスクープしました。
しかし、電報を女性事務官から入手していたことから、国家公務員法違反容疑で逮捕・起訴されたのです。
国は「密約」を否定。外交責任の追及はうやむやになり、男女のスキャンダルにメディアの流れも変わりました。西山さんは裁判で有罪が確定。記者生命を絶たれたのです。
「理解してくれと言ったって理解できるもんじゃない。不条理なんだから。死と同じだよ。生ける屍かもしれん」（西山さん）
事件から３０年後の２００２年、ＪＮＮが入手したアメリカの公文書から「密約」があったことが明確に裏付けられました。さらに今年になって、当時アメリカとの交渉に当たっていた元外務省アメリカ局長も「密約」の存在を認めたのです。
しかし、この証言の後も、政府は「密約」の存在を否定し続けているのです。
「そうした密約はなかったと報告を受けています」（安倍官房長官【当時】）
西山さんは、不当な起訴によって記者活動を停止させられたなどとして、国を相手に、３３００万円の損害賠償と謝罪を求め提訴。７日、東京地裁で西山さん本人が初めて法廷に立ち、密約を認めようとしない国を痛烈に批判しました。
「密約がないというなら、政府だけで否定するなら立証責任がある。沖縄返還問題は今日につながっている重大な問題だ。情報を操作し、有利な情報だけを流して不利なものを隠蔽する。『情報犯罪』は現在も続いている」。
「１００人いたら１００人があるとみているよ。もし否定するなら、ちゃんと反証の証拠を置けよ、ここにたくさん。紙切れ一枚置けないよ」（西山さん）
「情報の操作が日本の民主化の最大の敵である」（西山さん、裁判終了後）
裁判は来月２６日結審。元記者の名誉は回復されるのでしょうか。（07日21:14）
http://news.tbs.co.jp/headline/tbs_headline3419700.html
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