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社説(2006年11月7日朝刊)
[普天間移設]
浮かび上がる「新基地」像
米軍普天間飛行場の移設問題で名護市キャンプ・シュワブ沿岸部に建設が計画されているV字形滑走路について、米側が双方向から進入・着陸できるよう四カ所に進入灯の設置を求めていることが明らかになった。
「やっぱり…」というのが率直な思いだ。名護市など周辺市町村は、日米両政府が「妙案」とも評したV字形滑走路案に歩み寄ったが、やはり美辞の裏には牙が隠されていたと言えよう。
V字形滑走路のそれぞれの両端に進入灯を設置するということは、進入ルートを二つから四つに増やし、形の上では「V字」だが、飛行ルートの上では「X字」になることを意味する。
政府は「悪天候や航空機トラブル、有事など緊急着陸時における安全性を確保するためであり、その必要性を否定するわけにはいかない」と容認する考えのようだ。
しかし、緊急時ならどこからでも離着陸できるという例外措置は、同滑走路の事実上の「自由使用」に道を開きかねない。
悪天候や航空機トラブルなどの場合は別としても、「緊急時」の内容が実際に緊急かどうか、住民には知らされないし確かめようもないからだ。
嘉手納基地の騒音防止協定が一つの例である。同協定は「午後十時から午前六時までの飛行を原則禁止し、運用上必要なものに制限する」と定めている。
この「運用上」と、ただし書きが設けられているのが問題である。実態は、米軍が必要であればいつでも飛行可能ということになり、「未明の騒音」などが絶えないのもそのためにほかならない。
同じように、普天間代替施設でも「緊急時」を理由、あるいは口実に自由使用されかねないのだ。全国の米軍基地の約75%が集中する沖縄では「緊急時」が多くても不思議ではなく、米軍もその立場を逆利用しているのだ。
V字形滑走路には、固定翼機の緊急着陸などに備えて着陸拘束装置(アレスティング・ギア)も設置される計画だ。これは、C130輸送機やMV22オスプレイ(垂直離着陸機)の配備に備えることを意味する。
ヘリコプターの離着陸だけなら、着陸拘束装置やV字形滑走路の四カ所に進入灯を設置する必要はない。
米軍が離陸、着陸の使い分けに縛られず、固定翼機のタッチアンドゴーなども自由な「新航空基地」像を描いているのがこれだけでもよく分かる。
多くの県民には、米軍占領時代からの経験則があり「簡単にはだまされない」ことを政府も肝に銘ずべきだ。
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20061107.html#no_1
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