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<養子大国>ハリウッドは縮図 マドンナさん縁組で賛否両論
無償の善意か有名歌手の偽善か――。マドンナさんがアフリカ南部マラウイでデイビッド・バンダちゃん(1)と養子縁組したことが話題を呼んでいる。欧米の養子事情は? 【ロサンゼルス國枝すみれ、ロンドン小松浩】
マドンナさんの自宅がある英国では、賛否両論が渦巻いている。
黒人女性のコリーン・ハリス英人種平等委員会戦略局長は先月下旬のメール・オン・サンデー紙で「マドンナさんは彼を救いたかったのだろう」と理解を示しつつも、アフリカの貧困救済は「個人の感傷の問題であってはならない。裕福な生活への当たりくじよりも、家族一緒の健全な生活が支援できたはずだった」と養子縁組を批判した。
一方、サンデー・テレグラフ紙は、栄養失調で死にかけていた幼児期に、英国の白人家庭に養子縁組してもらった南アフリカの黒人女性の話を紹介。「マドンナの新しい息子は私と同じように幸運な子どもの一人だと思う」という言葉を伝えた。
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米国の芸能人で外国人を養子にしたのはマドンナさんだけではない。女優のアンジェリーナ・ジョリーさんは02年にカンボジアから男児を、05年にエチオピアから女児を引き取った。メグ・ライアンさんも今年1月、中国の女児と養子縁組した。古くはミア・ファローさん。14人の子どものうち10人が養子だ。
外国人との養子縁組の増加はハリウッド特有の現象ではなく、全米の傾向だ。米国の年間養子縁組件数は約13万人。うち外国からの養子は2万〜3万ドルの費用がかかるにもかかわらず、約2万3000件に達し、90年から3倍に増えた。
エバン・ドナルドソン養子研究所のアダム・パートマン代表によれば▽未婚の母への差別感が薄れ、養子になる米国人の赤ん坊の供給が減少した▽女性の結婚、妊娠年齢が遅くなり、出産数が減って需要が増加した――ことが主な原因だ。冷戦が終わって東西の壁が消えるなどの世界情勢も影響した。皮膚の色が違う養子縁組にも抵抗感が少ない。
パートマン代表は「国自体が移民を受け入れて発展した“養子国家”だから」と、外国からの養子を批判しない。「子どもには親が必要。1人でも救えるなら、その方がいい」。世界には1億4300万人の孤児がいるという現実があるためだ。
一方で米国にも批判はある。親の養育放棄などの理由で養護施設などに収容された子どもが約12万人いるため、「外国より彼らに目を向けろ」というのだ。収容時は既に赤ん坊ではない▽問題行動や障害がある――などの理由から、こうした子どもたちは敬遠されがちで、養子は年約5万5000人にとどまる。
米国に比べ、欧州では外国養子縁組の数は少ないが、それでもフランスやスペイン、ドイツなどは年間1000人を超える。受け入れ態勢の不備が指摘される英国でも約300人。出身地はアフリカ、中南米、アジアのほかロシアや旧東欧も多い。
肌の色が違う子どもの場合は、成長してから自己喪失感や人種差別に苦しむケースも多い。英国養子里子協会は「外国人の養子をとるすべての人は、子どもの民族的文化的背景とアイデンティティーをどう補うかを考えるべきだ」という見解を示している。
(毎日新聞) - 11月6日10時13分更新
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