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選挙:沖縄県知事選 与野党激突、基地が再び争点に−−告示
◇糸数氏、返還し県外へ/仲井真氏、県内移設容認−−普天間
日米が合意した米軍普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設など、米軍再編の行方を占う沖縄県知事選が2日、告示された。無所属で前参院議員、糸数慶子氏(59)=民主、共産、社民、国民、日本推薦▽琉球独立党党首の屋良朝助(やらちょうすけ)氏(54)▽無所属で元県商工会議所連合会長、仲井真弘多(なかいまひろかず)氏(67)=自民、公明推薦=の新人3人が立候補を届け出た。糸数、仲井真両氏による事実上の一騎打ちになるとみられる。国政での与野党が正面から対決する構図で、沖縄の基地の整理・縮小と、経済振興のあり方を争点に19日の投開票日まで激しい選挙戦に入った。
◇3氏が立候補
糸数氏は民主、共産、社民のほか、沖縄社会大衆など反自公勢力の推薦を受けて9月19日に立候補を表明。保守系政治団体「そうぞう」も支持している。普天間飛行場の「即時返還と海外移設」を求めている。那覇市での出陣式で「50年、100年先も基地問題で苦しむのか、県民の選択が問われる大事な選挙だ。『基地はいらない、憲法を守る』日本をつくるために勝ち抜く」と訴えた。
屋良氏は7月18日に出馬を表明。基地撤去と経済自立のために沖縄の独立を訴えている。
仲井真氏は自民、公明の与党と経済界に推され、8月25日に出馬を表明した。焦点の普天間飛行場移設については「県外がベストだが、県内移設もあり得る」と県内移設を容認する立場。那覇市の県庁前広場であった出陣式で「基地問題は(暫定ヘリポートによる普天間飛行場の危険性除去などの)稲嶺恵一知事の考えを引き継いで、解決へ向けて取り組んでいきたい」と述べた。
過去9回の選挙では、保守系が5勝、革新系が4勝。今回は糸数氏を保守の一部が支援しており、保革というより自公対反自公の構図で選挙が戦われる。新人同士の争いは76年と78年に続いて3回目。76年は革新が、78年は保守が勝利した。有権者(1日現在)は104万7678人。【三森輝久、上野央絵、清水健二】
◇少女暴行→返還合意→政府と対立→米軍再編
普天間飛行場移設問題は、95年9月の米海兵隊員による少女暴行事件が発端だった。県民の反基地感情に火がつき、政府は沖縄の基地負担の軽減に重い腰を上げた。市街地の真ん中にある同飛行場は基地問題の象徴となり、2人の知事が日米交渉にかかわったが、曲折の末、移設は実現しないまま。今回の知事選は、新たな米軍再編の枠組みの中で、複雑化の様相を見せる基地問題と、関連する振興策を問う。
日米両政府が96年4月、県内移設を条件とする5〜7年以内の全面返還と、同年12月に代替施設を沖縄本島東海岸沖に建設することに合意した当時の知事は、革新系の大田昌秀氏(現参院議員)だった。名護市が97年12月に海上施設受け入れを表明後、沈黙を通した大田氏は98年2月の名護市長選直前に「反対」を表明し、政府と対立。同年11月の知事選では、県外移設を主張して3選を目指したが、条件付き県内移設を訴えた保守系の稲嶺恵一現知事に敗れた。
振興策を条件とする稲嶺氏の現実路線。02年7月には国と県、名護市などがつくる代替施設協議会で、辺野古沖移設の基本計画が決まり、問題は「解決」に向けて動き出すかに見えたが、状況は一転する。世界的規模で進む米軍再編だ。
03年11月、沖縄を視察したラムズフェルド米国防長官は、反対派の阻止行動などで進まない移設に、計画見直しを指示。防衛庁も歩調を合わせ、05年10月、名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設で合意し、沿岸案に姿を変えた。
地元の頭越しの合意に稲嶺氏や地元は反発。それでも稲嶺氏は、政府との対立を避けるため、シュワブ陸上部に暫定ヘリポートを建設する対案を主張したが、防衛庁は応じず、国と県の対立は続く。政府と対立した大田氏を破った稲嶺氏は、くしくも大田氏と同じ道を歩みながら任期を終えようとしている。
沿岸案の受け入れと引き換えに、嘉手納基地以南の6施設の全面・部分返還と、在沖縄海兵隊8000人のグアム移転を実現させ、「抑止力の維持」と「沖縄の負担軽減」を目指す在日米軍再編。だが、米国は10月、その一部として新たに嘉手納基地などに迎撃ミサイル「パトリオット3」を配備。「負担軽減」とは名ばかりの「機能強化」に、沖縄の不信感は募る。
県民の代表でありながら、日米両政府の意図にほんろうされる沖縄の知事。今回は「県外、国外移設」を主張する糸数氏に、仲井真氏が「県内移設やむなし」を表明し、両者の主張の違いが明確になった。【三森輝久】
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◆立候補者(届け出順)
糸数慶子(いとかず・けいこ) 59 [元]参院議員=無新[民][共][社][国][日]
屋良朝助(やら・ちょうすけ) 54 政治団体代表=諸新
仲井真弘多(なかいま・ひろかず) 67 [元]副知事=無新[自][公]
毎日新聞 2006年11月2日 東京夕刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/news/20061102dde001010002000c.html
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