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黒川氏の代表建築、取り壊しへ 銀座のカプセルタワービル
取り壊しが決まった黒川紀章氏設計の「中銀カプセルタワービル」=東京・銀座
東京都知事選で落選した建築家、黒川紀章氏(73)の代表作の1つで、東京・銀座の集合住宅「中銀カプセルタワービル」が、老朽化やアスベスト(石綿)の使用を理由に、取り壊して建て替えられることが15日、決まった。戦後の実験的建築として世界の建築界で知られ、日本建築学会などが所有者に保存を求めていた。
11階建てと13階建ての2棟が一体となった同ビルは、昭和47年に完成。四角い箱(カプセル)を積み重ねたような個性的外観のワンルームマンションで、黒川氏らの当時の建築運動「メタボリズム(代謝)」を具現化した先鋭的な建築として評判を呼んだ。
近年、老朽化やアスベストの使用が問題化し、建て替えか大規模改修かを所有者が議論していた。同日、管理組合の臨時総会で区分所有法に基づくマンションの建て替え決議が行われ、賛成が法定数を上回った。
組合の山下清兵衛理事長は「建物を残せるなら残したいが、所有者の誰も、保存のための犠牲にはなりたくない。経済面を考えれば建て替えざるを得ない」と話した。1区分当たり6割の増床が見込める地上14階建てビルへの建て替えが計画されている。
(2007/04/15 22:13)