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http://www.yukan-fuji.com/archives/2006/12/post_7981.html
WBA世界ライトフライ級王者、亀田興毅(20)=協栄=が20日、同級1位フアン・ランダエタ(28)=ベネズエラ=と再び激突する。8月2日の“疑惑の判定”により、騒動は教育問題など社会現象にまで発展。亀田はヒーローから一転、ヒールへと立場を変えたが、“世紀の一戦”はどんな展開になるのか。元チャンプら拳闘好き4人がリング外で激論した
【大橋秀行氏】
前回は世界初挑戦だったせいか、亀田君はあまりにガチガチだった。しかも、時間をかけた減量法が裏目に出て1Rにダウンを食らったが、あれがなければ楽に勝てた。
今回は、体重を試合直前に一気に落とし、スタイルも前回のように高いガードを掲げての突進から変えるという。ランダエタのアッパーへの対策で、ガードを前に出す感じにして足も使ってくるのだろう。
足を使うのは、もとのスタイルに戻すことなので不安はない。9月に練習で目を切ったが、試合延期で精神的にいい休憩になったと思う。それより、ランダエタは、亀田君が若い分だけ伸びた幅が大きいことに戸惑うのではないか。
注意点はやはり立ち上がり。といっても、慎重に入れということではない。固くならないで自分のペースをつかむことが大切だ。私なら1Rは足を使って、中盤から倒しにかかるが、亀田君が最初から足を使っても“らしく”ない。「これまでのバッシングを見返してやろう」と、1Rからガンガンいくと思う。
ランダエタはボクサーとしては出来上がっているので大きな変化はないはずだ。ただし、前回よりも攻撃的になるかもしれない。彼にも意地がかかっているからだ。
懸念は、亀田君が今回、日本でありながら“アウェー”気味の雰囲気で闘うこと。ランダエタも来日時に韓流スターの余禄で大歓迎を受け、やる気マンマンだ。
だが、逆境に強いのが亀田家。慣例の公開スパーリングをあえて回避したことで、一族の気持ちが爆発寸前であることが見てとれる。これだけ意地と意地が激突するカードは最近ない。びっくりするような展開が期待できる。
接戦になるに違いない。だがお互い意地になって手数も増えるし、腰の乗ったパンチも多くなる。カウンターからのKO決着の確率も高い。パンチ以上に気持ちが前面に出て、見ていて分かりやすい試合になるだろう。(元WBCストロー級王者)
【やくみつる氏】
私も日本人だから亀田を応援したいが、あえて“教育的指導”効果を期待してランダエタを応援するつもりだ。
先日、ランダエタと対談する機会があった。自信の程はうかがったので、私もどっしり構えて観戦する。亀田は負けても商品価値が下がるわけではないので、「存分にやってくれ」とお願いしておいた。
試合の展開は、短期間でスタイルを変更した亀田が機能するのか興味がある。ランダエタは「自分が実力的に上だから、どうこうする必要はない」と。大丈夫かなと不安になったが、あまりにいい人だったので、ますます応援したくなった。
前回の“疑惑の判定”は見終わった直後こそ疑問を感じたが、翌日の各スポーツ紙の解説を読んで、そんなものかと早くから納得していた。
その後、亀田オヤジとやりあったのは、自分の息子を「強ければ何でもあり」という社会風潮のシンボルにしようとしているミスリードに対し、「それでいいのか」という思いからだった。ただし、私が“再戦”するつもりは全然ありません。
ところで、亀田のモデルチェンジはリング内だけでないように思われる。かわいげに振る舞ってみせたり、表情の作り方も以前と違ってきた。地なのか演出なのか分からないが、オヤジとやりあった際、「亀田にも自我の萌芽が見られる。これから反抗期も訪れるだろう。早く来ればいいなあ」と申し上げた。図らずも、そのようになってきたわけで、私のジャブが効いてきたのか。
世間は一転、アンチ亀田が増えたという。ファンが転向したのではなくて、もともと苦々しく思っていた人が声を出したということだろう。私も“有言実行”を否定するものではなく、そのモノ言いぶりに苦言を呈したつもりだ。
亀田が勝てば、「どんなもんじゃい」ぐらいは言うだろうが、変わりつつある亀田の時計の針が戻ることはないだろう。むしろ精神的に安定し、より本物に近づいてくれるものと思いたい。
負けても巻き返しのストーリーが始まるだけで、アンチ亀田だって次戦を楽しみにする。陣営が演出するように「負けたら終わり」ではない。(漫画家)
【片岡鶴太郎氏】
とても楽しみ。前回はビミョーな判定だったので、今回は亀田君のファンも白黒つけてほしいと応援している。
ただ、ランダエタは懐が深いし、うまい。容易にKOできる相手ではない。今回も競り合った試合になるでしょう。
亀田君は戦法を変えたと聞きます。そこがどうなるか、見所です。
亀田君にバッシングもありましたが、ボクサーは試合になれば対戦相手だけに集中して、肉体的にも精神的にも盛り上げるから、影響は全然、気にならない。
そのパフォーマンスにしても、プロなんだから、ひとつのキャラを作るのも手口だと思う。亀田君は本来、非常に素直な性格だと言われますが、私が会った印象でも、とてもきちんとしていた。それを、ああしたキャラにして、これだけの人気になったのだと思う。あとは対戦相手に敬意をもって、礼儀を忘れないでいけば問題ない。
当日は残念ながら、テレビ観戦です。もちろん亀田君を応援しますが、同時に両選手ともいいコンディションで、いい試合を見せてほしい。(俳優)
【二宮清純氏】
亀田がスタイルを変えるという。彼は決してアゴが強いほうではないから、ピーカーブー(いないいないばあ)スタイルでアゴを隠しながら前進し、相手の内に入ってからパンチを繰り出す従来の戦法を変える必要はないと思う。
下手にジャブを突いたりすると、逆にクロスを食らう可能性が出てくる。それに、スタイル変更は数カ月でうまくいくものではない。
むしろ足りないのはパンチの強弱と緩急だ。野球でも、150キロの剛速球ばかり続けて投げれば相手は慣れるのと同じ。彼も戦況が悪くなるとコンビネーションが一本調子に陥る悪いパターンが見られた。そこが改善できたか注目したい。
減量法も変えたという。何が正解なのか人それぞれ違うが、今回の日程は、ケガをした亀田陣営の都合で延期しており、失敗しても言い訳はできない。
ランダエタは戦いぶりを変えないだろう。ただ、彼も試合を決めるパンチ力があるタイプでない。KO決着は難しい。
しかも、お互い手の内が分かっている再戦では、必然的に用心深くなる。12Rまでもつれるクロスゲームになるのでは。場合によっては、判定もスプリットやドローということがあるかもしれない。因縁のカードは、すんなりといかないもので、今回も何か起こる予感がする。
亀田はリング外でも騒がれている。前回、ダウンを喫した1Rは足が地に着いていなかったが、その前、リング外の計量時の挑発パフォーマンスをしているときでさえ緊張が伝わってきた。今回、それはないだろう。
パフォーマンスはプロなのだから多少はあってもいい。ただし試合前まで。試合後は、お互い健闘を称え合うことが大切だ。ボクシングは格式の高いスポーツで、ただの殴りっこではないのだから。
今回は、成長した、王者らしい立ち居振る舞いを見せてほしい。今回こそ、期待している。
(スポーツジャーナリスト)
《初戦の僅差判定に抗議殺到、バッシングの嵐》
1Rに生涯初のダウン。中盤こそ盛り返すも、終盤には苦悶の表情でクリンチを多用―。多くの観衆が亀田の世界初挑戦が失敗に終わったと感じた。
だが判定は、2―1の僅差ながら亀田。会場は歓声とともにブーイングに包まれ、中継したTBSには5万5000件の抗議が寄せられた。
その後、「勝てば何でも許されるのか」と亀田の“持ち味”だったはずの悪童パフォーマンスが一転、非難の的となった。ワイドショーでは、亀田家の教育方針に批判的だったやくみつる氏とパパ史郎氏が大喧嘩。オンエア中とは思えない過激な直接対決が、話題となった。
さらに、弟・大毅の試合で史郎氏が乱闘騒ぎを起こした上、亀田もスパー中のケガにより再戦が延期を余儀なくされたことに、「仮病ではないか」などと亀田家へのバッシングが続いた。
逆にランダエタは、日本人の判官びいきで人気がアップ。12日の来日時には、成田到着が韓流スターの来日と重なり、詰めかけた女性陣から黄色い声援を浴びた。
毀誉褒貶はあるにせよ、これだけボクシングが注目を浴びたことはない。ひとえに亀田家の功績には違いないが、お茶の間で、あなたはどちらを応援するのか。