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(回答先: Re: ですからその憲法改正の策動は学校でも行なわれているのです 投稿者 パルタ 日時 2007 年 1 月 12 日 00:47:54)
パルタさん、こんばんは。
おっしゃること、いちいちごもっともと思います。
今まであまり出てきていなかった観点なので、勉強になります。
以下、皆さんのご参考までに。こういうふうにいけばいいのにな、と思う例です。
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G・ウッドコック『市民的抵抗』1966、山崎時彦訳、お茶の水書房 より。
「全体主義的政府に対して非暴力的な市民的抵抗がどの程度有効かを考える上で、非常に興味深い」例:
「ナチ占領下で1941年から1942年までノルウェーの学校教師たちによって実践された非暴力的抵抗」:
ノルウェーは、ナチ戦略において特別に重要な位置を占めていた。ナチスは大真面目に北欧人種優秀説を掲げていたので、純粋で原型を保っているこの北欧人に対しては交渉によって問題を解決するという態度をとっていた。説得によってノルウェー人を味方につけることができるかどうかはナチ・イデオロギーの試金石とさえ考えられていたので、ドイツ人のノルウェー支配は比較的寛大であったのである。しかしノルウェー人たちは最初から非協力的であった。彼らは、ドイツの手先、キスリングが国内で推進しようとしたナチ運動をほとんど支持しなかった。
ナチスは、説得活動を成功させるには学校を統制しなければならないと考え、1941年初めに最初の措置を取った。すなわち、いくつかの布告を出し、ナチ理論の習得と、ナチスの方針に沿う歴史教育を義務づけたのである。だが1941年2月、1万4千人の教師たちは父母や教会指導者たちの支持を得てストライキに入った。当局は譲歩し、布告は一時留保された。しかし、これは闘争の第一ラウンドにすぎなかった。一年後の二月、同じ布告が再び出され、教師たちはナチスの方針に沿って新たに組織された教員団体に加わるように命令された。1万4千人の教師のうち1万2千人は再び父母の支持を得てそれを拒否し、その結果、学校は閉鎖されてしまった。一ヶ月後、1300人の教師が逮捕された。そのうち700人は秘密国家警察収容所に送られ、そこで肉体的重労働や拷問と変りない激しい体操をさせられた。500人は北極圏の労働収容所に送られ、そこに8ヶ月間収容された。しかしながら、抵抗した1万2千人の教師のうち、屈服してナチスの御用教員団体に加入したのは、結局150人だけであった。この間何万人もの父母が闘争に参加し、署名入りの抗議の手紙を送ったり、投獄された教師の家族を支援したりした。その結果、教師を強制しようとする企ては1942年末までに放棄されたし、ノルウェーを一つのファシスト的組合国家に変える計画も、その直後にヒットラー自身の命令によって放棄された。
これは、全体主義的政府に対する市民的抵抗の成功した例である。しかし、それが成功したのは次の二つの状況があったからに他ならない。すなわち、第一に、抵抗者たちが一般民衆の圧倒的な支持を得ていたという状況であり、第二に、もしナチスが怒りに駆られて北欧人に対する大々的なテロに走れば、それは宣伝戦における彼らの大敗北を意味したという状況である。
以上の諸例を見ればわかるように、集団的な市民的抵抗が有効であるのは、一般民衆 の支持と、敵に特別な弱点があるときだけである。集団的な市民的抵抗は、行き詰まっている既成権力より前進したい、あるいはそれに反対したい、という民衆の欲望の実現である。