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□日本の新聞はイラク戦争を総括せよ [JANJAN]
http://www.janjan.jp/media/0702/0701299081/1.php
日本の新聞はイラク戦争を総括せよ 2007/02/01
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政府と一体になってイラク戦争を支えてきた日本の新聞は、ここに至っても自らを総括せず、明日からの一歩を踏み出せるのか?
イラク戦争開始以来、丸5年が経過した。私は阪神大震災以来、5年先は見えているという確信で、生きている。概して、世の中の出来事は5年前に煙が立っているもので、ただ、無関心で見えていないだけだ、ということに気付いた時、歴史の鳥瞰図を見るような気がした。
私は5年前に米国がイラクを無理やり、攻撃し始めた時に、直ちに、ひとつの記事を書いた。「この戦争は、必ず失敗する。ブッシュは敗れる」と。図らずもそうなった。
他国が土足で上がりこんできたことを、心底喜ぶ国民が1人でもいると思ったか。まして嘘で固めた、こじつけの理由で、生活基盤も、家族も、尊厳も、踏み蹴散らし、混乱と不信と劣化ウラン弾を地獄のゴミ箱へ投げ込むかのように投げ込み、自分たちは執務室で高級ワインを煽っているのだ。こんな破廉恥な事が許されようか?
これなら、執務室で若い女性と「不適切な関係」を持ったとされるクリントンの方が、まだ人間らしいと言わねばなるまい。問題は、自分の情報網や自分の足を使わず、日米両政府の発表を丸飲みの如く発表した、大新聞と民法TV局の腑甲斐なさだ。
「大本営発表」のいかがわしさを、たった60年余で忘却の彼方に、捨て去って良いものか。社会悪を舌鋒鋭く追求するべき立場の新聞が、この際なすべきことは、同じ剣で自らに総括を求めることだ。
イラク攻撃の時期は偶然読売新聞を購読していたが、積極賛成の社説の論調に疑問を持ち、他社の新聞もいくつか、読んだ。読売、産経は積極賛成、毎日は、消極的、朝日だけが、疑問を呈していたように思う。
あまりの論調の違いに驚くと共に、あの誇り高いイラク国民の断腸の思いに、いじめる側に回った子供のように、すまない気持を持ってしまった。そして今も、ウラン弾の影響と思われる、強烈な奇児が日々量産されている。
当時の日本政府が、各国に先駆けて、戦争賛成に回った事で具体的な出兵にもまして、アメリカに精神的連帯と、狂気への支持を与え、国際世論を有利に導いた罪はこれからじっくりと償わねばなるまい。
結果、仏独は孤立し、困難な立場に立ったが、今となっては、彼らの精神的健全さと、成熟に脱帽せざるを得ない。翻って、わが国の現状は、誰一人責任を取る仕組みもなく、総括も無く、「あの時はあれでないと、いかんかったのじゃ」と口をぬぐっているだけなら、尊皇攘夷から明治維新以来進歩していない事になる。
新聞は、権力を常に監視し、「権力は堕落する」の信念の基、真実を追究することが崇高な使命であるべきではなかったか。「釜茹での蛙」でいるような、政府の御用新聞なら、このインターネット時代に、もう御用済みであるといわねばなるまい。
いまとなっては、破壊し尽くしたイラクから、当事者として抜き差しならなくなっているのだから、自らの報道姿勢を総括し、政府の政策の誤りを指摘し、調査もなしに尻馬に乗った者を追及し、責任を取らせ、根本から議論するよう、世論を盛り上げる責任が問われている。
嘘の情報で踊らされて、ピエロの役を演じるより、自らの信念に基づき長期戦略をたて、近隣の人口爆発寸前の大国とも老獪な外交をなすことが、国家の安全の面でも、公害の被害防止の面からも、緊急の、課題である。信念に基づく自主外交は好敵手からも、尊敬の念をもって、迎えられることだろう。
(小泉益男)
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