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新聞名物「元日スクープ」を見る 陰る記事、進むネット指向 [JANJAN]
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投稿者 white 日時 2007 年 1 月 02 日 14:45:11: QYBiAyr6jr5Ac
 

□新聞名物「元日スクープ」を見る 陰る記事、進むネット指向 [JANJAN]

 http://www.janjan.jp/media/0701/0701017451/1.php

新聞名物「元日スクープ」を見る 陰る記事、進むネット指向 2007/01/02
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 元日付の新聞の1面は各社が競ってスクープを載せるが、ことしの朝日、読売、毎日、産経、日経の全国紙紙面(いずれも大阪本社版)では世紀の大スクープと言えるものはなかった。政治家の疑惑追及を3紙が取り上げたが、2紙は連載記事の第1回目がトップ記事となった。

 中でも読売が1面トップ記事として伝えた「国有地200億円分無償譲渡」のスクープは情報公開制度を利用して丹念に調査したことが伺える内容で一歩リードしている。国有地を一定期間占有した企業や個人に、国が国有地を無償で譲り渡す「時効取得制度」により、全国で約200億円相当の土地がタダで手放されていることに異論を唱えている。国民の財産でもある国有地を国が安易に手放していることへの批判を展開している。

 毎日が開始した連載記事「ネット君臨」はインターネット利用者が国内で8000万人を超える中、ネットではびこる悪意や中傷、被害などを追及、連載を通じてネット社会のあり方を考えていくとしている。

 2ちゃんねるの管理人、ひろゆき(本名・西村博之)氏にもインタビューしている。ネット上であやまった情報が独り歩きすることが多いという記者の指摘に対して氏は「既存のメディアが冤罪報道をした松本サリン事件と一緒。ネットはうさん臭いもので良い。大事なのは使い方を教育すること」とネットリテラシーを高めることが必要とした。

 また、記事の中でひろゆき氏がネットでの誹謗・中傷に関連し巨額の賠償命令が出ているのを放置している中、会社から給料をもらっており1億円を超える年収があることを認めたことを紹介、差し押さえを逃れるために、金の流れを常時動かしているという趣旨の話を聞き出していることは注目される。

 連載記事では日経が1面で「ニッポンの家計・イエコノミー」という企画をスタートさせた。総額2000兆円ともされる個人資産が経済に及ぼす影響について、レポートしていく、としている。

 朝日は1面の準トップで松岡利勝・農林水産大臣の秘書が、出資法違反で福岡県警の家宅捜索を受けたコンサルティング会社の関連団体のNPO法人化の際、審査状況について内閣府に照会していたとする記事を掲載している。記事によると松岡大臣はその関連団体からパーティー券代を受け取っており、問題が発覚した際「関係者に接触したことは全くない」と釈明していることと矛盾するとしている。(なお、このNPO法人については、産経が社会面で、魚住汎英・参院議員(自民・比例)との関わりを報じた) 

 政治家の疑惑関連では産経と読売が自民党・末松信介・参議院議員(兵庫選挙区)の政治資金疑惑を載せている。末松議員が後援会幹部から5000万円の資金提供を受けたにも関わらず政治資金収支報告書に記載しておらず、政治資金規正法に抵触する恐れがあるとしている。自民党では佐田玄一郎・行政改革担当大臣が自身の政治団体の不正経理疑惑で辞任した矢先で、記事をきっかけに改めて自民党議員の金に対する姿勢と資質が問われそうだ。

 元日スクープとしては1995年1月1日付の読売の「山梨県上九一色村でサリン残留物検出」の記事が思い起こされる。当時、様々な説が飛び交ったサリンばらまき事件で、初めてサリンとオウム真理教とを結びつけた。同年の3月に発生した地下鉄サリン事件ではオウム真理教に対する強制捜査が素早く実施され、記事の信憑性も一段と高まった。

 1面ではないが昨・2006年、朝日は元日付で日本振興銀行取締役会長である木村剛氏が親族企業に不透明な融資をしていたと報道したが、これに対して同銀行が記事は誤った内容だとして訂正するよう求めて提訴している。しかし、朝日の記事内容は2005年6月11日の「週刊東洋経済」が掲載した「木村剛氏身内企業に不明朗融資」の記事と大差は無くスクープとは言いがたい内容だった。

 新年が幕を明けたが、ことしは新聞の役割が改めて問われる年になりそうだ。新聞購読が減少、頼みの綱の広告もネットへのシフトが進んでおり、新聞社の経営は先行きが不透明になっている。また、地方紙47社が参画してスタートさせたネット上のニュースサイト「47NEWS」も昨年末にスタートしネット重視の姿勢を強めている。

 元日付の紙面でもネットとの連動を模索する動きがあった。毎日は連載と連動したブログを読者サイトの「まいまいクラブ」に開設、意見や情報を募っている。日経は会員制サイト「日経ネットPLUSS」で関連記事の配信と意見も集める。2日の休刊日は各紙とも自社のサイトでニュースを読むよう呼びかけている。

 これまで元日スクープは新聞の存在感を示してきたが、ニュースがネットでどんどん配信される中、今後もその影響力を保持できるかはますます見えなくなってきた。

(山本ケイ)

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