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□角川に出版差し止め命令 東京地裁 [東京新聞]
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20061222/mng_____sya_____007.shtml
角川に出版差し止め命令
東京地裁
角川書店(東京)発行のノンフィクション作品に自分が撮影した写真を無断掲載されたとして、米国在住の女性が同社と著者に出版差し止めや百十万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は二十一日、角川に出版差し止め、角川と著者に計四十五万円の支払いを命じた。
設楽隆一裁判長は判決理由で「写真の著作権は女性にあり、角川側は著作権者の確認作業をせず著作権を侵害した」と認めた。また「取材先から写真提供があっても、ネガなどがない限り、撮影者は別にいると想定して著作権者が誰か確認する必要がある」と、取材者側に厳格な注意義務を課す判断を示した。
判決は差し止めの仮執行も認め、原告側は仮執行を申し立てる方針。
差し止めが認められたのは米国出身のジャーナリスト、ロバート・ホワイティングさん著のノンフィクション「東京アウトサイダーズ 東京アンダーワールド2」で、単行本と文庫計約七万部が発行されている。
判決によると、女性は一九七〇年、マレーシアで当時の夫が長男を抱いている写真を撮影。東京アウトサイダーズはこの写真の一部を掲載し、元夫を「元CIA(米中央情報局)」と紹介した。
訴訟で、角川側は「写真は元夫の親友から正当な手段で入手した」と主張したが、判決は「証拠はない。女性はネガも保有し、プリント写真の所有権を元夫や親友に譲渡したとしても、著作権を渡したとは認められない」として退けた。ただ「写真部分を削除すれば、販売は可能」とした。
角川書店によると、東京アウトサイダーズは、世界中から東京に集まる秘密情報部員や詐欺師、ロビイストらを描いた作品で、単行本は二〇〇二年四月に、文庫は〇四年一月に出版された。
角川書店は「判決文が届いておらず、コメントできない」としている。
■写真1枚では異例
被害の回復が難しいプライバシー権の侵害などを理由に、出版物の販売差し止めを認めたケースは過去にもあるが、スナップ写真一枚の著作権侵害で出版差し止めまで命じたのは異例のことだ。
◇
著作権侵害で出版差し止めが認められたケースは、作家の故福島次郎氏が小説「三島由紀夫 剣と寒紅」で三島氏の手紙を無断で公開したとして、遺族が出版元の文芸春秋に差し止めや損害賠償を求め、東京地裁判決は一九九九年十月、遺族の請求を認めた。高裁も支持し、最高裁で文春側の敗訴が確定した。
プライバシー侵害をめぐっては、作家柳美里さんが九四年に発表したデビュー小説「石に泳ぐ魚」で、副主人公のモデルとされた女性が出版禁止を求め、東京地裁で一九九九年に認められた。高裁、最高裁も支持して確定した。
出版の事前差し止めを求めた訴訟では、月刊誌「北方ジャーナル」が中傷記事掲載を予定しているとして、五十嵐広三元官房長官が七九年、札幌地裁に出版禁止の仮処分を申し立て、即日認められた。ジャーナル側は国に賠償などを求めて提訴したが、一審、二審ともに認めず、最高裁も八六年に上告を棄却した。
一方、田中真紀子元外相の長女の私生活に関する記事を掲載した「週刊文春」についての事前差し止め訴訟では、東京地裁は二〇〇四年三月、出版禁止の仮処分命令。東京高裁は同月「記事はプライバシー侵害だが、重大で著しく回復困難な損害を被らせる恐れがあるとまでは言えない」として決定を取り消した。長女側が抗告せずに確定した。
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