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(回答先: ヒット・チャートに操作あり!の疑惑で揺れる『オリジナル・コンフィデンス』(噂の真相) 投稿者 提供人D 日時 2006 年 12 月 20 日 08:03:12)
「噂の眞相」83年8月号特集7 ヒット・チャートの疑惑で揺れるオリコン小池聰行社長を直撃!
本誌では、音楽情報誌『オリジナル・コンブィデンス』のヒット・チャートをめぐる疑惑と日本音楽事業者協会の動きについて、七月号で報じた。その際、本誌編集部は同社の小池聰行社長に取材を申し込んだが、締切日までになんの返答もなかった。
ところが発売後、このレポートに対して小池社長から「あの記事には、いくつかの間違いや事実誤認がある。お会いして、それを正したい」という旨の申し入れがあった。もちろん、本誌も異存はない。こうして六月二十二日午後、東京・六本木にある同社の社長室で、小池聰行氏にインタビューした。以下は、その一問一答の要約である。
●「チャートに文句をつけるのは売れない歌手」
ーーまず先月、本誌の取材に応じなかったのはなぜですか?
「実は、そういうインタビューの申し込みがあったことを、ぼくは聞いてなかったんですよ。あとで記事を読んで、これはどういうことなんだと聞いたら、担当者が今日、明日は忙しくて時間がとれない、もっと先なら、ということで保留にしておいたらしい。そこでぼくは、そういうことじゃ困る、きちんと報告するように、と怒った。ぼくは時間的に不可能じゃない限り、インタビューには必ず協力するようにしているんですよ」
ーー五月二十日、音事協でセミナーを開きましたが、そのいきさつから。
「昨年十一月、NPAという音楽出版社協会から、ヒット・チャートの作製法や問題点についてお話してもらえないか、ということで二時間ばかりやったんです。そうしたら大変に好評で、幹部の方々が音事協のほうでもやってもらいたい、というわけですね。そこでメンバーシップ委員会の方々と、事前に話の内容を打ち合わせして、五月二十日の午後一時半からですか、やりましてね」
ーー時間は?「二時間の約束だったんですが、みなさん非常に熱心で、結局終ったのは四時半ごろですね。だけど、質疑応答の途中で時間切れになったものだから、もう一回やってほしいという。ぼくでお役に立つんだったらいつでもけっこうですよということで、次回は七月二十日に東條会館でやることになっています」
ーーそのセミナーで、いちばん問題になったのはなんでしょう。
「いろんな質問が出ましたけど、それはやっぱりチャートの問題、あのチャートは正しいのかとうかということですわ」
ーー具体的には?
「結局、チャートというものが持つ本質的な宿命といいますかね。いま市場に出ているレコードは何千曲もあるのに、たとえばベスト100には百曲しか入らない。そうすると上位に入らない場合、逆に不人気の証明になってしまう。そして結局、そんなチャートはないほうがいいとか、チャートそのものが間違っているんじャないかと不満を抱く人もいて、数の上では圧倒的に多いわけです。チャートをつくること自体、要するに、営業妨害じゃないか……みたいな極端な質問も出たんですよ」
ーーそれに対する答えは?
「結局、チャートには功罪がある。たとえば功についていえば、新人歌手がスターになるまでの期間が非常に短縮されるわけです。チャートがないと、実際に売れてるのかどうか一年も二年も経たないとわからないですからね。それが短縮されたことは、営業面で非常に大きな成果を発揮するわけです」
ーー罪のほうは?「チャートに入らないと、かつてのスター歌手も、あれはもう終りだといわれる。要するに、タレントが消耗品化してくる。どんどんサイクルが短くなっている。だけど、それはチャートのせいばかりじゃなく、テレビにも責任があると思うんです」
ーーじゃ、チャートにクレームをつけているのは売れていない歌手?
「ええ、ベスト10に入ってくるようなレコード会社やプロダクションは、オリコンの悪口とか、チャートが間違っているなんて絶対にいわない。まあ、それほど感謝もされませんけどね(笑)。だから、オリコンは非常に分の悪い立場に立っているわけです」
ーーしかし、オリコンのチャートは歌謡ベストテン番組の出演基準にもなっている。
「それはテレビのプロデューサーやディレクターが、出演を断わる材料にオリコンを使っているんですよ。いろんなプロダクションがタレントを売り込みにくる。その場合、自分の判断でおまえは駄目といったら、あとで恨まれる。そんなとき、オリコンのチャートに入っていないから、という一種の逃げ道になっているわけですね。だから、この記事に音事協の要請で、日本テレビの『ザ・トップテン』とTBSの『ザ・ベストテン』が、オリコンのデータを参考資料から外したように書いてあるけど、その事実はない。プロデューサーやディレクターに会ったとき、ぼくはよくいうんですよ。オリコンのデータはあくまでも参考に過ぎないんですから、あとは自分の判断で決めてほしいって」
ーーつまり、チャートそのものには問題がない?
「チャートがあるから、レコードを買い占める人間も出てくる。チャートの存在自体が悪なんだ、という人もいるけど、それはお金があるから、銀行強盗が発生するんだというようなものでね。やっぱり、銀行強盗をやる人がいけないんですよ」
ーー利用の仕方に問題がある?
「オリコンの場合、ジャンル別にさまざまなデータを出している。だけど、ほとんどの人が、この曲は何位に入ったというヒット・チャートしか見ないんです」
●ヒット・チャートの算出方法に問題はないか
ーーそのチャートの算出方法に対して、業界から疑惑の声が出ている。
「この記事で山田廣作という人が、五十位までのデータを出しているレコード店が全体の三十五パーセント、三十位までが三十五パーセント前後で、残りの三十パーセントはベストテン、もしくは二十位くらいしか送ってこない……と語っているけど、そんなことは絶対にありません。山田さんから、そういう調査を受けたレコード店があるかどうか、お調べになればわかりますよ」
ーーいや、山田氏は「オリコンをやめた人に聞いたら」といっている。
「うちをやめた人間が、そんなことをいうはずがない。だって、元社員ならそのパーセンテージを知っていますからね」
ーーじゃ、正確なパーセンテージは?
「全体の八十パーセントが、五十位までの順位をとっている。残りの二十パーセントが三十位です。なぜ三十位までしかデータを出せないかというと、レコード店の規模が小さいわけで、それ以上は不可能なんですね」
ーーだけど門外漢には、そのデータをもとに、なぜ二百位までのチャートができるのかわからない。
「われわれがやっているのは、いわゆるサンプル調査ですが、そのサンプル店を選ぶときは、片寄りがあってはいけないから、全国に一万軒あるというレコード店の代表として適当かどうか、充分に検討している。で、そのサンプル店のデータを集計し、統計学的手法にもとづいてチャートをつくる。五十位まで報告してくれますと、三百位近くまでランクづけられるが、オリコンはそれを二百位で切っている。もちろん、どんな統計でも完璧なものはありえない。が、その誤差をできるだけ少なくしようと努めているわけです」
ーーところが、レコードを買い占める会社があって、そのサンプル店のデータに操作の手を加えているでしょう。
「ええ、そうですね。現実にそういう会社があることも否定しません。だけど、それは自ら音楽業界の発展を阻害し、信用を失墜させて、ユーザーのレコード離れをますます助長する。だから、各レコード店には再三にわたって、正しいデータを提出して下さいとお願いしているわけです。正直者がバカを見る社会になっては、業界の崩壊につながる」
ーー音楽情報誌には責任がない?
「この点は外部の問題だけど、われわれとしても放っておくわけにはいかない。外部の操作にデータが影響を受けないように、こちらも信用に命をかけている」
ーーその信用性を守るための対策は?
「かつては、雑誌のうしろに公表しているレコード店だけでデータを出していた。が、これではどうしようもないので極秘の調査店を設け、さらに抜き打ち的に調査する店も加えたわけです。この三種類の店を組み合わせているから、裏工作や組織的な買いとりが、オリコンのチャートにストレートに反映されることは、絶対にないシステムになっている」
ーー思い切って調査店を、いっさい極秘にしたらどうか。
「ええ、これまで調査店の個別チャートを公開していたが、七月四日号から中止する。そして、本当に信頼できる調査網をつくるために、従来の調査店を白紙に戻し、再編成したいと考えている。が、いかんせんレコード店の場合、大型店を抜きにして調査するわけにはいかない。そういう大型店には、良心をもってデータを出してもらうよう、いま話を進めているんです」
ーーしかし、その裏をかくところが出てくるから、結局はイタチごっこでしょう。
「そうなんですよ。あとは業界の自主規制を待つしかない。先日、音事協で講演をやったときも、レコードの買いとり合戦をやらない方向で努力してほしい、と要望した」
●ランキングと広告営業の兼ね合いは!?
ーー音楽情報誌に対する疑惑の第二は、ランキングをつくるいっぽうで、営業活動をしている点にあると思う。
「結局、広告をとっているのでそういう問題か起こるけど、うちはいま広告を無制限にとっているわけではない。現状では二十五本ぐらいですね。あとは出したいといっても、お断わりしているんですよ。うちは音楽の市場調査をやる会社で、業界紙という感覚はまったくない。だから創刊して三年間は、広告を一本もとらないできた」
ーー広告をとるようになったのは?
「たまたま『ミュージック・ラボ』というのが発刊し、レコード会社や大手のプロダクションが出資するという、そこで、オリコンも広告をとったほうがいいという意見があったので、そうしたんです」
ーーそのため業界の一部には、広告がらみのランキング操作があるのじゃないか、と疑っている。「その疑惑というのは、みんな臆測であれこれいってるだけでね。それなら具体的に、どの広告がチャートにどう結びついたのか証拠を出していただきたい。むしろ、広告を載せたのにランクが下がるのは、どういうわけなんだというお叱りを「しょっちゅう受ける」
ーー同じ曲でも、オリコンと『ミュージック・ラボ』『ミュージック・リサーチ』のランキングには、かなり違いが見られる。
「うちのランクがいちばん低い。リサーチやラボより高かったケースは、あまりない。広告を出したのに、チャートが思うように上らない。で、その裏にはなにかあるんじゃないかと逆恨みされて、いろいろいわれるわけですよ。だけど、不正なことでチャートが動いたことは一度もない。もしそういうことがあれば、角川春樹じゃないけど、いつでも腹を切るだけの覚悟がある」
ーーしかし、現実に音事協では見開き広告の自粛を呼びかけている。
「いや、あれはチャートの問題が直接のきっかけになったわけじゃない。一昨年秋、中森明菜が八ページの広告を出した。この状態がつづけば、さらに十ページの広告を打つところも現われて、歯どめがきかない。レコード業界が低迷している折、お互いに広告面でエスカレートするのはやめようじゃないか、ということなんです。広告の一本や二本入ったからといって、チャートを操作していたらどうしようもない」
ーー創刊時の幹部という人間が、オリコンの“不正”を告発しているが……。
「それはWのことだろう。だけど、彼が幹部だったことは一度もないし、創刊にも参画していない。創刊後しばらくして、新聞広告で入ってきたんです。最初は編集にいたが、原稿を書けないので営業に回した。が、営業でもあんまり使いものにならなかった。おまけにいろいろ問題を起こすので、ついにクビを切った。そうしたら、すぐ『音評』というオリコンにそっくりの雑誌をつくったが、間もなく恐喝で逮捕され、前科もあると知ってびっくりした。彼がいっていることは、みんな口から出まかせですよ。一年もいないのに編集長だったなんて、とんでもない話です。先日も彼から、長い手紙がきましてね」
ーーその内容は?
「要するに、オレはオリコンのいろんなことを知っている。だから、うちのタレントのチャートをもっと上げろというわけですよ。ぼくがその脅しに乗らないものだから、あちこちでデタラメなオリコンの悪口をしゃべって歩いている」
ーーそれはともかく、音楽情報誌の経営者なり編集長が、さまざまな歌謡祭の審査員をしていることにも問題がある。
「そうでしょうね、だから、いまほとんどの審査員をやめました。ぼくも何年か審査員をやってみたけど、あまりにも仕事の面で影響が大き過ぎる。たとえば、二人のタレントがレコード大賞を争っているとき、いいほうに一票を役じれば、相手から恨まれる。それだったら、われわれはデータを提供する立場に徹するほうがいいと考えたんです」
ーー数年前、審査員の立場を利用して広告をとった人間がいた、という噂も業界に流れましたね。
「そうですね。だけど、ぼく自身はそんなこと一度もやったことがない。むしろレコード大賞の審査委員会で、選考の過程を公開すべきだと主張して、みんなに総スカンを食ったくらいです」
●黒い噂の多い中で……
ーーしかし、音楽業界にはそうした“黒い噂”が非常に多い。
「音楽情報誌のチャートにしろ、ベストテン番組のリクエストにしろ、後援会に呼びかけて組織票を送りつける。そんな体質というか土壌みたいなものが、チャートをはじめ音楽業界のさまざまなものを、腐敗させる原因になっている。だから、この問題は非常に構造的なんですよ」
ーーレコードが売れない背景には、大衆がそういう業界の体質を見抜き、愛想をつかしたことも挙げられる。
「まさにその通りですね。レコードの本質というのは、やっぱり感動産業でしょう。ところが、それをつくる人間が感動しないで、インチキの操作や宣伝で売っていたら、大衆が離れていくのは当り前ですよ」
ーー最後に、音楽業界や音事協に要望することは?
「いっぱいあり過ぎて、それをしゃべったら一時間や二時間はかかる。テレビが芸能の中心になったことも大きいが、レコード業界はここ四、五年、ヤング市場しか開拓できなかった。古い体質を脱し、科学的にユーザーの動向や期待に応えていないからですよ。チャートをインチキの対象にして、買いとりとか裏工作の材料にしないで、遅れているアダルト・マーケットの開拓などに使ってほしいと思う。その危機を理解せずに、どんなインチキをしても、自分さえよければいいというのでは、前途は厳しい。しだいにドロ沼の状態に陥って、かつての映画界のように大衆から見放されてしまう。うちも含めて、もう一度原点に戻る必要があると思いますね」
〈了〉
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