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□休刊日の「号外宅配」は是か非か [JANJAN]
http://www.janjan.jp/media/0612/0612116256/1.php
マスコミ料理教室17 休刊日の「号外宅配」は是か非か(茨城県議会選挙) 2006/12/12
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『朝日』が号外を宅配
来春の「統一地方選挙」の前哨戦といわれる茨城県議会選挙の結果が報じられた11日は、「新聞休刊日」。全国紙の朝刊の宅配はないはずだが、なぜか『朝日』の号外が新聞受けに入っていた。
「通常の宅配部数の3分の2程度を配りました。駅前での配布、コンビニエンスストアでの無料配布もしました。配達は従業員がふだん通りに行なっています。購読部数全部は来ていないので所帯持ちの読者に優先して配りました。一人暮らしの若い方はあまり(新聞を)読みませんからね」(朝日新聞の販売店)
自宅近くのコンビニの新聞コーナーには、『毎日』も『読売』の「号外」も置いてあった。『朝日』が全面広告1本、全5段2本、全3段1本を入れた4ページ構成なのに対して、『毎日』『読売』は、広告なしで1ページの裏表印刷だけ。この違いはどういうことなのか。
「4年前の県議選の際、一部地域で号外の宅配をしたことがありましたが、県内の一部で配達された家とされない家があってトラブルになりましてね、今回は、(宅配するかどうかは)各販売店の判断に任されました。うちは、不公平になるから配達はせず、前日に“結果速報の号外を販売所・コンビニで無料でお渡しします”というチラシを折り込みました」(毎日新聞の販売店)
「号外の戸別配達はしていません。本社からの指示です。駅前で無料配布しコンビニに置いただけで(事前告知の)折込み広告も入れていません」(読売新聞の販売店)
『産経』は号外を出したが宅配はせず、『日経』は号外すら出していない。地方紙の茨城新聞、常陽新聞も号外は出したが宅配はしていない。
誰のための休刊日なのか
新聞休刊日は1991年から毎月1回が予定されているが、実際には年10回で各紙足並みをそろえて休刊日当日の夕刊と翌日の朝刊の製作と宅配をお休みする仕組み。
来年も1月2日(月)、2月13日(月)、4月10日(月)、5月6日(土)、7月10日(月)、8月14日(月)、9月11日(月)、10月10日(火)、11月13日(月)、12月11日(月)が「お休み」の予定。だが05年のように、衆院総選挙や終戦60周年記念日・世界陸上女子マラソンなどの重要イベントとかち合うと通常通りの発行に変わる。
ちなみに『新聞休刊日(ウィキペディア)』は
【日本新聞協会が新聞製作、並びに新聞販売店の慰労・休暇を目的に新聞の発行をお休みにする日。休刊日の目的として、販売店の休日とともに、新聞社における輪転機や制作システムのメンテナンス作業にもあてられている。なお、取材活動や記事作成、編集は休刊日と関係なく行われている】と書いている。
休刊日となると、取材・編集の新聞記者たちは「全舷(ぜんげん)」とか「全舷上陸」という軍隊用語を無自覚に使い、編集部全体、あるいは支局全体で宴会をすることを常としている。
だが、スポーツ新聞や夕刊紙など宅配に依存しない「即売新聞」は発行し、駅売店やコンビニで販売している。
つまり、新聞休刊日は主として販売店員「慰労・休息」のために作られたもので、その真意は、「戸別配達の堅持」(日本新聞協会「新聞販売要綱」)のためなのである。
斜陽産業化している新聞社幹部たちは「宅配堅持は新聞社の生命線」と公言し、記事の中身よりも、【読者のもとに届けられてはじめて、その役割を果たすことができる】(「新聞販売要綱」)新聞の【迅速・確実な配達を行う】(同)ことを新聞経営の至上命題としている。そのために全国に張り巡らされた販売店の配達員に「休暇」を与え「宅配制度を死守しよう」というわけだ。
「宅配勝負」ではなく「中身勝負」の新聞を
いくら「号外だから薄くて軽い」といっても、通常通り、あるいは今回の『朝日』のケースのように3分の2の宅配を強いるのは新聞協会の休刊日趣旨に反するのではないだろうか。
こんな疑問をある販売店の配達員に聞くと
「自主的に出てくる人もいるが、社長から“出てくれないか”と言われると断れないよ」
「時給? いつもと変わらないと違うか。休日出勤手当てをつけてくれたらうれしいがな」と諦めムード。
確かに夕刊がない『産経』のように、開票日2日後の朝刊まで「選挙結果は待ちぼうけ」というのも困るが、このインターネット=多メディア時代に、あえて“休日出勤”を強いてまで号外配達をする必要があるのかどうか。
「大新聞の宅配依存経営が新聞を危うくしている」「新聞は記事の中身で即売勝負をすべき」と信じる筆者としては、考えさせられる『朝日』の「号外宅配」だった。
(松尾信之)
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